結婚相談所9社の成婚率を徹底比較!成婚の定義と計算方法を解説
婚活を意識して、結婚相談所について情報を集め始めてみたら、あちこちで目にする「成婚率〇%」の数字。
ある結婚相談所では20%台、一方では50%、70%を誇るところもある。だけど、経済産業省の調査によると、結婚相談所の平均成婚率はたったの10%?
これだけくい違う数字を見ていれば「成婚率って、いったい何なの⁉」と、もやもやした気持ちになりますよね。
実は、この「成婚率」は、読み取り方に注意が必要な数字なのです。
というのも、結婚相談所によって、「成婚」の定義も、割合の計算方法もまちまちだから。
おまけに成婚率を高く見せるために、数字のトリックを使っている相談所も少なくありません。そうしたごまかしやすい数字だからこそ、その結婚相談所のスタンスが現れやすい指標でもあるのです。
この記事では、結婚相談所がどのように成婚率を計算しているのか、そして信頼できる結婚相談所を選ぶためのポイントを紹介します。
「成婚率」の真実を理解して、あなたに合った結婚相談所選びに役立ててください。
成婚率とは?
成婚率とは「自社会員が“結婚した”割合」ではなく、一般的に「自社会員が“結婚を前提にして退会した”割合」を示しています。
しかし、実はこの「成婚率」、業界全体として統一された明確な定義がありません。そのため、各結婚相談所がいろいろな思惑で、何を「成婚」としてカウントするのかも、割合の母数の取り方も、自社に都合がいいように決めているのです。
まずは、代表的な結婚相談所大手各社が「成婚率」として出している数字を見てみましょう。
一覧でまとめてみると、こうなります。
【結婚相談所各社が公表している成婚率】
結婚相談所名 | 成婚率 | 成婚の定義 | 成婚定義の詳細 | 成婚率の計算式 | 集計期間 |
---|---|---|---|---|---|
IBJメンバーズ | 55.% | 婚約 | プロポーズが成功し「婚約」した時点 | 年間成婚退会者数÷年間退会者数 (主要コース実績) | 2023年1月 ~12月 |
ナレソメ予備校 | 80.2% | プロポーズを経た婚約 | 年間成婚退会者数÷年間退会者数 | 2024年1月 ~6月 | |
フィオーレ | 52.6% | 婚約または結婚を決め退会すること | 成婚退会者(6,813名)÷全退会者(12,951名) | 2012年 ~2023年 | |
サンマリエ | 1年以内成婚率 76.0% | 結婚の意思 | プロポーズをしてお互いに結婚の意思が固まっている、もしくはそれに近しい状態 | 計算式の記載なし | 2022年7月 〜2022年12月 |
パートナー エージェント | 49.8% | 交際中のお2人が結婚の意志を固めて婚活を終了すること | 成婚退会者数÷総退会者数 (コンシェルジュコースとエグゼクティブコース) | 2022年10月 ~2023年3月 | |
1年以内成婚率 61.4% | 1年以内成婚者÷全成婚者 | 2022年10月 ~2023年3月 | |||
21.7% | 年間成婚退会者÷年間平均在籍会員数 | 2023年度通期 | |||
ゼクシィ縁結び エージェント | 24.8% | 交際中のおふたりが結婚の意思を固めて婚活を終了すること | 年間の成婚退会者数÷年間の平均在籍会員数 (休会除く) | 2023年4月 ~2024年3月 | |
ツヴァイ | 42.3% | 交際 | 交際・婚約・結婚(会員同士・会員外含む)を理由に退会届を提出すること | 年間成婚退会者数÷年間退会者数 | 2017年度 |
エン婚活 エージェント | 27% | 結婚を視野に入れて真剣なお付き合いをしていくことを決めた状態 | 年間成婚退会者数÷毎月の平均活動会員数 | 2022年7月 ~2023年6月 | |
オーネット | 公表せず | なし | 成婚料がないため成婚の定義なし(交際から休会できる) | 成婚者4,320人 | 2023年1月 ~12月実績 |
同じ「成婚率」と言っても、その意味するところがかなり異なるのが分かるでしょう。
