「コミュニティ恋愛」のリアル。出会い方や恋愛経験で、結婚する年齢も変わる!?

学校や職場、サークル、習い事などで出会い、「コミュニティ恋愛」に発展してそのままゴールイン――。そんな「コミュニティ結婚」を、理想の結婚のカタチとして思い描いている方も多いでしょう。
実際に、職場結婚や大学時代の友人同士の結婚など、周りにコミュニティ結婚をした人がいる方も多いはず。でも「どのような出会い方をしているのか」「相手とどのようなタイミングで出会ったのか」など、実際にコミュニティ結婚をした人の実態を知る機会は少ないと思います。
そこで本記事ではコミュニティ結婚の実態について調査した結果を紹介します。出会い方や結婚相手と出会った年齢(以下、出会い年齢)、結婚相手は何人目の交際相手かなど、コミュニティ結婚の詳細を明らかにしていますので、ぜひ最後までお付き合いください。
出会い方ごとに異なる、結婚相手との「出会い年齢」
本調査では、既婚者の男女728名を対象に、「結婚相手との出会い方」及び「結婚相手と出会った時の自身の年齢」を聞きました。そのうち、コミュニティ結婚における代表的な出会い方である「学校」「職場・仕事関係」「習い事・サークル」「友人の紹介」のいずれかを回答した方々が、いつ結婚相手と出会ったかをまとめたのが以下のグラフです(「全体」の結果には、「マッチングアプリ」や「結婚相談所」で出会ったという回答も含まれます)。
ご覧いただいくと明らかですが、出会い方によって「出会い年齢」は異なります。

ここからは、出会い方ごとに詳しく見ていきましょう。
「学校」で出会った方々の出会い年齢は「10代〜20代前半」が約9割
まず「学校」で出会った場合、最も割合を占めている出会い年齢は18〜21歳でした。年齢を考えると、高校や専門学校、大学などで出会った相手と結婚していると推測できます。
次に多い割合が18歳未満で、小中高生のときに出会った相手と結婚に至ったことがわかります。3番目に多いのが22〜25歳で、26歳以上になると、学校での出会いやそこからの結婚は極端に少なくなっています。
「職場・仕事関係」と「習い事・サークル」では、「20代前半」で出会うと結ばれやすい傾向に
次に「職場・仕事関係」の出会い年齢についてみていきましょう。22〜25歳が最も多くを占めており、次に多いのが26〜29歳、その次に多いのが18〜21歳です。30歳以上(30〜33歳及び34歳以上を含む)は全体の約10%であり、職場・仕事関係では主に20代で結婚相手と出会っていることが明らかになりました。
「習い事・サークル」での出会い年齢では、最も多い割合が22〜25歳、次に多いのが18〜21歳です。その他の出会い方と比べると、出会い年齢にあまり偏りがないと言えるでしょう。
20代後半で結婚相手と出会う可能性が高まる「友人の紹介」
最後に「友人の紹介」について。この場合、最も割合が多い出会い年齢が26〜29歳となっています。他の出会い方よりも出会う年齢層がやや高いことがわかります。次に多いのが18〜21歳で、比較的若いタイミングで出会っている人が多い傾向にあると言えます。
以上のことから、友人の紹介での出会い以外、結婚相手とは20代前半に出会っているケースが多いことが判明しました。コミュニティ結婚の場合、年齢が若いときに出会うケースが非常に多いという現状が浮き彫りになりました。
では、結婚相手との出会い方や出会い年齢、交際人数には何か関係があるのでしょうか? 次章で詳しく解説します。
「交際経験」も出会い方で異なる
既婚者728名を対象に、「結婚相手は何人目の交際相手か」を尋ねました。そのうち、「学校」「職場・仕事関係」「習い事・サークル」「友人の紹介」のいずれかを回答した方々が、結婚相手は何人目の交際相手だったかをまとめたのが以下のグラフです(「全体」の結果には、「マッチングアプリ」や「結婚相談所」で出会ったという回答も含まれます)。

全体の中央値として、結婚相手は「3人目」の交際相手でした。出会い方別に、より詳しく紹介します。
「学校」で出会って結婚した人の交際経験
グラフを見ると、学校で結婚相手と出会った場合、結婚までの交際人数で最も割合が高いのが3人です。

