【ヨッピー】破天荒ライターは何故、結婚したのか?「結婚は雑に。育児は運転と捉えよ」

編集長のyuzukaが本当に気になる人だけに、「結婚について」を取材をする連載企画、「結婚の哲学」。今回はフリーライターのヨッピーさん(43)をお招きした。

育児を楽にするための新世代育児本『パパもママも必読!子育てがラクになるノウハウを集めた育児ハック』(KADOKAWA)を世に送り出したばかりだというヨッピーさんは、自身も3歳児と0歳児のパパ。

日頃から子育てについて発信しているヨッピーさんだが、相変わらず結婚や子育てについては、世に問いたいことがあるのだと言う。エネルギッシュな魅力あふれるヨッピーさんの❝結婚の哲学❞。今回は長く親交のあるモテコンサル勝倉も同席し、彼の心をひもとく。

結婚を望んだのは、「子ども」というチケットが欲しかったから


yuzuka:まずは基本的なところをお伺いしたいのですが、自由奔放なイメージのあるヨッピーさんが「結婚したい」と思ったきっかけって、なんだったんですか?

ヨッピー:子どもですね!

yuzuka:「子育て」をしてみたかったんですか?

ヨッピー:いや、それよりも「子育て界隈に好奇心があった」っていうほうが正しいかもしれませんね。こういうことを言うと叩かれるかもしれませんけど、「子どもを持つ」ことでしか行けない領域に、めちゃくちゃ興味があったんです。
世の中にはいろんな分野や界隈があるじゃないですか。「海外旅行」「車」「婚活」とか。僕は好奇心が強いので、とにかくいろんな分野に首を突っ込むのが好きなんですけど、「子ども界隈」だけは自分だけでは踏み込めないんですよ。ママ友界隈とかめっちゃ面白そうだし、PTA界隈とかも絶対楽しいですよね。でも、そういう場所って「子ども」というチケットが無いと入れない。
その未知の領域に行くためのチケットが欲しかった、っていうのが大きいですね。

yuzuka:なるほど、未知の世界への好奇心が「結婚したい」と思ったきっかけだったんですね。それなら、相手選びも「誰でもいい」ってわけにはいかなかったんじゃないですか?結婚前には奥様とどんな擦り合わせをされました?

ヨッピー:いや、してないんですよ。全然。

yuzuka:それはまた潔いですね!

ヨッピー:僕、結婚なんて雑でいいと思ってるんですよね。だって、結婚する前とした後で、その人との関係性って絶対に変わるじゃないですか。付き合う前と付き合った後も同じですよ。「最初はこうだと思ってたけど、全然違うやん」みたいなこと、あるあるじゃないですか。
だから僕は、結婚してみないと分からないなら、とりあえず結婚してみたらいいやん、って思ってるんです。それでどうしても無理なら離婚すればいい。それくらいのスタンスなんですよね。
だから、擦り合わせとかも特にやってません。「子どもは欲しい?」くらい。

勝倉:なるほど。でも、ヨッピーさんは「離婚」という選択を取らずに、今も仲よく過ごされているわけですよね。今思えば、「ここを重視してよかったな」と思う相手選びのポイントってありますか?

ヨッピー:僕が重視したのは二つだけですね。「メンタルが安定していること」と「仕事をちゃんとしていること」。

勝倉:間違いない!それ、大事!

ヨッピー:これだけは昔から、譲れない条件として持っていました。ここがぶれている人とは、正直一緒にいられないですね。

yuzuka:深い擦り合わせをしない中で、メンタルが安定しているかどうかって、どうやって判断されたんですか?

ヨッピー:しゃべってたら分かりますよ。「この人、ずっと愚痴言ってるな」とか。そういうのが見えたら、「あ、無理だな」ってすぐに引きます。奥さんは年下なんですけど、その部分はめっちゃしっかりしてたんです。

yuzuka:奥様、すばらしいですね。肝っ玉が据わっているんですね。そういえば奥様って、かなり年下でしたよね?

