バチェラー6考察&感想|婚活のプロが語る「つまらない」理由とラストローズ予想【ネタバレあり】

誠に遺憾である。
どうして今回のバチェラー6は、ここまで面白くないのだろう。

私(恋愛エッセイストyuzuka)は、バチェラー・バチェロレッテの大ファンだ。
過去シーズンをくり返し観ては、ため息をついたり、茶を吹き出したり、1人で勝手に感情を忙しくしてきた。

共感できるバチェラーもいれば、どうにも腹の立つバチェラーもいた。 「これは無理やろ」と思うヒロインが残って、「え、なんでこの子を落としたの?」と悔しくなる回もあった。

でも、そんな感情の浮き沈みをまるごと含めて、総じて“おもろい”。

それが、今までのバチェラーシリーズ。

男女のいざこざ、予想外の展開、ちょっとした下世話さ。
そういうのを、まるで安ワイン片手に眺める夜更けのつまみみたいに、味わってきたのだ。

なのに、である。

今回のバチェラー6は、なぜかそのどれもが、物足りない。
スパイスが足りない。ドラマが起きない。そもそも、キャラが立っていない。

私は今、あのワクワクの源泉を失ってしまったような気分になっている。

まだシリーズが始まったばかりでなんとも言えないところではあるという前提で、私の嘆きを聞いてほしい。

面白くないポイント1:バチェラーが「完璧」

ここで一応、今回のバチェラーについて、サラッと紹介しておきたい。
本シリーズの目玉といえば、やっぱり彼。
主人公、バチェラー・久次米一輝(くじめ かずき)

特筆すべきはまず、その見た目だろう。
スタジオMCの指原莉乃が「過去イチどタイプ!」と即答するほどの完璧すぎるビジュアル。
彫刻みたいに完璧に計算された甘いマスク。キュートなエクボ。

圧倒的、正統派のイケメン。それでいて肩書きは、「現役医師」である。

だが、驚くのはここからだ。

彼の家柄もまた、完全に“規格外”。

なんと父親は、日本有数の美容外科グループ・共立美容外科の創業者。
つまり、彼は“ハイスペックなイケメン現役医師かつ御曹司”という絵に描いたような存在。スペックだけを見れば、もはや「ラブリアリティ番組の最終形態か?」と思えるほどの完成度なのである。

その“完璧さ”は、本編配信前からすでに「恋リア」界隈をざわつかせていた。
「やっと“本物のバチェラー”がやってきた!」と期待爆上げ状態のファンもいれば、
「私も彼のときに参加したかった……」と嘆く歴代参加者まで登場する始末。

たしかに彼は完璧だ。 これまでのバチェラーたちが、それぞれいい意味で“イカれた癖”を持っていたのに対して(もちろん褒めている)、久次米さんにはそれが、ない。正確に言えば、なさすぎるのだ。

 ――そう、彼はバチェラーとしてあまりに「完璧すぎる」のである。

実は今回のバチェラーが「おもんない」と言われる最大の原因は、まさにこの“完璧さ”にあるのではないか? と、考えている。私の今回の嘆きと考察の核は、ここだ。

というのも、これまで話題になってきたバチェラー・バチェロレッテたちは、揃いも揃って“良くも悪くも、濃い”。

たとえば、バチェラーへ謎に本気婚活しに来たせいか、ラストローズを渡した女性とは別の人と結婚して番組を“出禁”になったシンヤ。まさかの「ローズを渡さない」という選択で賛否両論を巻き起こした女神・萌子。

参加者全員にチューをしまくり「ドン引きバチェラー」として名を刻んだコウコウ。「これがバチェラー?」と肩書きにすらツッコミが入ったケイイチ。そして記憶に新しい、存在すべてが話題をかっさらった武井亜樹

……そう、彼らはどこかしら「完璧じゃない」。でもだからこそ、愛おしくて共感できる。
そして彼ら自身が人間臭くて、癖があるから、事件が起こる。

あっちで嫉妬、こっちで裏切り……。

思わず正座して見てしまうような地獄絵図が展開されるのは、バチェラーに癖があってこそなのだ。

バチェラーの“癖”は、参加者たちの“癖”をも引き出す。苛立ち、嫉妬、執着、承認欲求。
そういった“人間のえぐみ”がじわじわと画面ににじみ出るからこそ、あの番組は唯一無二のハーモニーを奏でてきた。