婚約をもって成婚としている所もあれば、交際段階でも成婚とみなす所もあり、計算方法もそれぞれ異なります。これが、成婚率が単純に数値の大小だけでは比較できない指標となっている理由なのです。
そのため、成婚率ではなく、成婚者数で実績を公表する形を選択しているオーネットのような結婚相談所もあります。
結婚相談所の成婚率のからくり
結婚相談所が掲げる「成婚率」の数値が単純に比較できない理由として、主に以下の2つのポイントが関係しています。
・「成婚」の定義の違い
・計算方法の違い
計算方法の違いには、以下の条件設定も関係してきます。
・どの会員を対象にしているか(会員の範囲)
・どの期間のデータを集計しているか(集計期間)
これらの要素によって、同じ「成婚率」という名目でも、実際の意味が大きく変わってしまうのです。このからくりを詳しく見ていきましょう。
2-1. 「成婚」の定義による違い
まずは「成婚」の定義が重要です。
「率」を見比べる前に、そもそも「成婚」が指す意味が各社で異なるので、「どんな状態を成婚としてカウントしているか」というところから確認が必要なのです。
では、各結婚相談所の成婚の定義を比較してみましょう。文章は各社公式サイトを引用(リンク先参照)しています。
成婚の定義 | 結婚相談所名 | 成婚の細かい定義 |
---|---|---|
婚約 | IBJメンバーズ | プロポーズが成功し「婚約」した時点 |
ナレソメ予備校 | プロポーズを経た婚約 | |
フィオーレ | 婚約または結婚を決め退会すること | |
結婚の意思 | サンマリエ | プロポーズをしてお互いに結婚の意思が固まっている、もしくはそれに近しい状態 |
パートナー エージェント | 交際中のお2人が結婚の意志を固めて婚活を終了すること | |
ゼクシィ縁結び エージェント | 交際中のおふたりが結婚の意思を固めて婚活を終了すること | |
交際 | ツヴァイ | 交際・婚約・結婚(会員同士・会員外含む)を理由に退会届を提出すること |
エン婚活 エージェント | 結婚を視野に入れて真剣なお付き合いをしていくことを決めた状態 | |
なし | オーネット | 成婚料がないため成婚の定義なし(交際から休会できる) |
ちなみに、私たち結婚相談所ナレソメ予備校では、「プロポーズが成立し、正式に婚約に至った場合」を成婚と定義しています。
結婚相談所ナレソメ予備校と同じく、「婚約」を成婚としているのは、IBJメンバーズとフィオーレです。
総会員数9万人超という日本最大級の結婚相談所連盟であるIBJ(日本結婚相談所連盟)。その直営店であるIBJメンバーズは、当然IBJの「成婚主義」を遵守していますし、IBJに加盟している結婚相談所ナレソメ予備校もこの基準に従っています。
画像引用:IBJ
それに対して、サンマリエとパートナーエージェント、ゼクシィ縁結びエージェントは、婚約成立以前の「意志を固めた段階」から成婚となります。ツヴァイでは交際段階も成婚に含まれるため、婚約よりも範囲が広くなります
エン婚活エージェントの定義は、IBJ加盟社では「真剣交際」(お見合いや同時並行が可能な仮交際から一段進み、結婚を前提にお互い1人とだけ交際する段階)扱いです。
真剣交際で破談になり、再びお見合いから活動を始めるケースは決して少なくありません。ですから、この段階で「成婚」と見なしてしまうのは、私たちからすると少し拙速に感じます。
当然ながら、成婚の定義のハードルが低い結婚相談所のほうが成婚率は高く算出されますが、成婚退会後にうまくいかなくなったケースも相当数あると推測されます。
正式にプロポーズから婚約という手順を踏むところまで見届けてくれる結婚相談所のほうが、実際に結婚に至っている確率は高いでしょう。
成婚率を比較する際には、たんなる数字の大きさだけでなく、その背景にある「成婚」の定義にも注目することが重要です。
2-2. 成婚率の計算方法による違い
計算方法でも、成婚率は大きく変わります。
たとえば、次の3つの成婚率を掲げた結婚相談所があったら、どこに入りたいと思いますか?
