【バチェラー6】ep5-7話ネタバレ考察&感想|「どうしておだみゆが選ばれて、あの女性が脱落した?」理由とラストローズ予想

久次米さん、ごめん。
バチェラースタッフの皆さん、ごめんなさい。

私は完全に、あなたたちの戦略に踊らされていたようです。

『バチェラー6』がつまらない?
なにをおっしゃる、そんなこたぁなかった。

あれは「序盤」だったのだ。

エピソード1~4は序章にすぎない。『バチェラー6』は、エピソード5から始まるのだ。

というのも私(@yuzuka_tecpizza)、前回の連載では『バチェラー6』のエピソード1〜4について、「つまらない理由」をひたすら掘り下げてまいりました。

バチェラーが完璧すぎるがゆえに起こった、“ハズレの港区飲み会”化。
そして、女子たち全員に訪れた、体と心の軸を引っこ抜かれたような「お麩化」現象。

この辺りについては、ぜひ前回の考察をご覧いただきたい。

そして実際に私が感じていた落胆と同じような声で、Xの「恋リア界隈」は混沌としていた。

「なんだこれ。あまりにも『普通』すぎる」というとまどい。
中には「一周回ってK.Kが真のバチェラーなのでは?」という錯乱状態の民まで目視できる。

しかし皆さん早まるな。

……お待たせしました。
久次米さん、中盤に入ってようやく“オスみ”が大爆発。「メロい」の嵐。
ようやく、「真のバチェラー」と期待された今作にふさわしい展開が巻き起こっている。

この考察では今回の『バチェラー6』エピソード5~7を振り返りながら、ラスト2名に残った2人を通して「婚活のプロ」は何を感じたのか。皆さんに、しっかり共有していきます。

バチェラーは、エンタメとして見るだけじゃぁもったいない。あれは教科書だ。

振り返り:残酷に起こる「順当な」落選

『バチェラー6』が「つまらない」と言われた理由の1つに、この「順当な落選」がある。 あまりにも予想通りに、久次米さんに刺さらなさそうなビジュアルの女性が落とされていく。そういった意味での順当さが、視聴者にとっては単調に映った。

これまでのバチェラーシリーズは、強烈なキャラが最後まで残ったり、意外性な人選で突如として脱落していくことで、最後まで目が離せない展開を作っていた。

しかし今回は、「次はこの人が落ちるだろうな」と思った人がその予想通りに落ちていく。ローズセレモニーに意外性がなく、テンポも平板で、早送りしたくなるような回さえあった。順当で、そこに感情が動かない。あまりにもきれいすぎる。

だが後半に入って、この「順当な落選」が逆にリアルさを伴ってくる。
そのある種の残酷さに、じわじわと心がつかまれる展開が待っていたわけだ。

参加者に「平等マン」と言われるほど、誰にでも優しく接し、同じ温度の言葉を掛けてきた久次米さん。
彼はその名の通り、エピソード1~4 では誰にでも、それがどんなデートでも、区別なくサプライズローズを渡してきた。
視聴者からすればつまらないが、人によって態度を変えない紳士的な人物だとも読める。

しかし後半に入ると、その姿勢に変化が現れる。
「ここからは、本当に“この人”と思った相手にしかローズを渡しません」と宣言が入り、そこから一気に“整理”が始まったのだ。

ここからは少し残酷なことを書く。

考察のためにご容赦いただきたい。

前提として、参加女性たちは全員が魅力的で、それぞれに個性や美しさがあったと思う。
だが、恋愛は「美しい」だけでは成り立たない。そこに「相手好みかどうか」という極めて個人的な査定が強く影響する。

私の見立てでは、エピソード1〜4までは久次米さんにとって単純作業。
容姿も中身も「好みではない」女性を順に落としていくルーティンだったのではないか、と考えている。
つまり、ローズセレモニーで誰を落とすかは、彼の中ではすでに決まっていた。グループデートや1on1がどうであれ、それは判断材料ではなかったように見える。

そして、彼の好みは非常にわかりやすい。

「ふわふわとした女性らしい雰囲気を持つ、モデル体型の女性」だ。

実際にそういった女性の前に立つと、明らかに彼の「オスみ」にスイッチが入っているのは、前半でも感じられていた。

ただし彼は丁寧で、おそらく誰に対しても平等に接することを美徳としている。
そのため、各女性への対応にも温度差があるわけではない。
これがもっと露骨なら逆におもしろかったかもしれないけど、久次米はいいやつなのである。
だからこそ、その予想通りの取捨選択にドラマを感じられず、盛り上がりに欠けていたわけだ。

