話し合いができない彼氏、彼女のいるあなたへ。解決策はこれだ!(大人の恋愛保健室with恋愛心理学者山崎×yuzuka)

恋愛心理学者の山崎と、元メンヘラを自称するエッセイストyuzukaが対談する「大人の恋愛保健室」。本日取り上げるのは、お悩み相談としてはお馴染みの話題、「男女における話し合いのすれ違い問題」について。ふたりはそれぞれの目線で、どんなアドバイスを繰り広げるのか。

是非最後までお読みください。

恋愛心理学に「男女差」、実際あるもんですか?

yuzuka 山崎さん、前回スペースでお話した「コミュニケーションにおける男女の違い」、Xでバズってますね。「女性は喋ることでストレスを発散し、男性は喋らないことで機嫌を保つ」なるほど!と思いました。

山崎 こんなにバズったのは初めてで驚いています。嬉しい〜!

yuzuka ただ、バズると色々湧いてくるのがXという場所。やっぱり今回もいろんな意見が来てますね。ざっと見てみると、「俺は男だけど喋ってストレスを発散するぞ!性別でわけるな!」など、とくに性別によって違いがあるという主張についての反論が多いように思います。さて、ズバリその辺りって実際にはどうなんでしょう?恋愛心理という面において、性別によってあきらかな違いって出るもんなんですか?

山崎 出ます!もちろん個人差はありますが、性別によってこういう傾向に別れるよね、というデータは、実際にたくさんあるんです。とくに今回のツイートに書いたことに関しては、男女によって明確な性質の違いがあることがありとあらゆる論文で提唱されているんですよね。

yuzuka なるほど。例えばどういった違いでしょう

山崎 まず前提として、今回のツイート内容って、「女性は喋る、男性は喋らない」という話をしているのではなくて、ストレス発散の仕方、つまりはストレスコーピングの違いについてを話しているんですね。例えば、「失恋した時や仕事で何かトラブルがあった時、「男性に比べて女性の方がよりソーシャルサポートを求める」というデータは、山ほど出ています。ソーシャルサポートというのは、周囲の人からの有形無形の支援全てのことで、そのひとつに「情緒的なサポート」があります。。例えば話を聞いてもらう、もそれにあたります。実際に夫婦関係において、「喋る」ことが関係満足度に与える影響は、夫より妻の方が2倍以上高いというデータがあります。逆に、喋らないことで不満を溜め込むのは夫より妻ですよ、ということが言えますね。男性と女性で、求めることに差が出るのはよくあることなんです。

yuzuka どうして同じ人間なのにも関わらず、性別で差が出るのでしょうか?

山崎 諸説ありますが、私は昔の生活仕様が遺伝子に影響を与えているという説を支持しています。昔って、男性は狩り、女性は地域での子育てという役割分担がありましたよね。男性は家族を生かすためにとにかく食料を刈ってくるというのを求められたし、反対に女性には、自分の子どもが地域に馴染めるように「周りに嫌われず、人に助けてもらう」というコミュニケーション能力が求められた。現代でも男性がプライドをかけて「収入」を競い合っていたりするのを見ると、昔の名残が残っているな、と感じます。あとは体の違いもあるので、そりゃ中身も違うよね、と。寧ろ違って当然、とは思いますね。

yuzuka なるほど。

山崎 その中で、今回のツイートに「うちの彼氏はしゃべります!」「僕は喋る方だ!」「だからその説は間違えている!」と感じる人もいると思います。そういう時は、ちょっと立ち止まってほしいなと思いますね。もちろん個人差はあります。ただ、男女の特徴として「一方の性別にはこういう人が多い」というのは事実なケースもあるので、例え自分たちが当てはまらなくても、傾向として知っておいて損はないんじゃないかなと思います。

男性と女性の「話し合い」問題。すれ違っているのは、その目的の違いだった。

yuzuka さて、そんな中で本日は私が普段からとくに男女のすれ違いを感じるテーマ、「話し合い」についてを議論したいと思います。

山崎 お、良いテーマですね。

yuzuka 「うちの彼氏、話し合いができないんです」「僕の彼女、話にならないんです」みたいな悩みって、男女双方からよく聞くんですよね。この「うちのパートナーは話し合いができない」という一見同じように感じる悩みひとつとっても、男女で訴えていることが微妙に違う気がするんです。例えば女性に「話し合いができないって、具体的にどんな感じなの?」と聞くと、大抵は「相手が私の意見に聞く耳を持たない」「話していると、黙り込んでしまう」みたいな回答が返ってくるし、男性に同じ質問をすると、「相手が感情的に意味のわからないことを言ってきて、話にならないんです」という答えが返ってきたりする。この、「話し合い」に関する男女のすれ違いって、どこから生まれるんでしょう。

