婚活に妥協は必要?恋愛心理学者が語る絶対に妥協してはいけない条件

恋愛心理学者の山崎と、元メンヘラを自称するエッセイストyuzukaが対談する大人の『恋愛保健室』。

本日取り上げるのは、「婚活しているのに、ドキドキする相手と出会えません。妥協するしかないのでしょうか?」というご相談。

「婚活でもドキドキを妥協したくない!」という定番のお悩みに、恋愛心理学者と元メンヘラが挑みます。ふたりはそれぞれの目線で、どんなアドバイスを繰り広げるのか。

是非最後までお読みください。

「ドキドキが足りない」は、野良での恋愛との比較から起こる

山崎 (笑)めっちゃ多いです。多すぎて、昨日のゼミは「ドキドキって危ねえぞ」を伝える90分でした。

yuzuka (笑)分かります。このテーマは定番中の定番だと思ったので、あえて初回に持ってきました。さて、婚活中にドキドキする相手を探してしまう女性について。まずは心理学者である山崎さんの意見が聞きたいです。

山崎 ううん……気持ちはわかるんですよね。分かるんですけど……危ないです。僕からすればそういう方達は、無理な比較をしているなって思っています。

yuzuka 比較ですか。

山崎 はい。彼女たちって、婚活と、過去に経験した野良での恋愛とを比較しているんですよね。だけど実はそれって、かなり無理な比較なんですよ。なぜなら、そもそも流れが違うからです。

野良の恋愛で感じるドキドキって実は、偶然に出会ったというシチュエーションに対してのドキドキが大半を占めるんですよね。そういう恋愛と比べると、婚活って、事前にじっくりプロフィールを見てからお見合いという形で出会うわけです。そうなると全く同じ条件同じ人物でも、外で偶然出会うのと同じような『ドキドキ』は、やっぱり起こりづらいんですよね。

yuzuka たしかに……!とくに相談所での婚活は、会う前に冷静に相手を見極めて、判断してからお見合いという流れになりますもんね。逆に野良の恋愛って何も知らずに出会うから、そこに変な運命や希少性を感じてしまう。かなり条件が悪くても、その偶然を「運命だ!」と勘違いしてドキドキすることで、相手を過大評価してしまうこと、とても多いです。

山崎 そうそうそう!あれって、相手に対してというよりは、ただたまたま出会ったふたりという条件へドキドキしてるだけなんですよ。これを知らずに『あの時のドキドキ』を過剰に追い求めてしまうと、「婚活ではドキドキする相手と出会えない……」という悩みにつながります。

yuzuka 確かにそうだ。それに、そういう人たちって結婚を恋愛の延長として捉えているので、付き合うだけならまだしも、『結婚』ともあろうものなら、今までの恋愛の集大成なわけですよね。今まで感じたドキドキを遥かに超えた、いわゆるディズニープリンセス映画ばりの「ビビビ!」があるに違いない!と思っているわけで。それだけ強烈なドキドキを求めていると、まあ婚活という場ではなかなか出会えませんよね、とは思いますね。

山崎 そうなんです。彼女たちの結婚相手探しの価値観は、『より強いドーパミンを感じる相手が結婚相手に相応しい』というものなんですよね。

元カレ元カノが多いほど、結婚に苦戦する!?

yuzuka それにしても、ちゃんと効率的に結婚相手を見つけるぞ!と覚悟して入ってきていそうな相談所でも、過去の恋愛と比べちゃう人が多いのはどうしてなんでしょう?散々野良の恋愛で痛い目を見てきたんじゃないの?って思っちゃうんですけど。

山崎 それこそデータで出ているんですけど、元カレ元カノが多い人ほど結婚がしにくいんです。恋愛経験を積みすぎて、そこで自分の固定概念を作ってしまっている人ほど、婚活で苦労するんですよ。初婚の方って、結婚のしかたはわからないので、自分の過去の恋愛の記憶を引っ張ってきてそこの延長線上にゴールを決めてしまうんです。まあ、当然っていえば当然なんですけどね。

yuzuka なるほど。だからいくら今までの経験を生かして心を入れ替えよう!と覚悟を持って相談所に入ってきたとしても、最初は今まで経験してきた『ドキドキする恋愛』と流れが違うことに違和感を感じて、足踏みしてしまうわけですね。