1⃣ 成婚率21.7%
2⃣ 成婚率49.8%
3⃣ 1年以内成婚率61.4%
実はこれ、すべてパートナーエージェントが公式に出している、ほぼ同時期の成婚率です。
このように、成婚率の数値というのは計算式によって全く変わってしまうものなのです。
成婚率を算出する代表的な計算式には、次のようなものがあります。
①「成婚退会者数」÷「会員数」
②「成婚退会者数」÷「平均活動会員数」
③「成婚による退会者数」÷「全退会者数」
④「1年以内成婚者」÷「全成婚者」
何を計算しているのかが全く異なるのですから、答えをそのまま比較できないのは当然ですね。
だからこそ、成婚率を比較するなら、数字の端にものすごく小さい文字で書かれた注意書きまでよく確認してください。
計算式が同じでも、算出対象をサポートが手厚いコースの会員に絞るなど、各社自分に有利な方法で計算していることがよくあります。
すごくややこしいから、計算式の細かい話は記事の最後に置いとくぱん。興味ある人だけ見てくれればいいぱんよ。
2-3.他社の計算式で結婚相談所ナレソメ予備校の成婚率を算出してみると?
そのままでは比較ができない各社の成婚率を、なんとか同じ土俵で比較する方法はないものか。
ということで、今回「他社それぞれの成婚率の計算方法」に従って、結婚相談所ナレソメ予備校の成婚率(※1)を算出してみました。
※「婚約」を成婚の定義とし、2024年1月~6月の半年(フィオーレとの比較のみ2023年1月~2024年6月)を集計期間として、コースを限定せず算出。
その結果がこちら。
【他社の計算式に合わせて算出したナレソメ予備校の成婚率】
結婚相談所名 | 成婚率 | 成婚の定義 | 計算式の詳細 | 集計期間 | ナレソメ予備校 |
---|---|---|---|---|---|
パートナー エージェント | 21.7% | 結婚の意思 | 年間成婚退会者÷年間平均在籍会員数 | 2023年度通期 | 34.7% |
ゼクシィ縁結び エージェント | 24.8% | 結婚の意思 | 年間の成婚退会者数÷年間の平均在籍会員数 (休会除く) | 2023年4月 ~2024年3月 | 34.7% |
エン婚活 エージェント | 27% | 交際 | 年間成婚退会者数÷毎月の平均活動会員数 | 2022年7月 ~2023年6月 | 34.7% |
フィオーレ | 52.6% | 婚約 | 成婚退会者(6,813名)÷全退会者(12,951名) | 2012年 ~2023年 | 78.5% |
IBJメンバーズ | 55.0% | 婚約 | 年間成婚退会者数÷年間退会者数 (主要コース実績) | 2023年1月 ~12月 | 80.2% |
パートナー エージェント | 49.8% | 結婚の意思 | 成婚退会者数÷総退会者数 (コンシェルジュコースとエグゼクティブコース) | 2022年10月 ~2023年3月 | 80.2% |
ツヴァイ | 42.3% | 交際 | 年間成婚退会者数÷年間退会者数 | 2017年度 | 80.2% |
サンマリエ | 1年以内成婚率 76.0% | 結婚の意思 | 計算式の記載なしのため、「1年以内成婚者数÷全成婚者数」で計算 | 2022年7月 〜2022年12月 | 92.3% |
パートナー エージェント | 1年以内成婚率 61.4% | 結婚の意思 | 1年以内成婚者÷全成婚者 | 2022年10月 ~2023年3月 | 92.3% |
オーネット | 公表せず | なし | 成婚者4,320人 | 2023年1月 ~12月実績 | 337人 (半年間) |
フィオーレは、きちんと「婚約」を成婚の定義として、かつ成婚者と退会者の実数を公表した上で、長期の累計で成婚率を出しているぱんね。他社ながらあっぱれぱん。
