“顔が良い”と許せるのは本当か? 「一目惚れ」が恋人関係・夫婦関係に与える影響

「一目惚れをしたことがあるか」というテーマは、恋愛の話題において誰もが話したことがあるテーマではないでしょうか?

そこから実際の経験談で盛り上がったことがある人も多いと思います。

しかし、一目惚れした相手と恋愛や結婚をした人は幸せなのでしょうか?

「どのくらいの人が実際に一目惚れをしたことがあるのか」や「一目惚れした人と付き合った後、その相手との関係に満足しているのか」などを明らかにしたデータを目にする機会は、ほとんどないでしょう。

本記事では、708名の男女を対象に実施した「一目惚れ」に関する調査結果を紹介します。また、「一目惚れ」と「パートナーとの関係満足度」の関連性についても解説します。

一目惚れの経験は男性のほうがわずかに多い。女性は2〜3人に1人が経験あり

本調査では、男性119名、女性589名の合計708名を対象に「一目惚れをした経験があるか?」を聞きました。

回答をまとめた結果が以下のグラフです。

男性は一目惚れの経験がある人が全体の52.9%、経験のない人が47.1%という結果になりました。半数以上の人が一目惚れの経験があることがわかります。

一方、女性で一目惚れの経験があると回答した人は全体の42.4%にとどまり、経験のない人の割合が57.6%と、半数以上を占めています。

このことから、男性のほうが女性よりも一目惚れしやすい傾向にあると言えるでしょう。

では、一目惚れはパートナーとの関係に影響を与えているのでしょうか?

「恋人」と「夫婦」で異なる。一目惚れとパートナー満足度の関係

次に、既婚者や現在恋人がいる人を対象に、相手が「一目惚れしたパートナーか否か」を聞きました。

また、パートナーとの関係満足度を7点満点で評価してもらい、「一目惚れしたパートナー」と「一目惚れではないパートナー」ごとに、その結果をまとめたのが以下のグラフです。

まず「夫婦関係」の回答から見ていきましょう。
一目惚れしたパートナーへの関係満足度は6.40に対し、一目惚れではないパートナーへの関係満足度は6.50。

その差はわずか0.10ですが、一目惚れしたパートナーへの満足度よりも、一目惚れではないパートナーへの満足度のほうが高いことがわかります。

「恋人関係」では、一目惚れしたパートナーへの関係満足度は6.25、一目惚れではないパートナーへの関係満足度は5.76です。

一目惚れしたパートナーへの関係満足度は、そうでないパートナーよりも、0.49も高くなっています。

夫婦関係の満足度は「一目惚れしたパートナー < 一目惚れではないパートナー」という結果に対し、恋人関係では、逆に「一目惚れしたパートナー > 一目惚れではないパートナー」ということが明らかになりました。

また、「一目惚れしたパートナー/一目惚れではないパートナー」の間にある差に関しても、夫婦関係における満足度では0.10と大きな差がないものの、恋人関係における満足度では、0.49もの差が出ている点が興味深いです。

以上のことから、一目惚れが関係満足度に良い影響を与えるのは恋人関係までであると言えそうです。

夫婦間の関係満足度には、「一目惚れか否か」はあまり大きな影響を及ぼさないことがわかります。

ナレソメ総研所長・山崎
ナレソメ総研所長・山崎

本調査では、一目惚れの有無による関係満足度(以下、満足度)の違いを恋人・夫婦それぞれで明らかにしました。
恋人関係において、一目惚れではない相手との満足度より、一目惚れ相手との満足度が有意に高い結果となった一方で、夫婦関係においては、一目惚れの有無によって満足度の差はほとんど見られませんでした。
この違いは、一目惚れだと、相手との性格の不一致を見過ごしがちな関係になりやすいためだと考えられます。
Barelds&Barelds(2007)は、「一目惚れカップルはそうでないカップルに比べて、外向性、神経質、自律性のギャップがある」と報告しています。
つまり、一目惚れとはお互いの性格特性の違いに目をつむって(あるいは気付かずに)関係を進展させる要因の1つになっています。それでも恋人関係であれば外見的魅力が恋愛感情を満たし満足度を高めることもあるでしょう。
一方で、婚姻関係を結び家族としての役割を担う夫婦関係では、外見的魅力の他に求められる要因が多く存在します。このような夫婦関係の特性上、パートナーの外見的魅力の重要度は相対的に下がるため、一目惚れの有無で夫婦関係の満足度に差が見られなかったと考えられます。
結婚相手を選ぶときには、見た目だけで判断せず、性格の相性や、2人でどんな生活を送っていきたいかというイメージが合うかどうかを重視することが大切です。

<引用>
Barelds, D. P. H., & Barelds-Dijkstra, P. (2007). Love at first sight or friends first? Ties among partner personality trait similarity, relationship onset, relationship quality, and love. Journal of Social and Personal Relationships, 24(4), 479–496.

<出典記入方法>
「一目惚れに関する調査2024(ナレソメ総研調べ)」及び、本記事URLを必ず明記してください。

<調査方法>
インターネットによるアンケート調査
<調査期間>
2024年9月27日(金)〜2024年10月31日(木)
<調査対象>
全国の18歳以上の男女
<回収サンプル数>
708名

ナレソメ総研