山崎 まさにです。

「ドキドキ」で選ぶと、魔法が解けた時に地獄が待っている

yuzuka では、そもそもどうしてドキドキを基準に結婚相手を決めるとまずいのか、山崎さんの見解が聞きたいです。

山崎 一番大きい理由は、効力が切れるタイミングが結構早めにくることです。恋は盲目っていう言葉があるじゃないですか。あれなんですけど、実は“恋愛ポジティブイリュージョン”というのがありまして…。

yuzuka 何それ怖い。怖すぎる名前です。

山崎 これが何かっていったら、『自分のパートナーがどんな特性を持っていて、どんな社会的地位とか評価を受けていたとしても、自分は付き合っているから、パートナーのことを何割増かで見てしまう』という錯覚のことを言います。これ、感覚的にはわかると思うんですけど、実はちゃんとデータでも出てるんですよね。これがドキドキで結婚相手を選んではいけない、一番大きな理由です。要は恋愛だったら、30年先を見なくていいわけです。恋愛であれば今、数ヶ月、1年一緒にいる相手として、その幻想だけで相手を評価しても問題がないわけですよね。だけど結婚となるとそうはいかない。結婚は、50年ですから。50年も一緒にいたらどうせドーパミンが切れてます。そうするとポジティブ幻想からも冷め、「なんでこいつと一緒にいるんや?」と目が覚めてしまうわけですよ。

yuzuka これは、女の子たちはみんな経験してるはずですよね。付き合っている時はいくらまわりが

不細工だと言ってきても「いや、彼はジャニーズ系なんだ!」と思い込んでいた相手が、別れて幻想が解けると「なあんにも似てねえ。ただの金髪のおじさんやないか」と思うあの現象。ドキドキ、つまりはドーパミンだけで相手を選ぶと、そのドキドキの効力が切れたときに、まさに魔法がとけた感覚に陥ってしまうわけですね。恋愛だったらいいですけど、結婚後に魔法が解けたら悲惨ですね」

山崎 そうなんです

yuzuka 週2回あってるだけの恋愛だったら、魔法が解けたら「じゃあ別れたらいいや」なんですけど、まあこれが同棲やら結婚と、段階がすすんでいくと…現状を変えることへの体力がかなり必要になるわけで。そうなると「まあいいか、我慢すればいいか」と、どこがいいか分からない他人と同居し続けるという、地獄のような結婚生活になってしまうわけですね。

山崎 まじでその通りです。っていうかyuzukaさんの言葉は重みが違いすぎてめっちゃ面白いですね。

yuzuka 心当たりがありすぎて……。

山崎 お、yuzukaさん自身がですか?

yuzuka ええ……。私も恋愛経験は豊富な方で過去には元カレを取っ替え引っ替えしてきたタイプだったので、そこから抜け出すのにかなり苦労しましたね。しかもその恋愛のスパンが大体「3ヶ月」「6ヶ月」「2年」だったんですよ(笑)山崎さんのXや動画を見ていてピンと来たのですが、それって、ちょうどドーパミンが切れる時期ですよね。つまり当時の私はドーパミン目的に恋愛を繰り返し、同じ相手でそれが感じられなくなるとまたもっと強いドーパミンを求めて彷徨う……みたいな、「ドキドキ薬物中毒」に等しい状態だったわけですよ。今思えば、それじゃあ長期的な関係を築くことはできないよなと思います。

山崎 まさにですね。そもそも長く一緒にいられる相手を探したことがないということになりますから、婚活には苦戦するタイプですよね。

yuzuka 過去の自分に言ってやりたいです(笑)

山崎 yuzukaさんはなぜそこから結婚に踏み込めたんですか?

yuzuka いやあ、実は私、楽しかった一方でめちゃくちゃ辛かったんですよね。ドーパミンを求めて生きてしまうのが、辛くて辛くて。だけど、辞めようと思ってもどうしても求めてしまう自分に嫌気がさしていました。

山崎 うんうん。

yuzuka ある日同じような恋愛を始めようとしたとき、ぱっと客観視してみたんです。そしたら、「あ、この台詞、感じ、知ってるぞ」って(笑)ループに気づいた主人公みたいな感覚に陥りました。私はこの人とこのままいい感じになって、デートして付き合ってキスしてセックスして、そしてまた数ヶ月経ったらそれに飽きて、違う人を探しに行くんだって。それに気づいたとき、猛烈に虚しくなったんですよね。これをずっと繰り返していくつもりなの?……嫌やなって。しかも同時に、年齢も重ねていくわけじゃないですか。この先年齢を重ねると、こういうことを繰り返すことも難しくなっていきますよね。需要がなくなっていくので。

山崎 間違いないですね。

yuzukaその時に、断ち切ろうって思ったんです。それで浮かんだのが結婚でした。あの頃の私にとって結婚って、「薬断ち」だったんですよ(笑)ドーパミンを手にいれる手段を断ち切るイメージです。それって何もマイナスなことじゃなくて、「あのドキドキを諦めても良いからこの人と長期的な関係を築きたい」って思える人を見つけようって、相手探しのベクトルが変わったんですよね。