結婚相談所ナレソメ予備校の成婚の定義は最も厳しい「婚約」で、コースも絞らず会員全体を対象としているため、基準のハードルが低い相談所よりも不利なはず。それでも他を圧倒しているのが明白です。
結婚相談所で「自分の成婚率」を上げる方法
結婚相談所の成婚率について見てきましたが、重要なのは「自分が成婚できるかどうか」。
どうせ結婚相談所に入るなら、成婚率を最大限に高めて、婚活に成功したいですよね。
この章では、自分の成婚率を上げるための具体的な方法をいくつかご紹介します。
3-1. 本当の意味で成婚率が高い結婚相談所を選ぶ
成婚率が高いというだけで飛びつくのではなく、その数字の裏にある定義や算出方法を確認しましょう。
2章で述べてきたように、成婚率を自社の都合のよいようにいじくっている結婚相談所も、残念ながらよくあります。数字のトリックに惑わされないように注意が必要です。
ゴマ粒のような小さな文字で書いてあることも多いのですが、その成婚率の計算式や、元となっている会員の種類、算出期間などをしっかり把握してください。
算出期間が古すぎるデータが使われている場合、そこが瞬間風速的に成婚率が高かっただけという可能性があります。それを超える数値がその後出ないために、ずっと同じ数値が使われているのかもしれません。
無料面談の際には、その相談所の成婚の定義と、成婚率の計算方法、実際の成婚者数を詳しく尋ねてみてください。
それをはぐらかすようであれば、その相談所は、会員さんに成婚まで責任を持って関わる気概が足りません。
3-2. 成婚の定義が「プロポーズ」の相談所を選ぶ
成婚の定義が「プロポーズ・婚約」である結婚相談所を選びましょう。
2ー1で説明したとおり、交際開始の段階で「成婚」と見なされて、手を離されてしまう結婚相談所もあります。これは実際の結婚まで至らない可能性もかなり高いため、注意が必要です。
結婚相談所を利用する最大の目的は結婚することです。だからこそ、プロポーズまでしっかり見届けてくれるところを選ぶことをおすすめします。
3-3. ハイブリッド型の相談所を選ぶ
成婚率を上げるためには、サポートと自主性が両立する「ハイブリッド型」結婚相談所が最適な選択肢です。
結婚相談所には大きく分けて「仲人型」「データマッチング型」、そしてその両方のメリットを組み合わせた「ハイブリッド型」が存在します。
- 仲人型の相談所では、プロの仲人が会員のプロフィールや希望に基づいて、お見合い相手を紹介します。仲人が個別にサポートを提供し、会員の活動を手厚くサポートしてくれるため、特に婚活に不安がある人や、客観的な意見を求める人に向いています。ただし、仲人の提案に頼るため、自分で選ぶ自由度は低いという側面もあります。
- データマッチング型の相談所では、会員自らがシステムを通じてデータベースから希望の条件に合う相手を検索し、直接コンタクトを取るスタイルです。活動の自由度が高い反面、サポートが手薄な場合が多く、自主性と自己判断に任されるため、成婚までの道のりが長引くこともあります。
- ハイブリッド型はこの両者の中間で、自分でも相手を検索しながら、仲人の助言や紹介も受けられる形式です。自分のペースで相手を探しながらも、必要に応じてプロのサポートを受けられるため、効率的に婚活を進められます。
ハイブリッド型の結婚相談所は、アドバイスを受けつつ、自主的に活動することができるため、成婚につながりやすいのです。
3-4. サポートが充実しているところを選ぶ
結婚相談所のサポート力は、成婚率に直結しています。登録から成婚まで、仲人によるさまざまなサポートがあるのが、結婚相談所の最大の強みです。
仲人のサポートの例を具体的に挙げると、以下のようなものがあります。
プロフィール作成: 仲人が魅力的な自己PR文や、印象を良くするプロフィール写真のアドバイスを提供し、相手に好印象を与えられるように工夫してくれる。