しかし、エピソード5以降は空気が変わった。

「ルックスも中身も自分にとっては好みではない女性」を順番に落選させたエピソード1~4。エピソード5以降は明らかに、「好みではないけれど、中身には惹かれるかもしれない女性」をどう扱うかが問われるターンに入っている。

今回から導入された「シンデレラローズ」。
女性側から1on1を申し込み、0時まで一緒に過ごした後、選ばれなければそのまま帰国という厳しいルールを持った薔薇。

さらにその直後には2on1デート。彼は究極のプレッシャーに身を置くことで、自分の気持ちを「テスト」しているようにみえる。

「好みではない。だけど健気さに触れることで、気持ちが動くかもしれない」

ゆっくり食事を取ってみる、思いっきりはしゃげる遊園地で遊んでみる。

様々な角度から、その女性の「中身」を引き出そうとしている。
しかし結果として、彼の気持ちは変わらない。事実、その全員をきっぱり切り落としている。

その判断の明確さが、ここに来てようやく彼の「選ぶ姿勢」として見えてくる。
この辺りから、視聴者としても一気に引き込まれていく感覚があった。

そして最終的に、残った3名は非常に予想通りの顔ぶれだった。
性格がいい、将来を考えられそう、フィーリングが合う、などいろいろな言葉で説明されてはいたが、要は彼の好みに合っていたということに尽きる。

「ふわふわとした女性らしい雰囲気を持つ、モデル体型の女性」。

おそらく最初から多くの人たちが「久次米さん、この子好きそうだよね」と感じていた女性たちが、そのまま残った。

一見ありきたりだが、この順当すぎる展開が、ここに来てじわじわと効いてくる。
恋愛とは、結局のところ好みで決まるという、冷たくも避けがたい現実。
『バチェラー6』の中盤には、そのリアルがしっかりと刻まれていた。

どうしてあの子はローズをもらえなかった?

さて、この章では、落選していった女性たちの中でも特に話題になっていた2名が、なぜ「ローズをもらえなかったのか」について、私なりに考察してみたいと思う。

少し胸が痛むかもしれないけれど、良かったら最後まで読んでみてほしい。

西川 歩希さんはなぜローズをもらえなかったのか

  • 名前:西川 歩希(にしかわ あゆき)
  • 年齢:30歳
  • 職業:元メーカー営業
  • キャッチコピー:「恋愛強化合宿に臨むチアリーダー」

さて、西川 歩希さん。
彼女はファーストインプレッションローズを勝ち取り、前半では久次米との距離が最も近かった女性である。

実際に 他の参加女性からも、「あゆきちゃんは久次米さんのお気に入り」と嫉妬されるなど、その歩みは順調に見えた。

また、その明るい性格はX上でもそこそこに人気が高く、応援の声も見られていた印象がある。
愛嬌があり、寄り添う言葉を自然に紡げる彼女には、目の前の男性に安心感と自信を与えるような魅力があった。

では、どうして彼女は落選したのか。

私からすると、彼女がこの戦場で競り負けることは極めて予想通りだった。
その敗因は明確に、2つある。

1つ目は、ビジュアルが久次米に刺さっていなかったこと。
2つ目は、彼女が「愛嬌だけの尽くす女」に見えすぎたこと。

まずビジュアルについて。
前提として、西川さんは非常に魅力的だ。
元チアリーダーということもあり、ルックスは整っているし、スポーツをしてきたからこその健康的なボディラインも魅力の1つだと思う。
実際、彼女のようなルックスを好む男性も多いと思う。

しかし前の章でも述べた通り、久次米は明らかな「モデル体型」好きである。
モデル体型というのは健康体重からは著しく外れた「やせ型体型」で、そこにフェチを持つ男からすると西川さんのルックスは、どうしても刺さりづらい。
これはどちらが良い悪いではなく、完全に好みの問題でどうしようもない部分だ。

一方で変えられる問題点としては、2つ目の「愛嬌だけの尽くす女」ムーブがあるだろう。

というのもはっきり言って、久次米クラスのハイスペ男性に「尽くす女」ムーブは基本的に刺さらない。
いくら相手のために立ち居振る舞いを整えて「良き理解者」の顔をして見せても、彼らからすれば「そんな女性は世の中に山ほどいる」わけで。
むしろそのムーブに手を染めることでせっかくの個性が埋もれ、量産型に成り下がってしまうのだ。