ヨッピー:ええ、◆◆個下( 本人の希望で年齢を伏せています)です。

yuzuka:◆◆個⁉ それは…男性の夢じゃないですか。実は私のところにもよく、「10個以上年下の女の子と結婚したい」っていう迷えるオジたちから相談が来るんです。
この際なので、ヨッピーさんから彼らへのアドバイスをぜひお願いします。年下妻を手に入れる極意って何ですか?

ヨッピー:いやそんなにえらそうなものはないんですが……、とりあえず僕が心意気として持っていたのは、妻と子ども、「全部まとめて背負わなきゃな」という覚悟ですかね……。育児もお金も、全部自分が責任を負う、くらいのつもりでしたよ。それくらいの腹がくくれないなら、贅沢言うなって話です。
僕自身、家庭で何か問題が起きたら、最後の責任はいつでも僕が取らなきゃ、って思ってます。奥さんもたぶん「ヨッピーに言えばなんとかするやろ」くらいの感覚でいるんじゃないかな。

yuzuka:「男気」がカギなんですね。

​ヨッピー:それが最低限、ですよ。年の離れた年下と結婚するなら、「お互い支え合いたい」なんてふわっとした考えじゃ無理でしょ。相手からしたら年上と結婚するメリットって「頼りがい」とか「収入が多い」くらいしかないわけで、そしたらもう「ワシが全部背負う!」、これです。
それだけの覚悟と経済力なんかがあれば、可能性はあるんじゃないですかね。逆に言えば、それがないと十個以上も離れた年下妻なんて諦めたほうがいい。

yuzuka:なるほど。それなら、年の差に負い目を感じることもないんですね?

ヨッピー:いや、負い目はありますよ。だからその分、「ワシが頑張らなきゃ!」くらいの気持ちでいるんです(笑)。

「子育てってこんなにええものか」。ヨッピーさんが男性に育児参加を勧める理由

yuzuka:今やすっかりナレソメ用語でいう「執ジィ」(年下妻に執事のように尽くす年上夫)となっているヨッピーさんですが、正直、結婚されたと聞いたときは意外でした。
というのも、昔はフットワーク軽く、破天荒な企画に挑戦されているイメージが強くて。「結婚」とか「子ども」みたいな、自由を制限されそうなことって、ヨッピーさんには縁遠いのかなって思っていたんです。完全に私の思い込みですけど(笑)。

ヨッピーさんは「自由奔放」なイメージ

yuzuka:実際のところ、「結婚や子育てを通して自由が奪われる」という懸念って、ヨッピーさんにはなかったんですか?

ヨッピー:もちろんありましたよ。やっぱり自由はどうしても制限されるやろうし。でも、それ以上に子育て・子ども界隈への好奇心のほうが勝ってたんですよね。

yuzuka:なるほど。それでいうと、実際に子どもを持ってみて、その「好奇心」ってどう変化しましたか? ある程度理解したら消えてしまう、みたいなことはなかったんですか?

ヨッピー:いや、それがね……。子どもが生まれて、育児をしていく中で、改めて驚愕したわけですよ。「子どもとは、こんなにええもんなんか」って。

yuzuka:うんうんうんうんうん(大きくうなずきながら)

ヨッピー:その気持ちが、このTシャツの言葉に全部詰まってるんです。

yuzuka:「男にも育児をさせろ」。

ヨッピー:そうなんです。実はこれ、ダブルミーニングで、「男にも育児をやらせろ」という女性への啓発と、「男にも育児をさせてくれ」という男性の権利の主張を込めています。

yuzuka:うますぎる。

ヨッピー:というのも、僕は育児をする中で、「子育てってこんなにすばらしいのか」って心から感銘を受けたんです。それに気づいた瞬間、「世の中のお父さんたち、これを知らずにいるなんてめっちゃかわいそうやな」って思ったんですよね。
やっぱり今も「男性が稼ぐべきだ」という社会的圧力が根強かったり、「育休を取りたい」と言っても、「その間お給料が減るのをどうするの?」ってパートナーに反対されることもある。男性が育児に向き合いたいと思っても、ハードルが高い現実もあるんですよ。
僕は幸いがっつり育児を経験できたからこそ、「これを経験できないなんて、なんてもったいない!」と思うんです。それで今は、「男性も育休を取って育児をするべきだ!」って声を大にして発信してます。

yuzuka:ちなみに、その「子育てってこんなにすばらしい」と実感するのって、具体的にどんな瞬間なんですか?