山崎 いっぱい切り口があるなあ。だけど一番大きいのは、「コミュニケーションの目的のズレ」だと思います。結局は共感思考と課題解決思考のぶつかりあいなんですよね。女性は共感思考の人が多くて、男性は課題解決思考の人が多いです。

yuzuka と、いいますと?

山崎 男女の違いがよく現れている言葉として「言い方を変えれば受け取る女性と、中身を変えないと受け取らない男性」というのがあります。例えば「皿を洗え」という指示をされた場合、女性は「やれ」と言われると、やりたくないと感じる人は多いかと思います。なぜなら、「言い方」が気になるからです。同じお願いでも、「ごめんだけど、お皿を洗ってもらえない?」と言い方を変えると、すんなりと動いたりするんです。逆に男性は、言い方には引っかからず、そのタスクにさえ納得ができればやるし、納得ができなければいくら言い方を変えてもやりません。

yuzuka え!男性の多くは、「言い方」が全く気にならないということですか!?

山崎 もちろん全くということではないですが、共感思考の強い女性は「言い方」にフォーカスしやすく、課題解決思考の男性は内容自体にフォーカスしやすいんです。男性ってとにかく、目の前の課題を解決するために自分のto doやタスクを理解したいんですよね。一方女性は、「自分も相手と同じ気持ちでいたい」という気持ちが根本にあるので、常に寄り添った言動を求めます。だから、男性は仕事の指示ひとつとっても、語尾が消えることが多いです。「〇〇をやれ」と上司に言われても、そこで「怒られている」とは感じない。でも女性は、枕詞を求める人が多い。

yuzuka 待って。それ、ナレソメに入社してめっちゃ感じていることかもしれません。実は私、ずーっと女子校育ちでそのまま看護師をしていたので、女性ばかりの環境に身を置くことが多かったんですね。だから、仕事の指示に関してもいちいち「忙しい時に本当に申し訳ないんだけど、あの件って、どうなってるかしら?もしできたらでいいんだけど、早めにお願いできたりしないかな?」みたいに枕詞をつけて伝え合うことが多くて、それに慣れてたんです。それがナレソメに入ると、ばんばん枕詞のない指示が飛び交うじゃないですか(笑)「あの件まだですか?」「それやる意図なんですか?やる意味あります?」みたいな。最初は「え?みんな怒ってる?」と思ってびっくりしたんですけど、しばらくして、この環境ではこれが普通なんだと理解しました。とくにハイスペと言われる人たちって私生活でも彼らみたいなタイプが多いので、お気持ちベースで生きてきて違いを理解していないまま彼らと結婚しようものなら……戸惑ったり傷ついたりするんだろうなと思います。

山崎 (笑)僕もお気持ち強めなんで、その違いを理解できていなかったら、ナレソメなんて死ぬほど辞めてますよ。4回くらい退職してます。

yuzuka 笑 でも、どうして課題解決思考が強い人たちって、そこまで「言い方」が気にならないのでしょう?気になる人間からすると凄く不思議なのですが

山崎 ゆずかさん、選択的注意、「カクテルパーティー効果」って、聞いたことないですか?

yuzuka あります!パーティーで周りに雑音が多くても、自分が興味のある人の声や会話、自分の名前はなんかは自然と聞き取ることができる。ってやつですよね。

山崎 そうです!人は、自分が普段意識しているところに注意を向けてしまうものなんですよね。たとえば、普段から「言い方」を意識してる人は他の人の言い方ばかりに意識が向くし、ハイスペの人たちのように、普段から成果ばかりを意識している人は、常にタスクに意識がある。

yuzuka うわ、言われてみればそうかもしれない

山崎 これが、話し合いのすれ違いでも起こってるんですよね。女性のいう「話し合いにならない」

は、「私の感情に私と同じくらいの気持ちで向き合ってくれない」だし、男性のいう「話し合いにならない」は、「課題解決に向かっていく論理的な話ができない」なんです。

yuzuka 「私の感情に私と同じくらいの気持ちで向き合って」。私が監督に取材した映画「生きてるだけで、愛。」の中で趣里さん演じる主人公が彼氏役の菅田将暉さんに全く同じ台詞を投げかけていた気がします。ちなみにそれを言われた菅田将暉さん、訳がわからなくてぽかんとしてた記憶があるな。

