広末涼子の転落はなぜ起きた?不倫・離婚から逮捕まで──恋愛中毒とドーパミン依存を徹底解説【バズ会議】

※本記事では、あくまで広末涼子氏の“恋愛観”という切り口にしぼって考察を行っているが、彼女のこれまでの言動や背景には、環境要因や個人的な気質、心理的なコンディションなど、多くの複雑な事情が折り重なっている可能性がある。ひとつの側面だけで断定的に語ることはできないという前提のもとで、読み進めていただけたら幸いだ。

“好き”って、麻薬だ。

誰かにときめくと、脳内ではドーパミンがあふれ出す。
心が高鳴り、世界が輝き、孤独や不安が一時的にかき消される。
恋とは、ある種の救済であり、依存物質でもある。

※画像はイメージです

広末涼子は、その甘美な感覚を誰よりも知っていた。

全盛期は“天使”と称され、時代を象徴する女優だった彼女。
制服姿で駆け抜けた90年代、母となっても輝き続けた30代。
3度の出産を経て、家庭を守りながらも、仕事を続ける「ベストマザー」として愛されていた。

声震わせ子供たちに感謝 (第14回 ベストマザー賞 2022/広末涼子 鈴木亜美 近藤千尋 金子恵美 荒木絵里香)

……はずだった。

2023年、広末涼子の人生は大きく揺らぎ始めた。
まず世間を騒がせたのは、有名シェフとの不倫報道だった。
さらに、相手に宛てたとされる直筆のラブレターが週刊誌に掲載され、広末の“恋する感情”があまりにも赤裸々な形でさらされることとなる。

「こんな風にひとを好きになったのは初めて」広末涼子が赤裸々に綴った鳥羽周作シェフへの“直筆W不倫ラブレター” | 文春オンライン

その余波は大きく、長年連れ添った夫・キャンドル・ジュン氏との離婚、そして26年間所属していた芸能事務所からの退所へと続いた。
追い打ちをかけるように、翌年には精神錯乱状態で病院内を混乱させた末、現行犯での逮捕という衝撃的な事件が報じられる。

広末涼子さん釈放 傷害容疑で逮捕―公式サイト「深く反省」

まさにすべてを失った、と言っても過言ではない、あまりにも鮮やかであまりにも急激な転落。
世間はそんな彼女を見て、「さすが広末」「前からそういう女だった」と冷笑する。

だが、彼女のこの転落劇は、本当に笑っても良いものなのだろうか?
私はその違和感がぬぐえず、彼女の半生を追いかけた。

そうして彼女の人生を丁寧にたどると、見えてくるものがある。
それは、恋が切れるたびに現れる“空白”だ。
彼女はいつも、全力で誰かを好きになり、そして、その恋が終わるたびに、次の誰かを探しに行った。

「好きな気持ちさえあれば幸せ」
「うまくいかなくても、恋してる自分が好き」

恋をしているときの高揚感こそが、彼女にとっての生きる実感だった。
だからこそ、その熱が冷め、ドーパミンが切れたときに訪れる“現実”には、耐えられなかったのかもしれない。

彼女がくり返してきたスキャンダルも、破局も、そして今回の転落も。
それらはすべて、「恋の終わりがもたらす禁断症状」のようにも見える。

彼女の起こす騒動は、ただの“スキャンダル”ではない。
家庭を持ち、仕事も愛されるキャリアもすべて手にした彼女が、なぜそれを投げ捨てるような行動に出たのか? これは、「恋に酔うことの代償」と「恋愛中毒がもたらす人生のほころび」を問う物語だ。

広末涼子は、なぜ、ああなってしまったのか――。

それはきっと、彼女だけの話ではない。
心が空っぽになったとき、人は誰かを“好きになることで”自分を埋めたくなる。
その衝動がどれほどの破壊力を持つのかを、私たちは知っておく必要がある。

広末涼子のドーパミン依存を読み解く

yuzuka:さて、恒例になってまいりました「どうしてああなってしまったのか」シリーズ。前回の中居くん<中居正広氏の性的トラブル騒動から見える、中居氏が「拗らせた」原因とは?【バズ会議】 | ナレソメノート>に続き、今回は天下の清純派女優、広末涼子さんになります。