「わかる〜」「ないわ」「これは自分でもやりがち」「うわ、地獄」

くだらない共感だが、このくだらない共感こそが、最高な酒のアテだったのだ。

一方今回のバチェラー6は、彼自身の“アクのなさ”が、番組全体の味をそぎ落としてしまっているように感じる。まさに、出汁の入ってない味噌汁みたいだ。

 画は美しい。言葉も整っている。
でも、そこに感情がない。えぐみがない。熱がない。

だからストーリーを追うごとに感じてしまう。

 「私はいま、何を見せられているんだろう?」と。

違う違う、違うのだ。我々が今飲みたいのは、日本酒だ。

ショートケーキのように整った完璧な恋愛物語なんかじゃアテにならない。

涙でぐしゃぐしゃになって、怒りでシャンパンをぶちかまし、 嫉妬と独占欲にまみれてオイルでぬめぬめになりながら突如始まる謎のエロマッサージ。

ああいう狂気の応酬こそに価値がある。そしてそれが、バチェラーだったはずだ。

あのギトギトした人間関係を、私たちは渇望している。

だからこそ、今回のバチェラー6は、あまりにも「完璧」すぎる。
その“隙のなさ”が、番組全体の温度を下げてしまっている気がしてならないのだ。

面白くないポイント2:参加女性が全員「お麩」化。

今回の完璧なバチェラーに挑むのは、14名の参加者。

バチェラーシリーズ視聴者にとって最大の楽しみは、それぞれの「推し」を決めて応援しつつ、ラストローズを予想することだ。

そしてこれまでのシリーズでは、この参加者たちにも相当な“癖”があった。絶世の美女から、オイルぬめぬめなお色気系、アイドルタイプにバリキャリ女性、そしてツッコミどころ満載なムードメーカーまで。とにかく女性陣のキャスティングバランスが絶妙だったのだ。

恋愛リアリティショーの主役は、実はこの「参加者」たちでもある。彼女たちにどれくらい感情を動かされるかで、その番組のおもろさが変わってくる。

お気に入りのキャラクターを見つけて、「落ちないでくれ〜」と願いながら見守るからこそ、毎回のローズセレモニーは視聴者にとっても特別。「落ちてほしくないキャラクターと選ばれそうなキャラクター」が違うパターンが多いのも重なって、あの祭典はシリーズ全体に心地よい緊張感を生んでいた。

……それが、今回はどうだ。

まずは参加者全体から、まったく「個性」が感じられない。

いわゆる“量産型の港区女子”の集まり、という印象を受けた人は、私だけではないはずだ。
あれだけ完璧なバチェラーを奪い合うというのに、女性側にピカリと光るキャラがいない。

会話も、なんとも温度のない「上部グルーミング」ばかり。
「みんなが幸せになってほしい」と笹にくくりつけたのには頭をかかえた。いやいや、全員を蹴落として1人が選ばれるバトルの場でそれはないやろ。しかも、そんな発言にほぼ誰も突っ込まない。無駄にニコニコと時間だけが過ぎていく。なんでやねん。

さらに注目を集めたのが、全員の「喋り方」。

バチェラー考察動画で、うちのモテコンサル・勝倉が言っていた「お麩みたいな喋り方」という表現がまさに的確。ふにゃふにゃと芯のない喋り方に、中身がスカスカな会話。見ているこっちの心も浮遊してしまう。

……だけど同時に、私は知っている。

そのへんの女子同士の会話って、私も含めてだいたいこんなもん。
日常で、誰もがメラメラバチバチとマウント取り合ってるわけではないのだ。

じゃあ、どうして全員が「お麩」にみえるのか?
私は、バチェラーこそが彼女たちを“お麩化”しているのだと思っている。

完璧すぎるバチェラーをガチで狙うからこそ、彼女たちは自分の「エグみ」を封印しているのではなかろうか。

女子同士の薄汚いマウントだって、冷静に考えれば番組終了後には久次米familyに視聴される。そう思えば、番組を盛り上げるために爪痕を残すより、無難な振る舞いで“家族ウケ”を狙うのはむしろ賢明とも言える。それは今までのバチェラーシリーズでも共通だ。

だからこそ、それでも「殻を破らせる」ことができるかどうか。

まさにそこに、バチェラーの力量が問われているのだ。

たとえば、萌子。
彼女の会話力はまさにコーチング。彼女に呼び出された男たちは、まるで怖い上司との1on1に挑む部下だ。問いかけられ、炙り出される本音。情けない表情と、切羽詰まった言葉。だけどそれこそが、人と人とが「向き合う」リアルを魅せる。

他にはコウコウも。彼のクズムーブは、女性陣の心を強烈に揺らした。
「私チューした! え、あなたも? あなたはサウナでひっついた?」
彼が意図的だったかはさておき、その揺さぶりが、参加者の本心や行動を炙り出していたのもまた事実。

一方、久次米さんはどうだろう。

1on1のたびに女性へローズを渡し、完璧なマスクで優しい言葉をかける。
けれど本質的な会話からは、するりと逃げてしまうように見えた。

実際に参加者から、「平等マン」と笑われる始末である。

そんな彼に対して、誰が本気でぶつかれるだろうか? 限られた時間の中で、極限のプレッシャーを受けながら、あの完璧すぎる彼に、どんな強者なら自分の醜い感情までぶつけられる?

