【結婚願望】いつ結婚したくなる? 調査をしたら、驚くほど男女で異なっていた

パートナーとの結婚を考えても、「結婚についてどう考えているのかな」「自分と相手の考えが違うかもしれない」と不安になり、うまく話題を切り出せない方は多いのではないでしょうか?
実際に結婚観についてすでに話し合い、お互いの考え方の違いに気づいた方もいるかもしれません。
本調査では、男女が結婚願望を抱くきっかけを明らかにし、結婚観に対する男女の考え方の違いについてお伝えします。
結婚願望を抱いたきっかけ
結婚願望を初めて抱いたきっかけについて、18歳以上の男女641名にアンケート調査し、回答を以下のカテゴリに分類しました。
カテゴリ | きっかけ例 |
---|---|
自身の出会い・交際 | 好きな人との出会い、自身の恋人との交際 |
友人・知人の結婚 | 友人や会社の上司、部下、同僚の結婚 |
子ども願望 | 子どもが欲しいと感じた |
パートナーシップ願望 | 家族が欲しい、配偶者が欲しい |
寂しさ・虚しさ | 恋人がいないときに感じた寂しさや虚しさ |
経済的自立 | 経済的に自立した |
ライフプランの検討 | 将来のことを考えた |
恋愛へのつらさ・飽き | 恋愛に疲れた、恋愛と結婚を別と捉えた |
親族の結婚 | 兄弟やいとこの結婚 |
独身リスクの把握 | 独身を続けるリスクを把握した |
抱いていない | 結婚願望を抱いたことがない |
そのうえで、男女の違いをカテゴリごとに確認しました。結果は以下のグラフのとおりです。

男女ともに「自身の出会い・交際」がトップも、割合には差がある
グラフに示したとおり、結婚願望を初めて抱いたきっかけは、男女で異なることが明らかになりました。
男女ともに最も多い回答は「自身の出会い・交際」ですが、女性は29.5%と高い数値を示しているのに対し、男性は17.1%。10ポイント以上の差が開いています。男女の回答がほぼ同率になった回答は「友人・知人の結婚」(男性14.3%、女性13.8%)だけで、それ以外は男女差がありました。
特に以下5つのきっかけについては、男性の回答率が女性の回答率のおよそ2〜5倍で、大きな違いがありました。
- パートナーシップ願望
- 寂しさ・虚しさ
- 経済的自立
- ライフプランの検討
- 恋愛へのつらさ・飽き
大きな差があるのが「経済的自立」で、男性回答者は10.5%なのに対し、女性はたった1.7%。「恋愛へのつらさ・飽き」という回答も男性は8.6%であるのに対し、女性は2.4%です。
一方、女性の回答率が男性の回答率を上回っていたのは、以下の3つです。
- 子ども願望
- 親族の結婚
- 独身リスクの把握
特に「親族の結婚」「独身リスクの把握」が結婚願望を抱くきっかけになったと回答した女性は、男性の倍近くいます。
男女によって結婚願望を抱くきっかけは異なることがわかりましたが、具体的にはどのような理由があるのでしょうか?
結婚したい「人」と結婚したい女性、結婚したい「時」に結婚したい男性
カテゴリの中で、「自身の出会い・交際」は女性の回答率が高くなりました。
一方、「寂しさ・虚しさ」「経済的自立」「恋愛へのつらさ・飽き」は男性の回答率が高くなりました。男性の回答率が高い3カテゴリはいずれも、恋人などの特定人物ではなく自身の置かれた立場がきっかけと言えるものです。
結婚願望を抱くときの特徴について、女性は「この人だから結婚したい」と考える傾向が強いことがわかります。例えば、「この人の子供が欲しい」「相手が結婚を意識していたから」「生活力がある人だから」など、相手に好感を持ったときに結婚を意識するようです。
もしくは、「出産できる年齢を意識したとき」や「ずっと独身でいることが現実味を帯びたとき」など、「子ども願望」や「独身リスクの把握」に関してなにかを強く実感した際にも結婚願望を抱きやすいといえます。
一方で、男性は女性に比べ「この人だから」というよりも、結婚したいタイミングが訪れたときに結婚を意識する傾向が強いようです。例えば、「家庭を経済的に支えられる見通しがついた」「結婚につながらない恋愛の難しさ」や「恋愛に対する飽き」など、経済的自立や恋愛へのネガティブな回答が結婚願望を抱くきっかけになったことが、男性には顕著に見られました。

本調査では、結婚願望を初めて抱いたきっかけについて分析しました。特定の異性を目前にして結婚願望を抱く傾向は、男性より女性に強い結果となりました。
女性は恋愛関係をへて結婚を考えたり、「この人となら結婚できそう」と特定の異性を通して結婚をイメージしたりする傾向が強いようです。中谷(2018)は、恋人がいることが結婚意欲を高める傾向は、男性より女性に強いと報告しており、本調査においても同様の結果が見られました。
一方で、男性が結婚願望を抱くのは、経済面や恋人がいない時など、特定のタイミングや環境が影響しやすいことが明らかになりました。未婚男女の結婚活動について調査した永久・寺島(2014)は、「『恋愛機会の喪失』を結婚のデメリットと考える男性は、結婚活動をしやすい傾向がある」と報告しています。結婚すると恋愛できなくなる、言い換えれば「恋愛の機会を喪失するデメリットを承知のうえで結婚したい」と考えている男性が婚活をするとも言えます。
本調査では「恋愛でのつらさ・飽き」カテゴリが該当すると考えられますが、やはり男性の回答が顕著に多くなっています。つまり、結婚意欲がある男性は、恋愛関係を経由して結婚を目指すのではなく、最初から結婚を想定した相手探しをする傾向が女性より強いと考えられます。
<引用>
中谷奈津子(2018)未婚男女における結婚意欲の関連要因―家族形成意識に関する福井・大阪における調査から― 日本家政学会誌 Vol. 69 No. 2 105~114.
※結婚意欲と恋人の有無について、女性は5%水準で有意であり、男性は有意傾向に留まっている。
永久ひさ子・寺島拓幸(2014)晩婚化・未婚化と結婚価値ー結婚活動を動機づけるのはいかなる価値かー 日新78回大会
<出典記入方法>
「結婚願望に関する調査2024(ナレソメ総研調べ)」及び、本記事URLを必ず明記してください。
<調査方法>
インターネットによるアンケート調査
<調査期間>
2024年9月27日(金)〜2024年10月4日(金)
<調査対象>
全国の18歳以上の男女
<回収サンプル数>
641名(男性105名、女性名536名)
ナレソメ総研