ヨッピー:見ます?(スマホを取り出して写真を見せる) これ、めっちゃかわいいんですよ。

yuzuka&勝倉:かわいい……。

ヨッピー:かわいいでしょ? めっちゃ一生懸命にかき氷を食べてるんですよね。

yuzuka:うわ、たまらないですね。

ヨッピー:こういうのが、新鮮で刺激をもらえるんですよ。
僕ら大人って、かき氷くらいだったらスマホ片手に食べちゃうじゃないですか。夏祭りのかき氷だって、特別なものでもないし、正直そこまで感動しない。でも、彼はめちゃくちゃうれしそうに、一生懸命食べるんですよね。そういうのを見たときに、「何かに集中して一直線に向かう感覚って、俺にはもうしばらくなかったな」って気づかされるんです。
もちろん大変なときもありますけど、そういう新しい発見や、心が動く瞬間がたくさんある。それが本当に楽しいんです。「こんなにすてきな体験を女性だけに独り占めさせるのはもったいないぞ!」って、強く思いますね。

子育ては、「登山」と同じ。最も大切なのは事前準備

yuzuka:そんな中、結婚や子どもを持つ人が減っている中で、「お金がかかるから」という理由をよく聞きますよね。「子どもを大学に入れるなら、生涯で2,000万もかかる。なんのメリットがあるんだ!」とか。ヨッピーさんはどう思いますか?

ヨッピー:確かにその意見も分かりますけど、僕はこう考えるんです。自分の子どもが病気になって「手術代が2,000万かかります」って言われたら、親なら何とかして払いますよね?

yuzuka:確かに、払いますね。

ヨッピー:僕も、3,000万でも4,000万でも払います。ほとんどの親が、そう悩むことなく「払う」って即答すると思うんです。それってつまり、その時点で「子どもには2,000万以上の価値がある」ってことですよね。2,000万払って損するどころか、そこからかけがえのないものが返ってくるんです。

yuzuka:本当に共感します。そういえば、最近も「子育ては3,000万の解約できないサブスク」っていう投稿が話題になってましたね。そこにも、「わざわざ損をして子どもを産むメリットが分からない」って意見があったりして。

勝倉:ああいう考え方って、「得るもの」を完全に無視してますよね。そもそもサブスクって、課金して何かを得るものじゃないですか。でも彼女たちは、手に入るものを見ようともせず、持ち出しだけを見て「私たちは損してる」って言うわけで。それはちょっと違いますよね。

ヨッピー:そうそう。それに、子どもなんて3,000万どころか、1億かかるって言われても、親なら「しゃあないな」って借金してでも払いますよ。それくらい価値のある存在なんですよ、子どもって。

yuzuka:でも確かに、その「子どもは価値がある」って感覚って、実際に欲しくなったり、持ってみないと分からない部分もありますよね。

ヨッピー:そうだと思います。実は今回僕が書いた『育児ハック』の中で、子育てを登山にたとえたんですよ。子育てって、まさに山登りに似てるんです。
山登りって、しんどいしつらいことも多いじゃないですか。だから、登ったことがない人からすると、「なんであんな大変なことをわざわざお金払ってやるの?」って思うんです。でも実際に登った人は、「達成感」とか「この景色が最高」とか、そこでしか得られないものがあるってのが分かるわけで。これって、経験しないと絶対に分からないんですよね。

yuzuka:確かに、子育てと登山って似てますね。登山なんてやったことがなければ、苦行にしか見えない。でも、登った人の多くが「最高だ」って語るし、中には命まで投げ出す人がいるくらい……深い。でも、とはいえ登山も子育ても、登りながら文句を言う人ってけっこういますよね。Xでも、ママ垢の愚痴はあふれてますし。