私は、無理だと思った。

だってなんの隙もない彼に本音をぶつければ、薔薇はもらえない気がしてしまう。

つるっつるの表面的な心には、個性はひっかからない。それを察した女性たちが「本気で戦う」からこそ、今回の雰囲気はまるで「無難な港区の飲み会」なのではないだろうか。

推し候補3名を経て。結論、「小田美夢」を守ります。

さて、散々「バチェラー6はおもんない」と愚痴を垂れ流してきた私だが、物語はまだ序盤。ここから極限状態に追い込まれて「大目玉」が出てくる可能性はゼロじゃない。

そんな一縷の希望を胸に、今シーズンを完走するには「推し」の設定が不可欠である。

推しを、誰にするか。
考察動画でもナレソメの各メンバーに聞いてみたが、誰もが「いない」と肩を落とした。

そんな中、私の中で候補に上がったのは、まず「パーソナルジム代表の村岡優子さん」。

https://youtu.be/O0nMtliWVtM?si=AfZre8PwezZVEQLQ

艶やかでありながら、多少のガッツも持ち合わせてバチェラーに挑むその姿勢は嫌いじゃない。なによりスタイルが良い。私が男なら、その佇まいが最初に目にとまるに違いない。

だが……彼女のことをどうしても推せない理由がある。

それは私の中にある持論があるからだ。

ズバリ、 「ファーストミートで踊る女はラストまで残らない」。

過去シリーズでも、初対面でダンスを披露した女性は数多くいた。しかし揃いも揃って流れるのは、「微妙な空気」。

もちろん、動物界や異国文化において「ダンス」は求愛アピールとして有効だ。だがここは日本。しかも、あの保守的な久次米さんに、求愛ダンスは効かないと私はふんだ。今回も私の勘が正しければ、彼女はどこかで脱落する。

次に候補に上がったのは、「元IT企業勤務の辻本菜々子さん」。

「元」と書かれているのは、彼女は今回の旅のために、仕事を辞めてきているから。「愛嬌以外は捨ててきた」というキャッチコピーは嘘じゃない。つまり菜々子は、ニートになってでも久次米を獲りにきた女。私はこういうタイプ、嫌いじゃない。

なにより、辻本さんの1on1デートはファインプレーだった。
船の上で、夕日を眺めながら交わされる会話。何か建設的な話があったわけでもない。彼女の個性も、久次米さんの本音もゼロ。ただひとつ、辻本さんがキラキラした笑顔で連呼する「嬉しい」だけ。だけどそれが、明らかに久次米さんに刺さっていた。

あの「嬉しい」は強い。あれだけストレートにポジティブな感情を表現できる人は、間違いなくモテてきた人間だ。表情と声のトーン、言葉の抜け感。そのすべてが、男子の心を溶かす。

実際、現時点でほとんど「男っぽさ」を見せていなかった久次米が、あの船上では明らかにオスみを発揮していた。

辻本さんが「ドキドキしない。自然体でいられる」と語った直後に放たれた「俺はドキドキしてるよ」という久次米カウンター。 それ、それだよ久次米。私たちが見たかったのは。

あの純白で無菌のような今シーズンにおいて、あの船上だけは唯一「今にもおっぱじまりそうな空気」が漂っていた。(※相手がコウコウなら、もう始まっていたと思う)

久次米のオスみを引き出してくれた彼女は、今シーズンの期待の星だ。

にも関わらず、彼女が「推し候補」に留まったのは、個人的な恋愛スタンスの不一致に尽きる。

仕事を辞めて久次米に賭けるような女は、たぶん久次米を扱えない。
恋愛とは不条理であり、相手に寄りかかるだけでは勝てないものだというのが、元メンヘラである私の見解だ。

あとは単純に、久次米familyと彼女がうまくやっているのが想像できなかった。

「家族と仲よくしてくれる人」という久次米が掲げているお相手に望むポテンシャル、実はめちゃくちゃ難しいと思っている。だってあの家族ですよ、かなりキモが据わっていないと厳しいでっせ。