これは、この文章を読んでいる女性にも思い返して反面教師にしてほしい。

彼女の言葉は常に「自分の意見」ではなく、「久次米に合わせて整えた言葉」であることが透けて見えてはいなかっただろうか?
その結果、久次米と彼女との会話はどこか上滑りし、お互いの本心が見えないままで終了することが多かった。
言葉数は多い。だけどあの状態ではどれだけ言葉を尽くしても、自己開示をされているようには感じられない。

これは、シンデレラローズで落とされた西田さんにも共通していると思う。
モテる男は「自分のために用意された言葉」に魅力を感じない。
彼らが求めているのは、もっとざっくばらんで、自分をすぐにさらけ出してくれるような、信頼できる「おもしろい女性」である。

この辺りは以前、「忙しい男が最後に選ぶ女」でも書いたと思う。
彼のようなハイスペ男性たちは、寄り添い型の理解者ではなく、信頼できる個性と自立心を持った女性に惹かれる傾向があるのだ。

西川さん、確かに愛嬌は良い。

だけど厳しい話、愛嬌で生きていけるのはせいぜい20代前半まで。
それも、たまたま相手好みのビジュアルを備え持っていた場合だけである。

30を超えたところからは、その愛嬌の中にどれだけの深みを感じられるかに重点を置かれる。その点で西川さんは、久次米には最後まで刺さらなかった。

ところで、2on1でローズをもらえなかった彼女が、「私はいつもこうだよな」とつぶやいたのが、なんとも切なかった。でも、そのひと言に全てが詰まっていると思う。

いいか、女の子たち。
男は恋愛において、「どれだけ尽くされたか」では心が動かないと覚えておいて。
「愛嬌だけで尽くすムーブ」は、相手の“好み”に刺さっているという前提があって、初めて効果を持つ。
その前提がない状態で尽くしたところで、むしろ“攻略済みでおもしろみのない女”として見られて舐められるだけなのだ。

多くの女性は自分からすれば高望みに思える相手、今回でいえば久次米のようなモテ男を前にすると、途端に「尽くすことで愛されようとする」。
けれど、その戦い方はほとんどの場合、通用しない。無駄な努力はやめるべきだ、と彼女の件を通して伝えたい。

男に刺さるのは、忠犬ハチ公のように従順で健気な女ではない。
放っておいたらどこへ行くかわからない、何を考えているのかわからない、ちょっとわがままで目が離せないような子猫タイプの女だ。

ああ、無情である。

辻本菜々子さんはなぜローズをもらえなかったのか

  • 名前:辻本 菜々子(つじもと ななこ)
  • 年齢:30歳
  • 職業:無職(元エンタメ系IT企業を辞めてきた)
  • キャッチコピー:「愛嬌以外は捨ててきた 永遠の末っ子」

さて、ほんならばルックスが久次米にそこそこ刺さって、なんなら久次米のオスみを引き出せた瞬間もあった菜々子はどうだろうか。
何を隠そう、私たちが1本目の考察でラストローズ予想に挙げていたのは、彼女である。
なぜ彼女は、ラスト2に残れなかったのか。

実際、現時点でほとんど「男っぽさ」を見せていなかった久次米が、あの船上では明らかにオスみを発揮していた。

辻本さんが「ドキドキしない。自然体でいられる」と語った直後に放たれた「俺はドキドキしてるよ」という久次米カウンター。 それ、それだよ久次米。私たちが見たかったのは。

あの純白で無菌のような今シーズンにおいて、あの船上だけは唯一「今にもおっぱじまりそうな空気」が漂っていた。(※相手がコウコウなら、もう始まっていたと思う)

久次米のオスみを引き出してくれた彼女は、今シーズンの期待の星だ。

彼女に関しては、「バチェラーに殺された」と言ってもいいかもしれない。
というのも、バチェラーという番組は、それほどまでに過酷な旅だ。
自分以上の美貌を持つ女性たちが同じ船に乗り、その中でいつ突き落とされるかわからない。 一歩リードしていればしているほど、そのプレッシャーは大きかったはずだ。