実は彼女にはいろんな背景がありそうなので今回取り上げるかはかなり悩んだのですが、どうしても取り上げたいという強い気持ちがありました。というのも、彼女を見ていると「まじで他人事じゃないな」って思うんですよね。あれくらい容姿に恵まれていたら、私もああなったんじゃないか? って、自分に重なる部分がある。

それで、どうしても気になって彼女の恋愛遍歴を見ていると、ちょうど2年ごとに「大恋愛」をくり返していることがわかりました。実際に元夫も「2年おきにおかしくなる」みたいなことを会見でおっしゃっている。
それで思ったんです。これってまさに、いつも我々が注意喚起している「ドーパミン依存症」に近いんじゃないかって。

強いストレスを受けるたびに苦しみを抱えて、それを大恋愛で解消することで保っている。その選択が破滅の道だとしても、つい手を伸ばしてしまう。その結果が今なんじゃないかって感じて。ここまでが私の考察なのですが、この件について、バズ会議の発起人・勝倉さん恋愛心理学者の山崎さんのお2人に意見をうかがいたくて呼び出しました。

勝倉:確かに、ああいう女性って多いよね。ドーパミンにおかされて、明らかに間違っているとしか思えない狂った判断を平気でする人。ああいう人たちって、「絶対そっちじゃないでしょ」って方に進んじゃう。どうしてああなっちゃうのかな?

山崎:おそらく、麻薬みたいなものだと思います。そこに合理性なんてないし、ロジカルな思考もない。いわゆる「脳みそを通っていない感じ」。この刺激は、他に代えがきかないんですよ。
ドーパミンも同じで、頭を通らずに一時的な幸せでいっぱいに満たして、無茶な意思決定させるような側面があるんだと思います。じゃないと、説明がつかない。
ただ、それを本人が望んでいるという側面もあるから難しいんですよね。

yuzuka:と、いいますと?

山崎:結局、「頭を通す」ってことをやると、手放しで浮かれたり興奮したりできる状態を失うことになるんです。我々は「頭を使えばいいのに」って思いますけど、それをやると本人たちが求める刺激から遠ざかっちゃうわけで。だから本人たちからしたらむしろ、「頭を通したくない」と思った結果の行動なんです。

yuzuka:なるほど。確かに広末さんは過去にも、「自分が本当に好きだったらそれでいい。それ以外いらない」みたいな発言をされていますよね。実際、彼女って芸能人として全盛期のころに計画的にできちゃった結婚をしたって公言しているんですよ。

広末涼子「確信犯」を告白――芸能人のできちゃった婚が増えたワケ | 週刊女性PRIME

彼女の境遇を思えば、つらい現実から逃れるための強行手段だったというのもわかるのですが、それにしたってやっぱり合理性に欠ける。結果、最初の結婚も2年で不倫問題が浮上したせいか、終わりを迎えています。
これも、いろいろと理由はつけているしそれも本当なんだろうけど、でもやっぱり深く考えずにドーパミンの勢いで結婚した結果、肝心の「ドーパミン」が切れてしまった結果で起こったんじゃないのかなって。一緒にするのは違うかもしれないけど、本当に若いころの私と行動パターンが似ているんです。

山崎:そうですね。あとは、彼女の性質について「メランコリー型(※1だ」とおっしゃっている人がいて、その傾向はあるなと思っています。
まじめで完璧主義すぎるから、適度に発散できずに限界まで耐えてしまう。そして、ある時点で急にガクッと落ちる。そこで爆発し、元に戻ることをくり返すんです。

※1「メランコリー型」は、典型的なうつ病と言われることの多いタイプです。さまざまな仕事や責務、役割に過剰に適応しているうちに脳のエネルギーが枯渇してしまうような経過をたどるものを指しています。 うつ病の種類

yuzuka:2年に1回の爆発が起こっていた可能性があるのか。

山崎:そう。その爆発したときの対処のしかたとして「ドーパミンで発散させる」以外にない状態が続いていたのかなって。

yuzuka:なるほどな……。確かに広末さんって、時代的にも芸能界の悪いところを受けてきた人だなって感じるんです。「理想の女性」としてアイコンにされ、プライベートでも追いかけ回され、私たちが想像できないほどのストレスがあったと思う。
それを耐えに耐え、爆発したときに解消する術として「ドーパミン」しか手元になかったのだとしたら……つらくなりますね。