ヨッピー:そこがまた、登山と育児の共通点だなと思うんですよ。けっきょく、楽しむためには「準備が最も大切」なんです。
登山だって、登山靴やリュック、地図、食料とか、しっかり準備して挑むからなんとかなるんですよね。雨が降っても迷っても、準備していればなんとか前に進めるし、「大変だけど楽しい」って思える。でも、準備を全然してない状態で雨が降ったり迷ったりしたら、「やってられへん! 降ろしてくれ!」ってなるのも当然ですよね。
育児も同じで、きっちり準備して体制を整えて挑めば、そこまで大変じゃないんです。嘆いてしまうのは、大抵「準備不足」で挑んだ場合ですよ。

yuzuka:そう考えると、ヨッピーさんが今回出版された『育児ハック』って、事前準備にめちゃくちゃ特化してますよね。「子どものために」っていう育児本は山ほどあるけど、「ママとパパを楽にするため」に特化した本って、今まであんまりなかった気がします。

真面目すぎる母親は、身を滅ぼす

yuzuka:話していて思ったんですけど、「子どもを産むべきではない」とか「子育てがつらい」って言う人たちって、みんな真面目で考えすぎ、がんばりすぎなところがある気がするんです。もちろん命を守る以上、最低限の責任感は必要ですけど、なんというか育児において「楽をする」ことが、まるで後ろめたいことのように感じられている気がします。

勝倉:べき」論が激しいんだよね。いらぬ課題を抱えているというか。「この子のために市販のベビーフードなんて使わず、毎日野菜たっぷりの手作り弁当を作らなきゃ!」みたいに思い込んでる人も多いし。

yuzuka:めっちゃいますよね。

ヨッピー:それが楽しそうなら全然いいんですけどね。手作り弁当自体を否定するわけじゃないです。でも、それをニコニコしながら作れてるのか? ってところは一度考えたほうがいいかも。

勝倉:そうそう。実際にはつらい顔してやってる人も多いよね。

ヨッピー:そうなんですよ。それをイライラしながら作ってるんだとしたら、それって誰のためなの? って。子どもにしてみれば、レトルトでもいいからニコニコしているお母さんのほうがうれしいはずですよ。

yuzuka:そもそも、今のベビーフードって、下手すると手作りより栄養バランス完璧だったりしますからね。手作りじゃない日があったって、子どもはちゃんと健康に育ちます。

ヨッピー:そう。死にゃあしない。だから「周りの声」なんて基本的に無視していいんです。もちろん、家庭の事情や子どもの特性によって違う部分もあると思いますけどね。でも、大事なのは「楽をするところはちゃんと楽をする」。そうすることで、家族みんなが笑顔で過ごせるのが一番なんです。

勝倉:その「楽をする」ために、出産前にやっておくべき準備ってありますか?

ヨッピー:僕がいちばん大事だと思うのは、出産前に死ぬほど仕事や家事を圧縮して、自分の時間を確保すること。その時間で、とにかく体を鍛えることですね。

勝倉:体を鍛える!?

ヨッピー:めちゃくちゃ大事です。旦那さん、何歳ですか?

勝倉:40代です。

ヨッピー:ああ、僕も43歳だから同年代ですね。いいですか? 旦那さん、絶対にジムに行かせてください。
子育てって、想像以上に体力のいる仕事なんですよ。重いものを運ぶことが増えたり、夜泣きで眠れなくなったり。そこで体力がないとイライラして、夫婦関係までギクシャクします。だから時間を作って、まずは体力作りをするべきです。
それと同時に、睡眠環境を整えることも大切です。育児が始まると睡眠時間はどうしても短くなるので、たとえ3時間でもぐっすり眠れる環境を作ること。これについては詳しく本に書いていますけど、振動アラームと遮光カーテン、それから睡眠部屋の確保は特におすすめですね。

育児が始まっても夫婦関係を維持する秘訣は、「育児にコミットすること」

yuzuka:ちなみにお子さんが生まれてから、夫婦関係って変わりましたか?