実は私たちは前回の考察で、彼女をラストローズ候補に挙げていた。

その理由は単純に、彼女の「したたかさ」にベットしたからだった。

男がつい鼻の下を伸ばしたくなるような、明るくて甘いオーラ。
男性の「オスみ」に対する言葉として、あえて言おう。彼女には「メスみ」があった。

愛嬌を振りまきながら、どこか中身の薄い会話をしているところは西川さんと似ていたかもしれない。

しかし彼女には、どこか湿り気を帯びた色気と、感情のスパークルがあった。
あのまましたたかに立ち回ることができれば、久次米が落ちてもおかしくはなかった。

しかし実際には、彼女の「したたかさ」は思っていたよりももろく、予想以上にピュアだった。
というよりも、バチェラーという特殊な旅によって鎧として着ていた「愛嬌」が削ぎ落とされてしまった、といっても良いかもしれない。

「愛嬌以外は捨ててきた。永遠の末っ子」
そんなキャッチコピーの通り、今回の旅に全てをかけて仕事を辞め、ニート状態で乗り込んできた菜々子。アラサーである。

彼女は誰よりも必死だった。
久次米を名前呼びして周囲と差をつけようとし、大粒の涙を惜しげもなく流し、本気で久次米に人生を預けようとしていた。
だけどその「後戻りできない感」「一本釣り感」が、彼女の武器であったはずの愛嬌やしたたかさをかき消してしまったのだと、私は踏んでいる。

必死になりすぎて、嫉妬し、不安に襲われ、涙を見せる場面が増えた。
まだ一度しかデートをしていない男に「仕事は辞めてきた」「専業主婦になりたい」と伝える30歳。
いくら真剣な眼差しで「あなたしかいない」と懇願されても、冷静に考えれば、ただただ怖い。

それに、久次米のような男に人生の全てを預けてしまうような女は、結局彼を扱いきれない。それを本能的に察知した久次米自身の地雷センサーが作動した結果が、あの落選だったのかもしれない。

あとはもう、正直に書く。
ラスト2名と比較して、彼女は年齢が高く、久次米の「好み」で言えば3番手だったという現実もあるだろう。

ライバルは27歳の実家極太美女と24歳のモデル美女だ。30歳の「愛嬌だけの女」では、そりゃあ、太刀打ちできない。これが現実だ。

男のために全てを捨ててはいけない。
それは、あなたの人生そのものを捨てることになる。

菜々子から私たちが学べるのは、きっとそういうことなのだと思う。

小田美夢さんと石森美月季さんが選ばれた理由とラストローズ予想

さて、怒涛の展開を見せた『バチェラー6』のエピソード5〜7。
中でも多くの視聴者を驚かせたのは、小田美夢がここまで残っているという事実ではなかろうか。
私の“娘(仮)”である美夢がなぜここまで残ったのか。

その理由を振り返る前に、まずは同じくラストまで残った石森さんについて触れておきたい。

石森美月季さんがなぜ最後まで選ばれたのか

https://youtu.be/_JULmfxAIJk?si=T50cidNGcgjnVZ0D
  • 氏名:石森 美月季(いしもり みづき)
  • 年齢:27歳
  • 職業:インバウンドビジネスの企画開発
  • キャッチコピー:「#そろそろ恋がしたい ソロ活クイーン」

正直に言って、石森さんに関しては、あまり書くことがない。
というのも、多くの人がそう考えていたように、彼女がラストまで残るのは既定路線だったと思うからだ。

なにせ、彼女は久次米にバッチリ刺さっている。
細身でありながらどこか妖艶なルックス、わがままな猫のように感情が読みづらいミステリアスさ。そしてなにより……知り合いなんよ……。ええ……。

石森さんが久次米のどんな「知り合い」なのかは定かではないが、両親訪問の回で母親と会っていたことが発覚した際にはさすがに驚いた。

本人いわく、「ホームパーティで久次米さんと、そしてご両親とも顔を合わせたことがある」とのこと。
どれほどの規模のホームパーティかはわからんが、少なくとも「実家同士が交わるような関係」であることは間違いない。

この中にいたのかも……?