山崎 (笑)まだ、そうやって自分の要望を言語化できるのなら救いはあるんですよね。だけど多くの人はそこを言語化できないし、そもそも自分が何を求めているのかも自覚していないんです。そうなると、男性側にはうまく伝わらないわけですよね。

「相手の言い方が気になる」抱えがちな悩みについて、お互いに歩みよるには

yuzuka 話し合いについて、どうして男女間ですれ違いが起きるのかはなんとなく理解できたのですが、じゃあそれだけ違いのある男女が分かり合ってスムーズに話し合いをするための解決策って、あるんでしょうか?例えば課題解決思考の相手の「言い方」がどうしても気になる女性の場合、我慢するしかないですか?

山崎 難しい質問ですね。でも、「言い方」を指摘する共感思考の強い女性って、課題解決思考の男性がいざ解決をしようと「じゃあ、どこが気に入らないの?どうしたらいいの?」と聞くと、具体的なアドバイスが出てこないことが多くて、それがより溝を深くしていたりします。よくあるのが、「もっと配慮して欲しい」「ちゃんとしてほしい」「普通こうじゃない」とぼやっとした要望しか伝えられないケース。これだと男性からすると、「抽象的すぎて意味がわからない」と感じます。

yuzuka 昔の私や。そういえばそれをいうと男性から、「普通って何基準で?」「もっとって具体的にどういうことか言えない?」「ちゃんとって誰にとって?」みたいに返ってくることが多くて、昔の私はそれを「屁理屈だ!話し合いにならない!」と喚いていましたね(笑)

山崎 まさに。そういう男性からの返答を、女性は「屁理屈だ」と捉えてしまうことが多いのですが、実はあれって問題を解決するために具体的な部分を聞きたいだけで、本心から質問してるんです。「もっと」とか「普通は」とか言われると、男性側からするとふわっとしすぎていて「意味がわからない…」と混乱してしまうんですよね。

yuzuka 酷い人だと、そういう回答が返ってきただけで「この人、モラハラ気質ですよね?」って相談してきたりしますよね。だから結果的にお互いが「話にならない」と主張し、そのうち男性はただ聞き流したり、てきとうな相槌しかしなくなってしまう。

山崎 そうなんです。それを防ぐために女性側ができるとしたら、「要望を具体的に伝える」ということですね。まずは女性側が、コミュニケーションについては自分の得意領域なんだと自覚することです。最初にも出てきましたが、男性は狩りにでていく能力が長けているし、女性はコミュニケーションをとる能力が長けている。お互い、スペシャリストである部分が違うわけですよね。それを理解した上で、得意な方が歩み寄ってあげる。自分ができるもんだから、相手にも「言わなくても伝わるでしょ」と期待してしまいがちですが、そうではなくて、伝え方を工夫して、その分野が苦手な男性に寄せてあげてほしいんです。

yuzuka 例えば、「言い方が嫌」ということを伝える場合は、具体的に「語尾はこうしてほしい」「こういうタイミングでこういう発言はやめて欲しい」と、より具体的な指示をしてあげた方が、男性側も理解ができるということですね。

山崎 その通りです。

yuzuka 確かに私が今の夫とスムーズにコミュニケーションがとれているのは、それができているからかもしれない。「今はただ聞いてほしいだけだから黙って聞いてくれ」とか、「その言い方は棘があるからこう言い直せ」とか、結構具体的な指示をしています。それをしないと本当にお互い話が通じないんですよね。伝え方を変えるって大事です。

山崎 実は夫婦関係に関するカップルカウンセリングって、基本的には「女性側が男性への伝え方を工夫してください」と言われることが圧倒的に多いです。それくらい、伝え方を変えるだけでスムーズになるんです。

yuzuka なるほど。しかし、それだけだと、「女性側だけが努力を強いられている」と感じる人も多そうなので一応お聞きするのですが、男性側が女性に歩み寄る方法はないんですか?