ヨッピー:いや、特に変わってないですね。たぶん。奥さんは違うこと言うかもしれないけど……。

​yuzuka:それって、変わらないでいられたコツみたいなものってありますか? 「子どもができてから夫婦関係が悪くなる」って話はよく聞きますし、「産後クライシス」なんて名前が付くくらい一般的な問題ですもんね。

ヨッピー:うーん、僕が心掛けているのは、あらゆる場面で「なるべくしんどいほうを自分が引き受ける」ってことです。例えばどこかに遊びに行くとしたら、ハンドルキーパーは必ず僕で、奥さんはグビグビ酒を飲んでるとか。やらなきゃいけないものが二つあったら、できるだけ「損な役割」は自分が引き受けるようにしています。
あとは、僕が育児にしっかりコミットしているのも大きいんじゃないですかね。

yuzuka:いや、本当にそれですよね…。産後クライシスの根本原因って、突き詰めれば「育児参加しない父親」が引き金になっていることが多い気がします。

ヨッピー:僕もそう思います。実は僕が、「育児をやってます」って発信すると、男性から「お前が自営業だからできるんだ」って言われることがあるんですよ。それも一理あるとは思います。確かに僕の働き方だからこそ、ここまでコミットできている部分もある。
でも、サラリーマンでも工夫しだいで育児に参加することは可能だと思うんです。例えば、「朝の育児は完全にお父さん担当」にするとか。そういう家庭はたくさんありますからね。僕自身も、朝は子どもを起こして、ご飯を食べさせて、歯磨きをして、送迎するまでの一切を僕が担当します。その代わり、奥さんはお迎えから寝かしつけまでの夜を担当してくれている。
そうやってスポットではなく、1日のどこかでがっつり育児に参加するだけで、ずいぶん印象が違いますから。夫婦関係を良好に保つうえで、工夫は必須だと思います。

yuzuka:本当、ヨッピーさんは忙しい中でもよく育児にコミットされてますよね。一方で、世の中の男性の中には「どうしても育児に身が入らない」という人も少なくない気がするんですが、その差ってどこで生まれると思いますか?

ヨッピー:生まれてすぐ、最初の1ヶ月間に育休を取って新生児の育児をしているかどうか。ここで大きな差がつくと思います。男性って、女性と違って自分のおなかで育てていないから、赤ちゃんが生まれた瞬間に実感が湧くかっていうと、正直あまりそうじゃない。
もちろん「かわいいな」と思う気持ちはあるけど、それ以上の愛着を持つには時間がかかると思うんです。
そんな中で、僕の場合は子どもが生まれてから最初の1ヶ月間、新生児の育児を僕がメインでやったんですよ。

すると毎日関わっている中で、「あ、これ気ぃ抜いたら死ぬな」って思うようになる。その結果、「この命は僕が預かってるんだ」って、実感することに繋がりました。
そして、その育休期間で湧いた「子どもに対する執着」みたいなものって、育休が終わった後も持続するんですよね。

yuzuka:ほう…!

