【ポメの育休日記vol.3】子育ては宝石探し。育休はボーナスタイム

『ハイスペ夫が、専業主夫になってから』を追うというこちらの連載。
弊社代表モテコンサル勝倉の夫であるポメさんが、初めての育児に向き合いながら成長していく様をつづる。


連載第1回第2回


僕の朝は、70℃の白湯を飲むことから始まる。

生後2ヶ月たった息子は、だいぶ長く寝てくれるようになった。

カーテンから漏れる、朝の柔らかな光にくすぐられて自然と目を覚ます朝6時。うーんと背伸びをしてから、まずはキッチンへ。
調乳用に保温しておいたお湯でコクンとのどを潤すと、独身時代に始発待ちで飲んだ、安居酒屋の芋焼酎を思い出して懐かしい気持ちになる。

テキパキと授乳を済ませ、息子をベッドに移動させた後は、朝食用に食パンを焼いてコーヒーを淹れる時間。

今日はDEAN & DELUCAで買ったジャムを塗ろう。ちょっとオシャレなお皿とカップで彩ったら、カフェ風な朝食の出来上がり。息子がまだ寝ている間に、サクッと食べてしまおう。
子どもが産まれてからは、激務で勢い任せのサラリーマンから、なんだか意識の高い、雑誌『VERY』のセレブママモデルにでもなった気分になる。

DEAN & DELUCAのマーマレードは特にオススメ

ちなみに、Combiの「調乳じょ〜ず」はマストバイアイテムだ。お湯を適温に保ってくれるからミルクの準備がとてもスムーズで、工数が違う。

育休を取って早くも2ヶ月が経過したが、だいぶ育児のルーティンがつかめてきた。

そして現状の率直な感想というと、「育休めちゃ楽しい」と大きな声で伝えたい気持ちだ。

子育ては、男性がやっても充分楽しい

育休に入る前は、Xの「子育てが大変で毎日死にそう」というママさんたちの意見や、「男ができることはあんまりないよ」という会社の同僚の言葉に、内心ビビっていたところもある。
「男に本当に育児はできるのか?」という心配はあるにはあった。

しかし、実際に育休を取得して思ったのは、「女性はこんなに楽しいことを独り占めしていたのか?」という、少し裏切られたかのような感想。

大前提、育児は簡単なものではないし大変だと思う。
その一方で、独身時代や共働き時代と比べると、自分はむしろゆとりある丁寧な生活ができている。仕事をしているときなんて、朝はギリギリまで寝て朝食も食べずに出社していたのに……今や、優雅にお茶までできるのだから、その差は歴然と感じざるを得ない。

公園でピクニックする余裕もあります

また、「育児は大変つらい」というネガティブな声も見聞きしたけど、玉のようにかわいい息子を世話して成長を間近で見られるのは、何にも代えがたい幸福なのだとも気付いた。

じっとのぞき込む赤子の瞳が、いつだって湖のように青く静かに澄んでいるのだと気付けた父親が、今までどれだけいたのだろう。
赤子の成長は本当に早く、よく見ないといろんなことを簡単に見逃してしまう。頬は日一日とふくらみ、笑ったりしかめ面をしたり、表情はどんどん豊かになる。
「あー」や「うー」だけだったおしゃべりに、「うあ〜おお!」と新たなバリエーションが追加された瞬間の「あっ!」という小さな驚きと喜び。そういった貴重な瞬間がたくさんあって、それはまるで自分の日常に突如キラキラした宝石が埋め込まれて、毎日宝探しをするかのような新鮮さ・楽しさがあると知ることができた。

しかし男性は、家族のために一生懸命に働くことが多いから、ゆっくり宝石探しをするチャンスに乏しいと思う。
僕の父親も、損保勤めで全国転勤もあり、とにかくがむしゃらに働いていたタイプだ。きっと宝石に気付いたり、感慨にふける時間はろくになかっただろう。男性の育休が取りやすくなった今でさえ、男性育休といえば短期間で数週間程度が一般的だとすると、赤子との時間を充分に取れない男性が大半なんじゃないかと思う。

そのせいだろうか、一瞬で過ぎ去る子どものさまざまな瞬間に立ち会え、向き合えることの幸せを、価値を、そういえば今まで僕は誰からも教えてもらうことはなかった。

 秘められていたからこそ、僕が伝えたい「育休の現実」

「男性育休1年」というまだまだレアな体験をしている僕から、男性に参考意見を言わせていただけるとすると……「育休って子どもと向き合える楽しいボーナスタイムだから、男性も積極的に取るのはオススメ」と声を大にして言いたい。

有名ライターのヨッピーさんとナレソメ予備校の対談記事にもあったけれど、「男にも育児させろ」とは本当にごもっともだなと思う。もし男性が、子育てと育休のすばらしさにもっと気付いてしまったら……「妻と夫どちらが育休を取るか」論争が家庭内で頻発してもおかしくない。
そうならないためには、ひょっとしたら子育ての楽しさは男性に対して秘匿されていたほうがいいのかもしれないと考えると、この記事が果たして全体最適なのかどうかは悩ましいところだ。

そういえば、ナレソメの卒業生の公務員男性が1年間育休を取ったと言っていた。
育休を誰が、どのくらい取るかは、家庭の相談事項なのでご本人たちしだいだし、育休をとったほうが偉いとか、良い/悪いといった話ではない。
ただ今後の流れを予測する中で、育児の楽しさに気付く男性が続々現れ、長期育休を取りたがる男性が増える流れが加速する予感もする。選択肢や情報が増えた現代だからこそ、ジェンダーバイアスにとらわれない価値観の広がりは、人々が認知する以上に水面下で広がっている可能性がある。

つまりこれからは、目の前の相手がどういう価値観で、どういう家庭像を描いているかを、より丁寧に拾う必要があるのだろう。
昔なら「男は仕事・女は家庭」と考えればよくシンプルだったが、今は将来ビジョンのバリエーションが実にさまざまになった。性別にとらわれずいろいろな選択ができるメリットがあるからこそ、「家族計画や運営をどうしたいか?」という話は、結婚前からお互いにイメージをすり合わせる重要性が増しているし、ここを見落とすと結婚後に擦れ違いが起きるリスクが高まってしまいそうだ。

妻と僕はというと……我々が結婚した5年前は、男性育休がまだまだ一般的ではなかったこともあり、子どもが産まれてからの働き方について綿密な擦り合わせはしていなかった。
ただ、僕としては「妻が働いても、家に入ってもどちらでもいい」と思っていて、妻の希望がどうであれ柔軟に対応できたので、幸運にも問題なく家庭運営をしていけている。まぁ、自分が家に入ることは全く想定してなかったけれど(笑)。

僕らのケースは結果論でありラッキーパンチなので、これから結婚する方々は、事前に家庭像の擦り合わせをしたり、自分がどういう生活を送りたいかを、より入念にイメージするほうがいいのだろうなと思う。

そんなわけで、僕は今日も家を守り、TWGの紅茶を飲みながら、ゆっくりと宝石探しを楽しむ。

仕事をがんばって息子といられない妻のために、宝石が輝いた瞬間は見逃さずに写真に撮って、LINEで送ってあげようっと。

執筆:ポメ
妻:モテコンサル勝倉