勝倉:でもさ、彼女みたいな経験があったとしても、踏みとどまれる人はいるわけじゃん。芸能界でも幸せな結婚をしている人はたくさんいるし、一般人でも人生で1回くらい、ドーパミンがドバドバ出るような恋愛をしている人って別にたくさんいるわけで。
でも、そこから身を持ち崩す人と崩さない人がいると思うんだよね。あれの違いってなんなんだろう? そこにヒントがある気がする。

山崎:そうですね。まず1つ目は「環境」です。ようは、絶えず次の人が現れちゃったら抜け出すのって相当むずかしいんです。人って1人にならないと冷静になれない。広末さんなんて、ずっと引く手あまたなはず。「常に誰かが満たしてくれる」って、実は一番やっかいなんですよ。

勝倉:でも、かわいい子だったら彼女と同じような環境の子もいるわけじゃないですか。でも、止まる人は止まる。そこにはなんの違いがあるの?

山崎:これは、「誰からくるか」ってのも大きく関わっていると思います。つまり、「絶えず次の人が現れる」としても、その相手が変な人ばかりになれば冷静になるわけですよ。一般人だったら年齢とともに、寄ってくる男性のレベルが変わってくる。そこでどこかで冷静になって、落ち着くわけです。

yuzuka:私パターンですね。

山崎:(笑)でも、芸能界にいたら。それも、「広末涼子」という看板があったら。ずっとすごい人が寄ってくるんじゃないかなと思うんですよね。だから、一旦自分を冷静に俯瞰するみたいな状態が、なかなか作れない。「どうせ次がいるし」が、延々と続いてしまう。

yuzuka:確かに……33歳のときに不倫相手として報道されたのも、24歳の佐藤健さんだったしな……。

山崎:彼女は全盛期ほどではないとはいえ、今でもたまにドラマに出たり、対談の仕事だってあるわけですよね。むしろ昔より忙しくないのに、芸能界にはびこる「良い関係」だけは作りやすい状態にあるから、更に難しい状況になっていると思います。

yuzuka:中居くんの境遇に似ていますね。

山崎:だから、広末さんがああならないために取れた選択としては、やっぱり中居くんと同じく「芸能界に入らない」だったのかもしれません。

yuzuka:またや……。

結婚はストッパーになり得るのかーー元夫キャンドル・ジュン氏との関係

yuzuka:さて、一方で触れなければならないのが、広末さんに関しては中居くんと違って結婚してたわけですよね。「やっぱり結婚では防げないの?」という気持ちが湧いたのですが、よくよく考えたらですよ、もしかして直近の元夫が、彼女を良い意味でコントロールというか、寄り添っていたんじゃないか? って。

過去の離婚会見でもそうですが、「2年おきにおかしくなる」は彼が言っていたことで、そのたびに自分が後始末をしているんだ、と話していたんですよね。不倫相手に話をつけに行ったりして、彼女が完全に道を踏み外さないように自分がストッパーになっていた。でも今回は相手がそれをわかってくれなかった……的な発言があって。

広末涼子容疑者 元夫が語っていた「2年に1度、心の安定が崩れる」「異常」「自分を制御できない」― スポニチ Sponichi Annex 芸能

そのときは私、なんかモラハラっぽいなって思っちゃったんですよね。だけど今思えば、広末さんの内面を深く理解して、どうにかしようとした結果かみ合わなくなったのかなって。そう思うと、彼も被害者だったんだなと思います。

勝倉:キャンドル、お前だったのか、広末を止めていたのは。

yuzuka:でも一方で、当時の不倫相手たちを責められるかっていうと、私はちょっと責めきれない……。だって広末涼子ですよ。全盛期を知っている人たちからしたら、広末涼子が自分にラブレターをくれたら、さすがに「すべてを捨ててでも守る!」みたいな思考になってしまってもしかたない気がしちゃって。いや、だめだと思いますけどね、不倫は。でも、自分の人生に規格外の「広末涼子」という存在が現れたら、多少は狂っちゃうだろうなと思います。

勝倉:そうだね。広末涼子さん、あの美貌でその精神性で生まれてきたのってどういう前世の因果でそうなったんだろうって思うよね。

yuzuka:勝倉さん的には、今回の件をどう見ていますか?