個別の相手紹介: あなたの価値観やライフスタイルに基づき、仲人が客観的に最適な相手を見つけて紹介する。希望条件に加えて、第三者の視点からの提案を受けられるため、効率的に相手を探すことができる。
お見合い調整: お見合いの際の日程や場所の調整など、細かなスケジューリングを仲人がサポートし、面倒なやり取りを任せられる。
交際中の悩みサポート: 交際中に生じる悩みや不安、相手とのコミュニケーションに関する問題を仲人に相談でき、適切なアドバイスを通じてスムーズに交際を進めるサポートを受けられる。
結婚生活の価値観調整: 結婚後の生活において重要な価値観のすり合わせについて、事前に仲人からアドバイスをもらえる。相手との将来についての不安を減らし、安心して結婚生活に備えられる。
カウンセリングとフィードバック: 定期的なカウンセリングを通じて、婚活の進行状況や問題点を確認し、今後の方針についてアドバイスを得られる。お見合いやデートの後には相手の感想やフィードバックをもらえるので、うまく行かなかったときでも次回につなげる改善点を見つけやすい。
デートやプロポーズのアドバイス: デートプランやプロポーズのタイミング、演出などの具体的なアドバイスを仲人が提案。特に交際経験が少ない人でも、自信を持ってプロポーズまで進めるようサポート。
逆に言えば、こうしたサポートが足りない結婚相談所を利用しても、結婚への道は遠いでしょう。
問い合わせへの対応が遅かったり、仲人が会員に対して親身にならず、通り一遍の表面的な対応しかしてくれない相談所の成婚率は、当然ながら上がりません。
結婚相談所ナレソメ予備校では、非常に手厚いサポートを提供しており、個々の会員に対して、自己分析やプロポーズの準備、さらには結婚後の関係構築まで、徹底した支援を徹底サポート。
それこそが、成婚率80.2%(2024年1~6月)の秘訣なのです。
まとめ
結婚相談所の成婚率は、さまざまな計算方法や定義の違いがあるため、単純に数字だけで判断することはできません。けれども、その成婚率の出し方をよくよく見ると、「会員に対して誠実かどうか」が見えてくる指標でもあるのです。
私たちは、成婚率をとても重視している結婚相談所だと自負しています。毎月欠かさず成婚者実数と成婚率を公表しているのは、そうした姿勢の現れです。
というのも、「結婚したい」という希望を持って結婚相談所ナレソメ予備校の門を叩いてくれた会員さんが結婚せずに退会に至ってしまうのは、「結婚相談所側の失敗だ」と私たちは考えているから。私たちの収益にはなりませんが、結婚相談所外で知り合った方との結婚だって心から応援しています。
だから、成婚率は「高くて当たり前」「結果を出して当たり前」なのです。
私たち結婚相談所ナレソメ予備校は、徹底的な自己理解を促すマジレスと、成婚までとことんつきあうサポートで、業界屈指の成婚率を達成しています。
そして、結婚はゴールではなくスタート。だからこそ私たちは成婚退会で終わりではなく、会員さんたちの「50年続く幸せな結婚生活」のために、結婚後のサポートまで行っていく事業を広げようとしています。
結婚相談所ナレソメ予備校の成婚への考え方を、ぜひ無料面談で確かめてください。
補足:成婚率の計算方法の詳細
最後に、代表的な計算方法による成婚率の違いを見てみましょう。
A結婚相談所:会員数100名(内12名休会中)、退会者数:年間25名(内成婚退会者数10名)の想定で、実際に成婚率を計算しながら解説していきます。
①「成婚退会者数」÷「会員数」
最もシンプルに、期間内の会員全体から成婚退会した人の割合を出す方式です。
A結婚相談所の成婚率は、成婚退会者10÷会員数100=0.10、10%になります。