山崎 結論をせかさない。オチを求めすぎない。この二点を守りましょう。

yuzuka 分かりやすい。

「共感」を理解するためには、その種類を知ろう

yuzuka ところで山崎さん、こうして話を聞いていると、やはり話し合いにおいて、男女の目的がずいぶん違っていますよね。とくに女性は「共感」を求めていて、「分かってくれない!」と不満に思うケースが多い。この部分について男性が努力できる部分ってありますか?

山崎 そうですね。男女ともに最も大切なのは、まずは「共感」というのが、二種類あるというのを理解することかもしれません。共感には「情動的共感」と「認知的共感」があります。

yuzuka 情動的共感と認知的共感。どんな違いがあるのでしょうか?

山崎 情動的共感というのは、「心から同じ気持ちになって一緒に泣いてあげる」という共感です。一方認知的共感というのは、「状況を把握した上で「あなたはそう感じるんだね」と、相手のことを理解する」というものなんですよね。そして、そのうちの「情動的共感」が、女性にとっての得意分野であり、相手に求めている「共感」の中身であることが多いです。

yuzuka 分かるかも。例えばXなどでよくみるのが、妊娠出産に対して男性側の「共感」が足りないという女性からの主張ですが、そこで語られている共感って「情動的共感」がほとんどですよね。代表的な例が「夜泣き対応」ですが、深夜に起きて寝不足の中でミルクをあげている時、旦那さんも一緒に起きてきて、そばにいてほしい、という女性が結構多いんです。私からすると、「それってお互い寝不足になるだけじゃない?」と思うんですが、彼女たちはそれこそが「おもいやり」だと主張するんですよね。苦しいことや辛いことは、同じ気持ちになってほしい、と。

山崎 うんうん。

yuzuka だけど本当にお互いのことを考えたときにそれって得策ではなくて、本来するべきなのは相手の気持ちを理解したうえで、「じゃあ朝のこの部分は僕が手伝おうか」と提案することだと思うんですよ。一緒に寝不足になって一緒に嘆いても、なんの解決にもならない。ちなみにうちの旦那は息子の夜泣きがあった頃、耳栓と防音ヘッドフォンを購入してずーっと付けていたので、一度たりとも起きてきたことがなく、夜間対応は全て私でした。それをママ友に伝えるとドン引きされるのですが、私としてはそれで良くて、その代わり仕事はしっかりやってよね、と役割分担できてるんですよね。

山崎 いいですね。実は「情動的共感」は物事を解決しづらいんです。私も仕事上、面談をすることが多いですが、「情動的共感」でカウンセリングするのって実は前に進んでいないことが多いです。本当に大事なのは、認知的共感。そしてこの部分は、男性も工夫次第で習得できるんです。

yuzuka 具体的に、どのようなアクションができるのでしょうか

山崎 認知的共感って、一種の「状況把握」なんですね。もちろんただ機械的に実況見分しちゃダメですよ(笑)ただ、例えば女性側が「仕事を辞めたい」と打ち明けてきた時に、認知的共感をしようとすると相手の立場を理解する必要があるので、「辞めたいって思うってことは、なにかあったの?」という質問が出てくると思うんです。男性からすると相手の状況を理解するためにシーンを想定したくて聞いてるだけなんですけど、女性からするとその質問こそが「わかろうとしてくれている」

と感じるきっかけになる。

yuzuka たしかに!話に興味を持ってくれている、理解しようとしてくれる、つまりは共感してくれた!と感じそうです。

山崎 そうですよね。なので男性は男性で、「俺は共感なんてできない」とはなから諦めるのではなく、認知的共感をする努力をしてみることは大事です。同時に女性は、男性に情緒的共感を求めないこと。そもそもそれをできる男性ってすごく少ないですから。ただでさえ恋愛って、自分にないものを求めるじゃないですか。男性的なところにドキッとして惚れるのに、その相手に女性が得意とする情動的共感を求めるのって、そりゃあ難しいですよ

yuzuka 山崎さん、仕方ないんです。女性はみんな「愛の不時着」に憧れているんです……。大流行した韓国ドラマですが、主人公のリは軍人で寡黙、めちゃくちゃ男らしいのにも関わらずヒロインが悲しいとポロポロと一緒になって泣いてくれる。あんな人はいないんです……いないけど、ときめいてしまいますよね。分かりますよ……。

「共感してしてくれる男性がいい」なら、怒りん坊か泣き虫を選ぶしかない?

yuzuka 最後に邪道な質問なんですが、それでも「情動的共感ができる男性がいい!」って女性は、結構いると思うんですよ。そういう人はどんなタイプを選べばいいんですか?