菜々子が仕事を辞めて久次米家に嫁いだ先で、隠れて泣いているのがどうにも想像できてしまう。だから今回、彼女は推せない。

では、最終的に私が「推し」に決めたのは誰か。

「雑誌編集アシスタント兼モデルの、小田美夢さん」である。

はじめに言っておく。
私は美夢が今シーズンでラストローズを刈り取るとは考えていない。
というか、むしろあまり刈り取らないで欲しいまである。

私が彼女を「推し」に選んだのは、あまりにも、私がこれまで大切にしてきた友人たちに似ているからだ。

ふわふわと柔らかく、一見すると表面的でつかみどころがない。だけど実は、心の奥にすっと1本通った芯がある。 それを、あまり人には見せない。軽やかにかわしてしまうから、表面だけを見れば気まぐれな猫のように映る。

けれど実際の彼女は、「嫌だ」と思ったことはちゃんと「嫌だ」と言うし、譲れないことは絶対に譲らない。 彼女の言葉の節々から、そういう静かな強さがにじみ出ていた。

それは、ある意味で私にはない「育ちの良さ」のようにも見える。
ここで言う“育ち”とは、家庭環境や階級的な話ではない。
汚いものを直視しながらも、自分の潔白さだけは守ってきた人間の、静かで確かな強さ

私は、彼女のそういったところが、好きだ。

だけどその一方で、あのふわふわとした雰囲気は、ことごとくダメ男を引き寄せることを知っている。男に本能的にバカにされ、軽くあしらわれてしまうこともある。

実際に、久次米も彼女のことを「かわいくてどうしようもない年下の女の子」として扱っているようにしか見えない。

あれだけ華奢で愛らしい女の子が、ふわふわとした空気をまとってしまえば、悪い魚がわんさか寄ってくるのは当然だ。あのまま港区になんて通い始めてしまったら、ピラニアのいる池に魚肉ソーセージをぶちこむようなものだ。数日後には穴だらけのボロボロになってしまう。(勝倉論)

だからこそ、私にとっての美夢は「守りたい存在」としての推しなのだ。

お色気あざといキャラを演じようとしているものの、どうしても滲んでしまう不器用な純粋さ。もしも久次米が、その奥にある本当の魅力に気づき、掘り下げることができたなら……彼女のもっと奥行きのある、強い女性としての仕草が引き立つかもしれない。そして、彼女自身が、この旅を通して大きく成長できるのではないか? とも思うのだ。

結ばれなくていい。ただ、彼女にとってこの旅がプラスになってほしい。久次米、美夢を傷つけるなよ。今シーズンは、そんな気持ちで見守っていこうと思っている。

あとは、正直なところ、久次米familyに一番すっと馴染むのは、実は彼女みたいなタイプなんじゃないか? とも、なんとなく思っている。いや、馴染まなくていいけど。

ラストローズ予想とまとめ

と、美夢の母として今シーズンを見守る宣言だけしてしまったが、最後にひとつ、 ラストローズ予想だけは、ここに書き残しておこうと思う。

今回、私たちが予想するラストローズは「辻本菜々子」

なんだかんだで、あの「嬉しい」作戦に久次米が引っかかる。それが、いちばんありそうな展開ではないかというところで、ナレソメ考察メンバーでは意見がまとまった。

とはいえ正直なところ、今回の参加女性陣のなかに“適正”として久次米に釣り合う女性がいるか? と聞かれたら、答えはまだ「ノー」に近い。

でも、ここから「個性」や「アク」をじわじわと発揮し、私たちの予想を覆すような誰かが現れる可能性は、大いにある

その中で戦えそうな武器を、いまのところ唯一持っているのが、 “愛嬌”という圧倒的なスペックを持つ、菜々子なのかもしれない。

だからこの記事を読んでいるあなたにも、ぜひ「自分の推し」を見つけて、応援してみてほしい。

さて、 ここまで、好き勝手に語ってきたバチェラー考察だったが、旅はまだまだこれから。「おもんない」と言われはじめた今シーズンが、後半にかけてちゃんと盛り上がってくれるのか。 そして、視聴者の予想をいい意味で裏切ってくれるような展開が来るのか。

そのすべてに、ちょっとだけ期待して。私は、美夢の母として正座で今後のローズセレモニーを見守る所存である。

次回の振り返りと考察も、お楽しみに。

YouTubeのコメント、これは一理あって笑いました。あいの里おもしろかったもんな……。

yuzuka

PS.正直バチェラーの成婚率は恐ろしく低い。「幸せな結婚がしたい!」と思ったら、バチェラーへの応募よりもナレソメ予備校無料相談へ来ることをおすすめする。