勝倉:私は今回、結構貴重なケースだと思っているんですよね。私はやっぱり結婚って一定、人間を「まともな人」に止める機能があると思っているんですよ。
誰かが「結婚したらまともになるんじゃなくて、まともな人だけが結婚できるんだ!」みたいなことを言ってましたけどそうじゃない。今回も結婚がどうにかストッパーになっていたのが、外れた結果だと思っています。

yuzuka:確かに。でも、彼女はどんな人を選んだら途中でストッパーを外すことなく円満に過ごせたと思いますか? 広末さんほどじゃなくても、いわゆる元チー子みたいな、ドーパミンドバドバ恋愛をくり返してきた人っていますよね。

彼女たちが「結婚」となったとき、「今までの恋愛をくり返さないように、真逆の人と結婚します!」って、「ドーパミンをドバドバさせてくれる理想のカレくん」の要素ゼロな男性とあえて結婚するケースがあって。
だけど彼女たちも結局、広末さんみたいな感じで、「やっぱりドーパミンが足りない!」って、不倫し始めるリスクがありませんか?

広末さんも含め、どんな人を選べば途中でまた別のドーパミンを求めて徘徊し始めないんでしょうか。

山崎:これはもう、まずは自己理解だと思います。誰が相手であろうと、自分を正しく認識できていないことが問題になる。面談していてもたまにあるのですが、「元チー子です」というんだけど、「いや、今もチー子やないか」って。
精神性は成長できていないのにそれを自覚していないから、自分に合っていない人を選んで失敗してしまう。
だから言えるとしたら、これは相手選びの問題ではなくて、本人の課題なんだと思います。

yuzuka:ドーパミン依存型なんだと自覚して、相手を選ぶ。

山崎:そうですね。極端な人って、yuzukaさんが言うように「じゃあドーパミンが出ない人と結婚しよう!」って行動しちゃうわけですよ。でも気質は変わらない。

じゃなくて、「自分にはこういう傾向がある」とわかった上で、たとえばビジュアル100点は目指さないにしろ、50〜70点の人を選ぶようにする。自分が求めるものに合わせて、適切な相手を選べるようにあんばいを調整する必要があるんです。自分で理解して自分で選ぶ必要がある。(※2

※2

総研データ:

本図は、既婚者542名が回答した配偶者のビジュアル満足度(以下、ビジュ満足度)と夫婦関係満足度の組み合わせを示した二次元ヒートマップである。49通り(7×7)の組み合わせの割合が合計100%となるよう示されている。

横軸のビジュ満足度に着目すると、4-7いずれの列においても夫婦関係満足度7の割合が最も多いことがわかる。夫婦関係満足度の最大値を取るには、ビジュ満足度は”ある程度”でも問題なく、別の要因(例:情緒的サポート満足度)が大きな影響を与えていると考えられる。

出典:ナレソメ総研

yuzuka:これわかるな。やっぱり薬物依存に近いと思うんですけど、薬物依存だった方の話を聞くとみんな「依存症が完治することはない」って言うんですよ。
「毎朝起きて薬物が欲しくて、それを我慢する」。自分は何かあるとやってしまうタイプだから、だからそうならないようにしようね、今いったら人生が壊れるよって、その「我慢」をずっとやり続けて、薬物を摂取しないような環境を選び続けて、適応していく必要があるって。

私自身恋愛でも、毎回ドーパミンにおかされて「王子様だ!」と思っていたところから、いつしか「いや、これはいつもの私の脳みそのバグだな」って冷静になれるようになって。
「私はこういう傾向があるから、この人じゃない」って、今はコントロールしたうえで冷静に良いあんばいの人を判断できるようになったというのはあるかもしれません。

山崎:そうですね。あとはね、なんだかんだいってドーパミンへの欲求って、年齢とともに下がっていくはずなんですよ。いらなくなる。実際、50歳になっても結婚相手にドキドキドーパミンが必須! みたいな人ってほぼいないんです。

だから、出会ったころにはややドーパミンが出ている状態で、それが下がっても受け入れられる条件の人を自分で選ぶ……ってことをやる必要があります。

依存を断ち切るために――自己理解と早期ストッパー論

yuzuka:最後のテーマになりますが、彼女があの環境と性質でこうならないためには何ができたんでしょうか……お2人の意見はどうですか?