集計期間を長く、母数を多く取れる場合、一般の人が「成婚率」と聞いてイメージする「結婚相談所を利用した人が結婚できる確率」に近くなるのは、この計算式でしょう。
経済産業省が発表した成婚率「男性8%、女性10%」は、この計算で出された成婚率を各結婚相談所から集めて平均を取った結果です。
ただ、実際にこの式で成婚率を計算している結婚相談所はほとんどありません。
結婚相談所というのは、成婚退会することが最終目的ですから常に会員が入れ替わっていて、かつ入れ替わりまでの期間が数ヶ月から1年程度かかるという特性があります。その特性上、どの時点での人数を会員数として考えるべきかはなかなか判断が難しく、実態を捉えにくいのも確かなのです。
成婚までにはある程度の期間がかかるため、新規入会者や活動を始めたばかりの会員が多い相談所では成婚率が低く出る傾向があります。
②「成婚退会者数」÷「平均活動会員数」
期間内の会員全体から休会中の会員数を除外して、成婚退会した人の割合を出す方式です。
A結婚相談所の成婚率は、成婚退会者10÷(会員数100‐休会12)=0.11、11%になります。
休会中の会員を除くことで、①よりも高い数字が出やすくなるため、退会しそうな人をとりあえず休会扱いとすることで、成婚率を高く見せられます。
パートナーエージェントやゼクシィ縁結びエージェント、エン婚活エージェントなどが採用している計算式です。
会員全体ではなく、会員の一部を取り出して母数とするという意味では、利用コースを限定して母数とする手法もあります。IBJメンバーズやパートナーエージェントなどがその方式です。
自分は飛行機のエコノミークラスを利用するつもりなのに、「満足度80%(ファーストクラス、ビジネスクラス利用者)」というのが本当に参考になるのかどうか、考えてみるといいぱん。
③「成婚による退会者数」÷「全退会者数」
会員数ではなく、退会者に着目した計算式です。
退会者には、成婚による退会だけでなく、婚活を諦めたり、別の方法に乗り換えるために退会した人も含まれます。つまり、退会者の中でどれだけの人が成婚に至ることができたのかを見ることで、相談所のサポートの質をより具体的に評価することができるのです。
IBJが採用しているため、IBJの加盟社はこの計算方法を利用している結婚相談所が多くなっています。私たち結婚相談所ナレソメ予備校も、この方式で成婚率を出しています。
A結婚相談所の成婚率は、成婚退会者10÷全退会者25=0.40、40%になります。
ただし、この計算式だと、会員数がごく少ない相談所で、ある期間中に退会者が1人だけだったとき、その人が成婚退会者だった場合は成婚率100%、成婚ではない退会者だった場合は成婚率0%となります。
成婚率0%で公表する相談所はないと思いますが、期間設定が恣意的ではないか、実際の成婚者数は公表されているかといった点も合わせて確認したほうがよいでしょう。
④「1年以内成婚者数」÷「全成婚者数」
期間内の全成婚者の内、1年以内の活動で成婚した人の割合で、「1年以内成婚率」と称している相談所が多いようです。
A結婚相談所で成婚した10人のうち、8人が1年以内に成婚している場合、1年以内成婚者8÷成婚者10=0.8、80%となります。
1年以内成婚率を大々的に出している相談所もありますが、IBJ全体の成婚者の多くが5~6ヶ月で成婚退会しているので(※1)、1年以内成婚率で非常に高い数字が出るのはごく普通のこと。他の成婚率の式と混同させて、誤認させる以上の意義があるのか疑問です。
※1 出典:IBJ 成婚白書2023「成婚者の在籍日数最頻値は150~179日」
他の計算式で出した成婚率や成婚者数が公表されているならともかく、「1年以内成婚率」しか出していない相談所は、他の要素も含めてよーく検討したほうがいいと思うぱん。
ナレソメノート編集部