出典:Akihito Kujime’s blog

となるとつまり、石森さんはもともと実家が裕福なお嬢様家系。階級的に、久次米とは地続きなのだ。

そもそもバチェラーという番組は、たった1か月という短期間、呼ばれなければ獲得できない数少ないデートの中で自分を印象づけるのが最大のハードルである。

バチェラー自身も、単純なルックス的な「好み」以外で何を持って落選させるか、頭を悩ませるはずだ。

今回、そこに現れたのが石森。「以前ホームパーティで見かけたけど、声をかけられなかった自分のどタイプな女性」。
しかもその女性が、「あなたがバチェラーだと知っていて応募してきました」と言ってくるわけである。

……これはもう、「勝ち」です。

正直に言って、ズルい。

この時点で、彼女は他の参加女性たちよりも頭1つも2つも抜けている。

それでいて、彼女はこの手の男性が大好きな「自由気ままに男性を振り回す猫系女性」でもある。正直、残らない理由を探すほうが難しい。

ちなみにナレソメの男性陣も、「石森さんがダントツで美人」と口を揃えていた。
石森さんはまさに“高嶺の花”であり、久次米が最後まで取っておくのは当然の流れだったと言える。

まあ、ここまで来ると、「いやもう実家で出会ってくれよ、なんでそれバチェラーでやるんだよ」 と思わなくもないけれど……ご愛嬌、ということで、ね。

小田美夢さんがなぜ最後まで選ばれたのか

  • 名前:小田 美夢(おだ みゆ)
  • 年齢:24歳
  • 職業:雑誌編集アシスタント/モデル
  • キャッチコピー:「恋も負けず嫌いな編集アシスタント」

さて、ここで本題である。
小田美夢は、どうして最後のふたりに選ばれたのだろう?

何を隠そう、今回の『バチェラー6』で、最も大きな番狂わせ。それが小田美夢だ。

ふにゃんふにゃんとした、あの独特な話し方。 彼女ワールド全開で展開される、どこか奇妙でつかみどころのない会話。

いや、ネタ枠としては非常に完璧。大好き。推す。
……でも、ぶっちゃけ彼女が最後まで残ることはない。

あなたも。そこのあなたも。例外ではないはず。
MCの指原莉乃を筆頭に、きっと多くの人が、そう思っていたのでは?

だけど美優は選ばれた。そして今、実際に最後のふたりに美夢が選ばれたその瞬間から、

「小田美夢 なぜ」
「小田美夢 なぜ ラスト」

そんな不毛なワードを、検索窓に打ち込んでいる人が増えている。

その問いに対する答えを、この記事が提示しましょう。

さて、美夢の話をする前に、少しこの絵をご覧いただきたい。

作品タイトル:「対話されなかった感情」

画家: K. Odami
制作年: 1992年
技法: 木炭と鉛筆による即興描画
シリーズ名:《曖昧な輪郭》より

皆さんは、この絵を見て何を感じるだろうか。

この作品は、1992年に現代画家K. Odamiによって描かれたもの。
対話されなかった感情が内側で荒ぶり、抑えきれずに暴れている様子が、荒々しい線と構成によって浮かび上がっている。

あえてモノクロで描かれたその選択は、人間の心の明暗、感情のコントラストをより際立たせるためだったのだろうか。 静けさの中にあるざわめき。伝えられなかった言葉たちの痕跡が、紙の上で今もなお、語りかけてくる。

――普通に嘘である。

これは、実際にはChatGPTに「それっぽいやつを描いて」と頼んで生成した、なんの意味もない絵だ。

けれど、どうだろう。

それらしいタイトルをつけて、「現代画家K. Odamiによる1992年の作品」と言い、私がもっともらしい解説を添えるだけで、なんとなく、それっぽく見えてこないだろうか?

「自分がわからないだけで、もしかして、なにか深い意味があるのでは」
「ただの線画なわけがない。どこかに、秘められた想いや背景があるのでは」

人は自分には理解できないものを目にした時、文脈で「意味」を感じてしまう。
それがたとえ、全くの空っぽであったとしても。

この一連の流れを見て、ふと私は思う。
小田美夢も、きっとそういう存在なのだ、と。

ズバリ、小田美夢は、現代アートの抽象画なのである。

小田美夢の最大の魅力は、その「世界観」にある。

ふわふわとした、どこか中身がなさそうな会話。
モテコンサル勝倉が言うところの「お麩みたいなしゃべり方」。
それだけなら、正直、他の参加者とそこまで違いはない。

けれど美夢は、他の誰よりもゆっくりと、堂々と、自分の言葉で話す。
ゆっくりまばたきをしながら、しっかりと久次米と目を合わせて、「久次米のための言葉」を取り繕うのではなく、自分の頭の中から、自分の世界を、少しずつ切り取って、口からこぼそうとする。