ヨッピー:たとえが適切か分かりませんけど、ゲームでたとえるなら、誰かにそこそこのレベルまで育てられたキャラクターでプレイするよりも、レベル0から自分で育て上げたキャラクターでプレイするほうが、思い入れが強いじゃないですか。

勝倉:確かに。他人からデータを買って強いキャラを手に入れても、なんかおもしろくないもんね…。

yuzuka:あとは、自分が育児にコミットすることでその大変さも理解できるから、奥さんへのリスペクトが自然と態度に出そうですよね。それが夫婦関係を良くするっていうのは、すごく納得できます。

ヨッピー:うんうん。一方、僕が女性側にも言いたいのは、「雑に考えましょう」ってことです。「旦那が育児を手伝ってくれない」とよく聞きますけど、いざ手伝おうとすると細かいことが気になって任せられないって人、意外と多いんですよ。例えば、「タオルの畳み方が違う」「ミルクがちょっとぬるい」とかね。でも極論、そういう小さなことってどうでもいいじゃないですか。

勝倉:そうだよね。いちいち指摘されたら、旦那もやる気なくしそう。

ヨッピー:そのとおりです。だから奥さん側も「任せる」と決めたら、信頼して丸投げすることが本当に大切なんです。旦那さんが慣れてくれば、自然とクオリティも上がりますしね。

子育ては車の運転と同じ。少し手を出して「手伝ったつもり」は要注意

ヨッピー:あと、夫婦で話し合って「旦那さんがワンオペする時間を作る」っていうのも、すごく大事だと思っています。

yuzuka:ヨッピーさん、完全に育児のプロですね(笑)。でも確かに。ちょっとずつ任せるより、完全に任せる日を作るって重要なポイントかもしれませんね。

ヨッピー:そうなんですよ。育児って、車の運転に似てると思うんです。
車って、1~2時間の運転なら大したことないじゃないですか。でも、それを12時間ぶっ続けで運転するとなると、めちゃくちゃしんどい。そうなると、やっぱり途中で誰かに運転を代わってほしいなって思うわけです。
育児も同じで、「オムツを替える」「お風呂に入れる」「抱っこする」とか、一つ一つのタスク自体は全然しんどくないんです。でも、これが何時間もぶっ続けで続くと話が変わる。そういうとき、本当は2時間でもいいから交代してほしいのに、「ミルクあげるね」「オムツ替えるね」みたいに、細かいタスクだけを手伝われても全然うれしくないんですよ。
これって運転で例えると、「しんどい? あ、じゃあウインカーだけやるね」って横から手を出されるみたいなもんです。そんなことされたら、「もういい、私が全部やるから!」ってなりますよね。

yuzuka:それで「手伝ってるつもり」って顔されたら、めっちゃ腹立ちますね(笑)。

ヨッピー:でしょ? それで「ウインカーはやってますから」なんてドヤ顔されたら、「いやいやいやいや」ってなるじゃないですか(笑)。
だから僕は、「しっかり運転を交代できる時間を作りましょう」って思ってるんです。そのためには、日頃から旦那さんがワンオペする時間を作るのが大切なんですよ。育児も運転も、やらないとどんどんできなくなっていく。ペーパードライバーと一緒で、やらなければ感覚が鈍る。
だからお互い意識的に、ワンオペの時間を設けることが重要だと思います。僕ん家では当初、それをかなり意識してやっていましたね。

ヨッピーさんにとって、「結婚」とは。結婚のメリットは、「ちゃんとしなきゃ」のスイッチが入ること

yuzuka:結婚について「雑でいい」と考えているヨッピーさんですが、実際に結婚してみて「よかったな」と思うことってありましたか? 結婚のメリットというか。

ヨッピー:そうやな……何事にも真面目に考えるようになったことかな。1人で生きているときって、全てがテキトーでよかったんですよ。僕も部屋は散らかり放題で、何もかも適当に済ませてました。でも結婚すると、「ちゃんとしなきゃな」ってスイッチが入るんですよね。
例えば、家をきれいに掃除するようになったり、資産形成を考えたり、保険に入ったり。丁寧な暮らしを意識するようになりました。結婚すると、「セルフ」の範囲が広がるんですよ。1人のときは、自分のことを多少ネグレクトしてもよかったけど、結婚すると、その「セルフ」の中に奥さんや子どもが入ってくる。そうなると、やっぱり適当にできなくて、責任感が出てくるんですよね。僕にとってはそれがすごく大きかったです。

yuzuka:分かります。私も家族がいなかったら、下手したら死んでたかも……。「家族ができたらちゃんとしなきゃいけない」って、デメリットとして語る人もいますけど、むしろそれってメリットですよね。