山崎 すごい。そうなれるのはすごいですよ…!今お聞きしてて、ちょうど昨日の質問を思い出していたんですけど、「今の家族と仲良いから結婚する必要ある?」とか、「友達といた方が楽しいから、結婚ってまだ必要ないな」って言う人も結構いて。そう言う人たち全員が欠けてるのって、時間軸だなって思うんです。今のyuzukaさんの話もまさにそれで、「今この先の未来」というのがちゃんと見えたときに、そこでやっと結婚のメリットとか、婚活軸がわかるのかなって思うんですよね。

yuzuka その通りです。実はこの前飲みに行った女友達がまさにそれで。その子もついこの間まで、「友達といる方が楽しいから、相当ビビっとくる相手じゃなければ結婚なんてまだしなくていいや」って言ってたんですけど、その「友達」がみんな結婚してしまって、ついに一緒に過ごす人がいなくなってしまった、と嘆いていたんです。いつも男友達をアテンドしてくれた友達が結婚することによって、「もうこの先そういう遊びはできなくなっちゃった」って言われたみたいで、相当焦っていました。そこで初めて「あれ?私この先どうしたらいいの?」って気づいたみたいで。もう彼女も30代後半なんですけど、途方にくれてましたね……」

「ドキドキ」以外で見るべきポイント。女性は男性の「ここ」をみろ

yuzuka さて、とはいえこの「ドキドキする相手と結婚したい」問題、やっぱり相談が多いです。今回の対談で「ドキドキで決めるのは危ないぞ」というのは分かったとはいえ、「じゃあどうやって選んだらいいの?」って気になる方も多いと思います。実際に私の友人からも「ドキドキを諦めるってことは、容姿とか雰囲気とか、そういうのは妥協して、おじさんでも良いから年収とかスペックだけで見た方がいいってことだよね?」って聞かれて私自身言葉につまったことがあって。山崎さんの思う「結婚相手を選ぶときに最も大切なポイント」って、なんでしょう?

山崎 友達っぽく喋れるか、ってところですね。

yuzuka なるほど!コミュニケーションですね。

山崎 はい。出会った時って、やっと知人になったという状況で、一目惚れでない限りはなんの感情も芽生えていないのが当然なわけですね。その中で何を見ればいいか……って所だと思うんですけど、実はこれ、かなり大きな、しかも万国共通のデータで答えが出てるんです。どんなデータかというと、「パートナーがいる人の中で「パートナーが親友のような存在だ」と答えている人たちは、そうではない人に比べて幸福度が倍以上高い」というデータです。なので、喋ったときの会話の盛り上がり方、楽しさ、すっと話しやすい感覚。そのあたりは恋愛感情がなくても見られる相手選びのかなり重要なポイントかと思います。

yuzuka そうだ……!実はそれ、私も同じことを感じていました。私はいつも、クズばかりと付き合っているドーパミン依存の女の子たちに「その彼、彼氏としては多少魅力的だとして、同じ学校のクラスメイトにいたら友達になりたいと思う?」」って、聞いてみるんです。そうするとほとんどの子たちは「こんな奴と友達になるのは絶対嫌です」って言うんですよね(笑)友達にはなりたくない相手。それってつまり、「人としては終わってるけど、ときめきだけはくれる相手」って自分の中でも判断しているわけじゃないですか。そんな相手と長期的に一緒にいられるわけないですよね。だから、恋愛はともかく、婚活では「親友と思える相手を選ぶ」という重要さ、すごく分かります。

山崎 めっちゃ良い例えですね……!ちなみに特に女性って、「彼が魅力的だから」で満足度が上がるのって、恋愛時点しかないんですよ。

yuzuka なんと!そうなんですか!?

山崎 はい。で、じゃあ女性が感じる夫婦関係の満足度って、どこで決まるのかっていうと、半分以上が「パートナーに話を聞いてもらえているか」という要素で決まるんですよ。つまり「存在が魅力的!」だけで恋愛して、その流れで合わない相手と結婚してしまった場合、結婚した後に女性側が結局「全然話を聞いてもらえない」「受け止めてもらえない」「自己開示する場がない」と不満だらけになるので、どうやったって満足度があがってこないんですよ。

yuzuka そうなんだ…そこまで『話せる人を選ぶこと』が重要なわけですね……!

山崎 はい。婚活でパートナーを選ぶにあたり、『コミュニケーションに違和感がない』って、実はどんな条件よりも重要と言っても過言ではないんですよね。

yuzuka 『婚活では妥協しろ』ではなくて、『見るところを変えろ』が正しいわけですね。ただドキドキを諦めるのではなく、長期的なパートナーとして相応しいかを判断できるようにすることが大切。勉強になりました。

短期間の恋愛においてドキドキ人生を彩る重要な要素かもしれない。

しかし、結婚は50年続く。

長期的な目で見た時、本当に自分が幸せになれるパートナーを見つけるためには何を大切にすれば良いのか、今一度考えてみても良さそうだ。

yuzuka

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