「恋愛」と「結婚」はどう違う?アンケート調査でわかったリアルな差とは

一見、近しいようにも感じる「恋愛」と「結婚」という言葉。相手を愛すること、相手を好きでいることに関して言えば、両者は似たような概念かもしれません。
しかし、両者を人生のステップとして考えれば、言葉の重さも大きく違ってくるのではないでしょうか?
今回の調査では、既婚者・未婚者の男女を対象に「『恋愛』と『結婚』の違いは何ですか?」をテーマにしたアンケート調査を実施しました。
アンケート結果から明らかになった、人々が考える「結婚」と「恋愛」の意識の違いを解き明かします。
『恋愛』とはいったいなにか?
まず、今回の調査では「あなたにとって恋愛とはどういうものですか?」という質問に対する回答を収集しました。
以下のグラフは、得られた回答の中でより多く使用されたキーワードを、出現率の高い順にまとめたものです。

「好き」「楽し」「ドキドキ」など、全部で7つの出現率の多かったキーワードをピックアップすることができました。
その中でも「好き」というキーワードは、21.4%と全体の約2割を占めています。
この結果から、「恋愛=好き」のイメージを持っている人が多いということがうかがえます。
上位3つのキーワードから得られた、具体的な回答は以下の通りです。
【キーワード「好き」の回答例】
- 好きな人についてあれこれ考えること、また、好きな人との関わりを楽しむこと
- 好きな人と一緒に時間を過ごすこと
「好き」のキーワードの中でも「好きな人と」という言葉が多く使われていました。つまりは、恋愛において「好きな人と一緒に〜する」という意味合いが含まれていると考えられます。
【キーワード「楽し」の回答例】
- 中期的な楽しい関係を構築する
- 一緒にいて楽しい、ギブしてあげたいと感じること
- 好きを楽しむ時間
いずれも「楽しい時間を過ごす」との意味を表す回答がたくさんありました。
好きな人と楽しいひとときを過ごすのを重視している傾向があり、上記の「好き」で得られた回答よりも、過ごす時間の濃さを求めているようです。
【キーワード「ドキドキ」の回答例】
- 相手にドキドキしたり、いちゃいちゃしたりして楽しむ事
- 異性にドキドキする!その相手と付き合うこと
恋愛ならではの「ドキドキ」を意識していることがわかりました。
「ドキドキ」を含んだ回答をしている人は、恋愛において『恋をしている実感』を重視しているのが見て取れます。
「恋愛」とは明らかに違う「結婚」への意識
続いては、「あなたにとって『結婚』とはどういうものですか?」という質問に対して得られた回答を分析した資料です。
以下のグラフでは、得られた回答の中でより多く使用されたキーワードを出現率の高い順にまとめています。

「あなたにとって『結婚』とはどういうものですか?」の質問に対しては、「一緒」「生活」「支え」など全部で9つのキーワードをピックアップ。
最も出現の多かったキーワードは「一緒」の15.6%でした。いずれも突出した数値を表したキーワードはなく、全体の数値をみると5%〜16%の間で均衡しているのが見て取れます。
上位3つのキーワードから得られた、具体的な回答は以下の通りです。
【キーワード「一緒」の回答例】
- 一緒に生活ができること
- 一緒にいて居心地がよく、自分の全てをさらけ出しても嫌われない自信と信頼関係がある
- 一緒に生きてくれるというので結婚しました。終活の準備相手。1人ではできない経験をさせてく
れる相手。結婚したばかりなので、この人で良かったと思えるように努力するだけ
「一緒に」の回答の中では、「結婚=一緒に生きていくこと(生活をすること)」と捉えている人が目立つ傾向にありました。
【キーワード「生活」の回答例】
- 一緒に生活していくこと。
- 信じて許し合った相手と生活をともにすること
- お互いを思い遣って、ともにより良い生活を目指して協力すること
上記の「一緒」が含まれていた回答と同様、『結婚=生活』への意識が強い傾向があるようです。結婚をすることで、ともに生活をする気持ちの強さを感じられる回答が並んでいます。
【キーワード「支え」の回答例】
- 家族を作ること。良いときも悪いときもともに支え合い、乗り越えること
- 家族として支え合いながら生きること
- 人生を共有すること。感情を共有すること。支え合うこと。健やかなるときも病めるときもお互いを尊重し、大切に思い、扱うこと
こちらの言葉も上記2つのキーワードと同様、「ともに生きること・生活すること」を意識した回答が見られました。
既婚者と未婚者で異なる「結婚」の概念
最後に「あなたにとって『結婚』とはどういうものですか?」という質問から得られたキーワードを、既婚者・未婚者別に分けて、出現率をまとめました。
その結果がこちらのグラフです。

その結果、結婚に対する捉え方に、未婚者と既婚者で明確な違いが見られました。
まず未婚者の観点から判断をすると、「人生」という言葉が23.5%と約2割以上を占めており、既婚者よりも結婚を人生の大きなステップとして捉えていました。
一方で既婚者の観点では、「人生」という言葉が18.8%と全体の中で最も多い割合を占めていますが、「生活」のキーワードも15.8%と「人生」に迫る勢いです。結婚に対して、より現実的な考えを持っていることがわかります。
【所長・山崎の考察】結婚するからこそ体感できるメリットがある

恋愛や結婚に対する意識調査を行った結果、既婚者と未婚者それぞれが結婚へ抱くイメージの違いは着目すべき点と言えるでしょう。
既婚者は未婚者より「生活」「安心」、未婚者は既婚者より「人生」「家族」「一生」の出現率が高い結果となりました。
既婚者は自身の結婚を根拠として結婚について説明すると考えると、結婚に伴う安心感や、結婚が日常生活そのものであるという感覚は、結婚してみてより強く実感できる要素であると考えられます。
結婚のイメージについての調査(永久,2023)では、「心からくつろげる場所ができると思う」などを含む結婚に対する幸せな生活イメージは、既婚者が未婚者より有意に高いと報告されています。結婚することで、結婚のメリットを実感しやすくなる傾向があると考えられます。
一方、未婚者において出現率が高いキーワードは、未婚者が結婚に抱くハードルを表していると言えるでしょう。「結婚によって心理的制約が生まれるイメージが強いのは既婚者より未婚者である(永久,2023)」ことからも、未婚者は「結婚のメリット」そのものより、「結婚が極めて重要度の高いライフイベントである」という側面を説明する傾向があるのかもしれません。
未婚者にとって結婚とは、「人生」や「一生」をかけて「家族」を決めること。
既婚者にとって結婚とは、「生活」の一部であり「安心」感を与えてくれるもの。
そのような違いが示唆されました。
<引用>
永久ひさ子(2023) 未婚者と既婚者における結婚イメージの比較 日本心理学会第87回大会論文集
<出典記入方法>
「恋愛経験に関する調査2024(ナレソメ総研調べ)」及び、本記事URLを必ず明記してください。
<調査方法>
インターネットによるアンケート調査
<調査期間>
2024年9月27日(金)〜2024年10月18日(金)
<調査対象>
全国の18歳以上の男女
<回収サンプル数>
663名(女性551名、男性111名)
ナレソメ総研