学校での出会いで結婚した人等は、結婚相手が1〜3人目の交際相手であるケースが59.7%で最も多く、約6割を占めています。4〜6人目という回答が29.0%、7人以上という回答が11.3%で割合が低く、交際人数が少ない傾向にあることがわかります。
交際人数の詳細を見ていくと、最も多い回答が「3人」で25.4%。次に多い回答が「1人、2人、4人」が同率で18.6%です。「5人」は11.9%、「7人以上」となると6.8%とさらに減っていきます。
学校での出会いから結婚に至る場合、交際人数は4名以下とあまり多くない傾向にあると言えます。
「職場・仕事関係」で出会って結婚した人の交際経験
職場・仕事関係の場合、結婚相手は1〜3人目の交際相手であるケースが40.0%で最も多いという結果になりました。次に回答の多かった4〜6人目の割合は34.7%であり、7人以上が25.3%です。

上のグラフから、結婚までの交際人数の中央値は4人ということがわかります。
さらに詳細を見ていくと、最も多い回答が「7人以上」の25.3%。他に20%以上の割合を占めるのが、「3人」の21.1%と「4人」の20.0%です。
他に割合の高い順で見ると、「1人」が11.6%、「5人」が9.5%、「2人」が7.4%、「6人」が5.3%という結果になっています。
職場・仕事関係の場合は、結婚に至るまでの交際人数が多い傾向にあることがわかります。
「習い事・サークル」で出会って結婚した人の交際経験
習い事・サークルの場合、最も多くを占めているのが、結婚相手が交際相手4〜6人目という回答で、50.0%。その他は1〜3人目と回答した人が26.7%、7人以上と回答した人が23.3%で、極端に交際人数が少ない人と多い人に分かれています。

グラフを見ると、習い事・サークルの場合、結婚までの交際人数の中央値は5人となっています。
さらに細かく見ていくと、最も多い回答は「7人以上」で23.3%。次が「5人」の20.0%、「4人」が16.7%、「3人」と「6人」が同率で13.3%です。逆に、交際人数「1人」が3.3%、「2人」が10.0%で、職場・仕事関係の場合と同様、結婚までの交際人数が比較的多い傾向にあると言えます。
「友人の紹介」で出会って結婚した人の交際経験
友人の紹介の場合、最も割合が多いのが4〜6人で46.8%、次に多いのが1〜3人の27.7%、7人以上が25.5%です。

円グラフを見てみると、結婚までの交際人数の中央値は5人となっています。
また最も多い割合は「5人」と「7人」の同率25.5%で、次に多いのが「4人」の17.0%、「3人」の12.8%です。7割以上の人が、結婚に至るまでに4人以上の人と交際しているという結果になりました。
その他の回答は「1人」が6.4%、「2人」が8.5%、「6人」が4.3%。友人の紹介で結婚した人は、交際人数が多い人の割合がとても高いことがわかります。
【所長・山崎の考察】「出会い年齢」と「恋愛経験」が鍵を握る

コミュニティ結婚(コミュニティで出会った人との結婚)における出会い年齢と交際経験を調査したところ、他の出会い方と異なる傾向が明らかになりました。
本調査より、結婚につながる出会いとなりやすいのは、学校なら21歳まで、職場や習い事なら25歳まで、友人の紹介なら29歳までと言えるでしょう。一方で、年齢だけが結婚相手との出会いやすさを規定するわけではないことにも注意が必要です。
本調査では、結婚相手は「3人目」の交際相手である(中央値)と明らかになりましたが、これは男女共同参画白書令和4年版(男女共同参画局,2022)とほぼ一致しています。なお、学校を除く、職場・仕事関係などのコミュニティ結婚の特徴を中央値からみると、20代前半に4人と交際をして、20代半ばに出会う5人目の恋人が結婚相手となっています。
この特徴に外れる場合、他の出会い方で婚活を行うことが結婚に向けてベストな選択肢になる可能性は高いと考えられます。
婚活が結婚に与える影響を調査したコルムシ・オリガ(2018)によると、1年後の結婚を導きやすい出会い方は男女ともに「お見合い」「結婚相談所」、女性のみ「親・きょうだいからの紹介」です。本調査でも取り扱った「友人の紹介」は、1年後の結婚に結びつきづらいと報告されています。
婚活当事者の視点で考えると、自身の年齢や交際経験に応じた出会い方を取捨選択して婚活することが結婚チャンスを高めることになるでしょう。
<引用>
男女共同参画局(2022)男女共同参画白書令和4年版
コルムシ・オリガ(2018)「婚活」が結婚に与える短期的な影響――結婚への移行に関する男女比較分析――
<調査方法>
インターネットによるアンケート調査
<調査期間>
2024年9月4日(水)〜2024年9月20日(金)
<調査対象>
全国の18歳以上の既婚者
<回収サンプル数>
869名。うち、既婚者728名(女性628名、男性100名)を対象に分析