正直に言って、彼女の言葉にそこまでの中身や深みがあるのかどうかはわからない。

でも、彼女の発する一語一語には、
「なにか意味がありそうだ」
「なにか、もっと奥に問いが潜んでいる気がする」
「これは、彼女なりの哲学なのかもしれない」
――そんな“空気”がある。

そしてその空気は、現代アートの抽象画とよく似ている。

久次米のようなハイスペック男性は、簡単に解けるパズルを求めない。
尽くしてくれて、言うことを聞いて、わかりやすく自分に好意を示す女性は、もう飽きるほど見てきている。
何度もいうとおりそのような女性は彼にとって、もはや“量産型”にすぎない。

だからこそ、自分には理解しきれない、難解な存在が目の前に現れたとき、その奥をのぞいてみたくなる。
自分にしか読み解けないかもしれないと思ったとき、心を動かされてしまう。

小田美夢のしゃべり方は、確かに独特だ。ぶりっ子に見えるし、演じているようにも見える。
でも、彼女が途中で明かした「大人になってから彼氏ができたことがない」という言葉によって、あの“ふにゃふにゃ”とした振る舞いが、とたんに無菌室で大事に育てられた、殻のない、生まれたての妖精のようなものに見えてくるのは私だけではないはず。

そんな彼女が、ゆっくり、丁寧にこぼすひと言。

「うれしいという言葉以上の言葉がほしい」。

使い古された、よくあるフレーズにすぎない。
けれど、美夢という抽象画から発されたその言葉は、久次米にとって、“深くて特別ななにか”に感じられたのではなかろうか。

それでいて、久次米が今回探しているのは「守ってあげたくなる女性」だ。

つんとつつけば割れてしまいそうな透明感。誰にも理解されない、得体の知れない魅力。
それに惹かれ、吸い寄せられていくのは、むしろ自然なことだったのかもしれない。

誰も触れられない。俺にしか理解できない。俺だけが守ってあげられる。
美夢は、久次米を“唯一無二の感性を持つヒーロー”へと導いてしまう、そんな稀有な存在だったのだ。

ラストローズ予想。​​美夢は選ばれないでほしいという我々の願い

さて、では最後に、改めてラストローズ予想といこう。

ここまで話してきた流れで言えば、久次米がこの中で選ぶべきなのは石森さん。
そして私たち自身も「石森さんが選ばれてほしい」と思っている。それが率直な結論だ。

理由は世知がらいが、彼女が最も久次米の“階級”にマッチしているから。
2人は、日常の世界でも交差する可能性のある世界線にいる。
言ってしまえば、画風が似ているのだ。
石森と久次米は、自然で、違和感がない。うまくいくかどうかは別として、交際しても大きなズレは生まれにくいはずだ。

そして、その部分での一致がより確実になるのが、次の実家訪問ではないだろうか。
久次米が各家庭を訪ねたとき、おそらく最も違和感なくなじみ、将来への不安が少なく済むのは石森家だ。

彼は自分の家庭を理想とするタイプ。
であれば、価値観や生活レベルの近い相手を“安心して”選ぼうとするのは自然な心理だろう。

「世界が違いすぎること」

それは最後の最後に、効いてくる。
これもまた、バチェラーの切ないところである。

それに加えて、石森さんは久次米の家族とも、たぶんうまくやれる。
したたかで賢く、空気を読む力もある。
そういった部分に久次米が安心を感じれば、無難に石森エンド。その可能性は、正直かなり高い。

ただし、一方で。
アートに心を奪われた久次米が、美夢へ突き進んでしまう可能性も、ゼロではない。

なにより彼は、「今まで彼氏がいない」と打ち明けた美夢に、こともあろうか“口キス”をしている。これは他の女性にはなかった前進だ。

それに、あれほど「次の一本は本当にこの人だと思えた相手にしか渡さない」と明言していたサプライズローズも、唯一美夢にだけは手渡している。
あの瞬間、ジャグジーの中で、久次米は完全に恋に落ちていた。そう思わざるをえない。

ちなみに、キスバチェラーとして名を馳せたK.Kでさえ、「処女です」と打ち明けた女性にだけはキスをしなかった。それほどに、そこには重みがある。

誠実を貫いてきた久次米が、迷っている段階でそういう行動を取るだろうか?
もし取るとしたら、相当な“サイコパス”か、ガチの“タチの悪さ”を持ち合わせた人物である。
あの見た目でそのチャラさは相当罪深い。罪深すぎる。許さない。