勝倉:広末涼子さんは、出家すべきだったんですよ。

yuzuka:出家!?

勝倉:彼女は出家コースです。それこそ、瀬戸内寂聴さんも出家したことで真人間になった。昔はなかなか破天荒でしたが、出家したことによって最後は文豪にまでなった。

人は愚かです。広末さんは環境的にも周囲に煩悩があふれているし、彼女を利用しようとする人だって寄ってくる。もうここまできたらそのりんねから降りる必要がある。そのためには出家をするべきだったのかもしれません。そうすれば彼女も高速道路で叫ぶことなく、文豪になっていたかも。

出家って、「門をくぐる」ことだと思うんです。本能をそぎとり、「あなたはもう、清い世界の住民です。煩悩にまみれたあなたは、もう現世に置いてきました」という、儀式になるわけですよね。
それがあれば、彼女も解脱できたかもしれません。

yuzuka:確かにな。そういえばyuzukaゼミでも寺修行ツアーを計画してましたから、一理あるのかもしれません。ドーパミンの民は一度煩悩を捨て去り、恋愛以外を信仰したほうが良い。

勝倉:出家ツアーを作ろうかな、ナレソメも。

yuzuka:(笑)

勝倉:あとはやっぱり、ドーパミン依存の濃度が濃くなる前に結婚していれば……ってのはあったかもしれないですね。そうすればある程度の依存度で抑制されるから、更生の可能性もある。
だけど、薬中と同じで、脳みそ半分が溶けてしまった……みたいなところまでいっちゃうと、もう結婚では抑制できない、ってのはあるかもしれない。

そう考えると昔の「女は25歳までに結婚しろ」って正しくて、あれは「ドーパミンに汚染される前に結婚しろ」ということを教えてくれる、ありがたい教訓だったのかもしれないですね。

yuzuka:確かにそれはあるな……ドーパミンも薬物も、知れば知るほど溺れて、求めてしまいますからね。それが芸能界だと余計に汚染のスピードが速いから、逃げ場がないのかも。

勝倉:変にドーパミン出まくる環境に身を置くのは危険ってことですね。

yuzuka:それでいえば……芸能界でも早い段階から相手を決めて、早々に結婚していった人たちは失敗が少ないイメージがあるかも。それこそうまくいっているイメージの強い松浦亜弥さんや木村拓哉さん、辻希美さんなんてまさに、って感じですけど、アイドルの全盛期に正しく自己理解をして相手を見つけ、さくっと結婚している。そうすればストッパーが働いて、同じ芸能界にいても少しは抑制できるのかも。

山崎:「彼女がいるから」「嫁がいるから」みたいなのって、変な環境に行かなくて済む理由になりますからね。

yuzuka:かわいい子ほど、若いうちはそういう環境に行けちゃう。でもそれをよしとしていると感覚がどんどん狂っていくから、そういう子ほど早く結婚してほしい、というのはあるかもしれないですね。広末さんは初婚が23歳と早いものの、14歳で芸能界デビューですから。そこからの周囲の汚染が急速すぎたんだと思います……。
自己理解が追いついていないまま、勢いで結婚してしまったことでうまくいかなかった……。彼女こそ、若い頃に適切な環境に保護されて、自己理解した状態でそれに合う相手を選べていたら何か変わったのかも……。

勝倉:まあ、ガチ出家じゃなくていいんですよ。でも、出家したくらいの気持ちで全ての煩悩をぬぐい去り、みそぎを受ける。それをどこかでやらないと、将来とんでもない状況になる可能性がある。そう考えると、「自己理解をして相手を選び、早いうちに結婚する」という基本が、彼女を守れた唯一の方法だったのかもしれないですね。

――恋は救いにも、奈落にもなる。

私たちが“好き”という甘い毒を味わうとき、その一滴がどこまで自分を連れていくのか――広末涼子の物語を通して、私たちはそのリスクと希望を、今一度見つめ直す必要があるのかもしれない。

yuzuka