山崎 情動的共感ができる男性!?それは……。

yuzuka そもそも選ばない方がいいというのは前提なんですね(笑)

山崎 そうですね。そもそも、情動的共感ができる男性って、何かの目的を持って意図的にやってる人が多いです。

yuzuka ……あ!!確かに!ヤリモクの人たちってめちゃくちゃ情動的共感してくれますけど、あれって「セックス」が目的であり、本当に心から寄り添ってくれているわけではないですもんね。

山崎 そうなんですよ。あとは仕事として情動的共感をしてるように見せる必要がある人とかも、実は心の中はめっちゃドライだったりしますよね。

yuzuka そういえば精神科で働いている時も、表面上はめっちゃ優しいけど、実はすごくドライという人が多かったきがします。そうじゃなきゃやっていけないというか。

山崎 そうなんですよ。一見情動的共感をしてくれていると思っても、本当に心からなのかというと、そうではないことの方が多いんですよね。そのうえで本当の意味での「情動的共感をできる人」をどうしても選びたいというなら、「泣き虫」で「怒りん坊」を選んだらいいんじゃないでしょうか。

yuzuka 例えばXで暴れまくっていつも何かに怒っている方達とか…でしょうか?

山崎 まさに!あの方達はめちゃくちゃ情動的共感ができる人たちだと思いますね……。

yuzuka 嫌すぎる。では、そういう人たちが本当に選ぶべき人って、やっぱり「認知的共感」ができる人な訳ですね。例えばどんな人がいいんですかね?

山崎 勝倉さんみたいな人とか、めちゃくちゃいいと思いますよ。

yuzuka え、それは意外です!!

山崎 勝倉さんって、情動的共感は全くしないですけど、認知的共感力は高い方だと思うんですよ。彼女って、他者に対する興味がすごいんですね。会社の役員として全ての決裁権を握っているような立場にいながら、ナレソメイトや一緒に働くスタッフひとりひとりの気持ちに「それってどういう気持ちなの?」と興味を持つんです。

yuzuka 言われてみればそうだ!勝倉さんは炎上するたび私にラインしてきて、「この人たちってどういう心理でこれを言ってるの?」って聞いてきてくれます。それで説明すると、「なるほどね。そういう気持ちなんだ」って、「ありえない!」と跳ね除けることなく理解してくれるんですよね。

山崎 そうそう。あれがまさしく「認知的共感」で、あれができる人を選んだ方が良いと思うんですよね。

「話し合いができない」で切り捨てるのは、もったいない

yuzuka 本日は「話し合い」について議論してきましたが、どうでしたか?

山崎 僕はね、「話し合いができない」って言葉が嫌いなんですよ。あれは、意味も分からず使っている言葉ランキング2位だと思います。

yuzuka ちなみに1位はなんですか?

山崎 「価値観の違い」です。

yuzuka (笑)

山崎 その2つって、賢い人でも使いがちな言葉なんですけど、要はただの逃げなんですよね。例えば「話し合いができない」をきちんと分析すると、「共感思考とタスク思考ですれ違っている」などと分析することができますよね。そうやって考えられると、解決策も出てきます。そこへの解像度が低いまま「話し合いができなさそうだから別れました」という人って、本当にもったいない。せっかく自分の思考力を広げるチャンスだったのに…。と思います。そこを分析して考えられない人ほど「人生で出会うベストパートナーは一人だけだ!」と思い込んで、向き合わないまま無闇に切り捨てていたりします。だけどちゃんと分析できる人って、人生で何名か出会う自分に合うパートナーに、ちゃんと気付ける。だから振り返ったときに、後悔もしない。

yuzuka 後悔しないためにも、悩んだ時にはひとつひとつ分解してみること。すごく大切ですね。

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