ヨッピー:ほんまにそう思います。あと、親が喜んでくれたのも結婚してよかったことの一つですね。親は僕の仕事も性格も知ってたから、半分諦めてたと思うんですよ。うちは兄弟も結婚してなくて、「豊田家はこの代で終わりやな」って思ってたんちゃうかな(笑)。そんな中で「結婚することになった」って報告したら、めちゃくちゃ喜んでましたね。

yuzuka:では、ヨッピーさん的には「結婚」は良いものなんですね。

ヨッピー:総合的に見ると、結婚も子育ても1人よりも絶対に楽しいですからね。経験してみたほうがいいやろ、とは思いますね。もちろん、「俺は人生をかけてこれをやるのである!」みたいな、よっぽど熱中できる何かがあるなら別ですが、「なんとなく生きている」みたいな人は結婚しないと、この先ちょっと危ないんじゃないかな……。孤独はつらいで?とは思います。

yuzuka:分かります。とはいえ、結婚や子育てにネガティブなイメージを持っている若者も多いです。結婚するべきか悩んでいる20代の若い人たちに、ヨッピーさんから伝えたいことってありますか?

ヨッピー:「人生の大トロ部分、食べんでええの?」って言いたいですね。

yuzuka:めっちゃいい!

ヨッピー:ほんまに、結婚生活や育児は、いちばん楽しいんですよ。赤身ばっかり食べて、いちばんおいしいところを逃すのはもったいない。特に子どもが小さい頃の子育てって、人生の中でほんまにいちばんおいしい部分なんですよね。やらないのは、損だと思います。

yuzuka:ヨッピーさんらしいたとえに感心しました。
では最後にこれも聞かせてください。ヨッピーさんにとって、結婚とは?

ヨッピー:結婚とは、人生の「大トロ」である。
コース料理でいう、シャトーブリアン。最も脂の乗った、いちばんうまいところやで!

どれだけ話題を「仕事」や「私生活」に振ろうとしても、気づけば育児の話に戻ってしまう。みんなが夢中になって、大好きなことについて熱く語り合う場にいるような、そんな印象を受けた対談だった。

ヨッピーさんは、知る人ぞ知る破天荒ライター。自由奔放で、自分のやりたいことや興味のあることに一直線で向かっていくイメージが強い彼。だが、今の彼の表情からは、そんな「やりたいこと」や「興味」が完全に子育てへと向いていることが伝わってくる。

とにかくうれしそうに、楽しそうに、そして愛おしそうに子育てについて語るヨッピーさん。その姿に触れると、こちらまで自然と前向きな気持ちになった。

忘れてはならないのは、良い子育てをするには、良い結婚が必要だということ。ヨッピーさんがこれだけ育児にも仕事にも全力で取り組めるのは、間違いなく奥様の支えがあるからだろう。彼の言葉を通じて、改めて「相手選びの重要性」を実感した。

ナレソメ予備校では、これからも皆さんが「お互いが自分らしくいられる相手」と出会い、幸せな結婚ができるようにサポートを続けていきたいと思う。

最後に、ヨッピーさんが出版した『育児ハック』は、パパとママが「楽になるため」の育児ノウハウをたっぷり詰め込んだ一冊。「こんな本があればいいのに……じゃあ自分で書こう!」という思いから生まれたこの本には、楽しく育児をするための具体的なアイデアがふんだんに盛り込まれている。

パパもママも必読!子育てがラクになるノウハウを集めた育児ハック

この記事を読んで心が軽くなった方は、ぜひこの書籍にも手を伸ばしてみてほしい。

きっと新たな発見と、育児に向き合う楽しさを見つけられるはずだ。

writer/yuzuka photo/akilla

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