だから私は思う。
あの時点で、彼の心は一度、美夢に決まっていたのではないか。

それでも、私がラストローズ予想を美夢にしない理由はただ1つ。
もしも結ばれてしまった後に、“未来”が浮かばないからだ。

久次米家のホームパーティ。
次々と現れる上流階級の人々。
会話がかみ合わず、奥の部屋に逃げ込む美夢。
「いいかげんに、きちんとさせなさい」と苦言を呈す久次米父。
ため息をつく久次米母。
そして「守る」と言っていたはずの久次米自身が、彼女の“なじめなさ”に疲れ始める。

……そんな光景が、まざまざと目に浮かぶ。
だから私は、美夢には選ばれてほしくないと思ってしまうのだ。
勝手に、だけど。

非日常の中で心を奪った、美夢という抽象画。
現実の世界に帰って、その作品に本当の意味を見出すのか。あるいは、見えかけていた意味がただの虚像だったことに気づいて、自然な石森へと戻るのか。

ラストローズまで見届けて、またそのとき、改めて考察記事を書こうと思う。

最後に:婚活のプロから見るバチェラー

最後に元も子もないことを言うが、
そもそも、せいぜい2回程度しか2人きりで会っていないような相手に「運命」を感じ、自分の全てを捧げようとするその感覚は、さすがに危うすぎないか、
というのが、今回のバチェラーを通して改めて感じた率直な気持ちである。

しかも今回、最初から最後まで、久次米に対してまともなヒアリングをしていた女性が1人もいなかった。

仕事にどれだけの熱意を持っているのか。
実家は継ぐつもりなのか。
今後どんな展望があり、パートナーには何を求めているのか。

そうした、人生をともにする上で当然必要な“すり合わせ”が一切行われないまま、非日常な空間で「ちゅき!!!」「あなたと結婚したい」と気持ちだけが盛り上がっていく構図は、正直なところかなり恐ろしいと感じた。

おそらく、彼女たちにとって「結婚」はまだおとぎ話であり、その中で起こる出来事は「きれいなドレスを着て行う豪華な結婚式」や「毎日笑って過ごす楽しい時間」でしかないのだろう。
現実の生活の中で避けられない、面倒で地味で泥くさい出来事と、どう向き合っていくか。
そこに歯を食いしばって踏みとどまる覚悟までは、まだ想像の外にあるように見える。

ただし、今回はバチェラーという枠組みの中で「性行為」が制限されていたからこそ、かろうじて感情の暴走も一線で抑えられていたように思う。

でも、これが自由恋愛の場だったなら、一体どうなっていただろうか。
関係は早々に進み、熱がピークに達した状態で、久次米は「賢者タイム」に突入。
その直後、あっさりとフラれてしまう。

理想だけが過剰に膨らみ、現実を直視できなくなった彼女たちは、「久次米と同じかそれ以上の男」を求めてさまよい始める。

そして気づけば、現実とのギャップを埋められぬまま漂う“高望み婚活ゾンビ”が大量に生み出される。そんな想像が、難しくない。

「顔がいい」「金がある」「なんとなく優しい」
それだけでここまで入れ込んでしまうのなら、外の世界ではいとも簡単にだまされる。

それじゃあ、どれだけ心があっても持たない。
あんなに美しくて個性があり、素敵な女性たちなのだから。

彼女たちにはもう少し冷静になってほしいと思う。

そしてなにより、恋愛に至ったわけでもなく、選ばれたわけでもなく、たった一度デートをしただけで落選した女性たちが、涙を流しながら去っていくその姿には、違和感しかなかった。
まるで元カノのような顔で番組を後にする彼女たちを見て、人はああして思い出を美化し、自分を「ハイスペ男に一度は選ばれた特別な存在」と錯覚していくのかもしれない、 そんなことを、ふと考えてしまった。

あとは、あれだけの「メロ」い表情で美夢についキスをしてしまう久次米をみていると、もうバチェラーは性行為を解禁させてみてもいいのではないだろうかと思ってしまった。
そうしたほうが、より冷静な判断で「運命の相手」を見つけられるのでは。

めっちゃ盛り上がった翌日に死ぬほど賢者タイムになってバシバシお色気美女を落としていくバチェラーも、それはまた現実的でおもしろいのかもしれない。

yuzuka

▶︎episode 1-4の感想考察はこちら