【チュートリアル福田】結婚願望0の中で出会った嫁との馴れ初め vol.1

編集長のyuzukaが本当に気になる人だけに、「結婚について」を取材をする連載企画、「結婚の哲学」。今回は芸人、チュートリアルの福田充徳さん(49)をお招きした。

もともとは“全く”結婚願望の無かった福田さんが、奥様と出逢われた馴れ初めとは?「帰りたくない夜もあった」という妊娠期間を経て、手にした子育てを通して、今感じることとは?福田さんの“結婚の哲学”を紐解く。

結婚願望0から、結婚へ。奥さんとのナレソメ

芸歴26年目のコンビ、チュートリアルでツッコミ担当を務めるお笑い芸人、福田充徳さん。M-1グランプリ2006での優勝を機に、お笑い界で確固たる地位を築いた。バラエティ番組の出演をはじめ、多方面で活躍し、その冷静なツッコミと多才な一面が幅広く評価されている。

yuzuka:福田さんにまずお聞きしたいのが、「結婚願望」についてです。過去のインタビューで「結婚願望は全くなかった」とおっしゃっていたと思うのですが、その理由について教えていただけますか?

福田さん: 結婚に対しては当時、プラスのイメージよりも、マイナスの部分がすごく気になっていたんです。「自由がなくなる」とか「自分のペースで生活できなくなる」っていう恐怖がありました。自分のライフスタイルが変わってしまって、いろんなことを我慢しなきゃいけなくなるんじゃないかって。

独身の時って、自分の好きな時に好きなことができるじゃないですか。夜遅くまで遊んだり、急にバイクでフラっと旅行に行ったり、自由気ままに。だけど結婚したら、誰かと一緒に暮らすことで制約が増えるんじゃないかと思ってたんですよね。それが単純に嫌やな、と。だから当時は、全くしたいと思わなかったですね。過去の彼女と同棲していたことはあったのですが、「結婚」となるとどうしても敷居が高くて……。

yuzuka:そんな中で奥様と出会われたということですが、その馴れ初めについてお聞きしてもいいですか?

福田さん:昔、僕らに女性マネージャーがいて、その人が女子会をやってたんです。東京に出てきた頃ですから、15、6年前くらいのことかな。女子4人くらいで集まってた会に僕も呼ばれて、その場に今の奥さんがいたんですよね。僕はその頃から女子に混ざって喋るのに抵抗がないタイプで、むしろ楽しいくらいで。そこで話してたうちの一人が今の奥さんでした。

yuzuka:出会った時は、ビビッと来るようなものはありましたか?

福田さん:ないない(笑) 最初は何もなかったです。でも、話しているうちに、すごく話しやすくて、違和感なく自然に話せるなって感じるようになって……。それがきっかけで少しずつ仲良くなっていきましたね。

yuzuka:出会ってからお付き合いまでの期間はどれくらいだったんですか?

福田さん:1年くらいですかね。最初はほんまにただの友人関係が続いて、そこから自然にお付き合いするようになりました。

yuzuka: 付き合い始めた時も、まだ結婚願望はなかった?

福田さん:いや実は、付き合う時には結婚を意識していましたね。というのも、付き合い始めた頃は既に、僕も39歳、奥さんも同い年で、40前同士やったわけですよ。そりゃあ付き合い始めたら、さすがにその先に結婚はあるんやろうなって、お互いにそう思いながら付き合い始めたと思います。でも、年齢の部分以上に、初めて「この人となら一緒にやっていけそうだな」って思えるようになったのが大きかったですね。

yuzuka:なるほど。あれだけ「結婚は嫌だ」と思っていた中で、そこに踏み込めた理由は何だったのでしょうか?

福田さん:なんやろ。とにかく波長が合ったんですよ。「この人と一緒になったら楽しそうだな」と思いました。うまく言葉にできないんやけど、他の人とは、全然違った。何がかは分からへんけど、僕にとって何かが特別やったんでしょうね。

yuzuka:実際に結婚してみて、お子様が産まれるまでの間にふたりの生活や関係性に変化はありましたか?

福田さん:いや、結婚自体ではそんなに大きくは変わりませんでしたね。ただ、一緒に暮らし始めた時期のことを考えると、最初はお互いのライフスタイルをすり合わせるのが…そりゃあもう大変でした。

お互いええ歳ですから、ある程度やり方が固まっちゃってるわけですよね。特に掃除のタイミングとか、ゴミを捨てるタイミングが違うこととか、そういう小さいことでよくぶつかって……。例えば、「まだこれぐらいでいいやん」と思う僕に対して、奥さんは「いや、もう掃除しなきゃダメだよ」と言ったり。ゴミが溜まっている時も、「そろそろ捨てに行かなきゃ」と思う奥さんに対して、「いや、まだ入るやん」と思う僕がいたり(笑)

価値観の「すり合わせは、まだ途中です」。

yuzuka:そのすり合わせはどのように折り合いをつけていったんですか?

福田さん: まだ完全に折り合いがついているわけではなく、今でも続けている感じですね(笑)でもね、「結婚」ってそういうものだと思うんです。お互いに言いたいことは山程あるんでしょうけど、全部言っていたらキリがない。僕もいまだに「なんでこれ直してくれないんだろう」と思うことはあるんですよ。でも、それが何回言っても直らないなら、そこはもうそれ以上追求しないで、「じゃあ、もう自分でやっちゃえばいいか」って。そういう、良い意味での諦めは大事やと思います。

yuzuka:お互いの歩み寄りですね。そのあとお子さまが生まれるわけですが、育児が始まるというのはある種、「自由でありたい」という思いからは真逆だと思うのですが、福田さんの中での「子どもがほしい」という願望はどのようにして生まれたのでしょうか。

福田さん:いや、もう単純に、今までの生活に飽きてきたんですよね。ずっと一人で過ごしてきて、40年。もちろん結婚して奥さんができて、それはそれで幸せではあったんですけど、何かが足りないような、ぼんやりとした物足りなさを感じていた。そんな中、いろんな人に「子どもができたら、人生観が大きく変わるよ」って言われるわけですよ。あまりにも言われるから、それってどんなもんなん?ここに子どもができたら、どうなるんやろう?って考えるようになりました。

yuzuka:周囲の影響も大きかった。

福田さん:そうですね。それこそ、当時しゃべくり007のメンバーと撮影終わりによくご飯を食べに行っていたのですが、有田さんが結婚してから、本当に娘さんの話ばっかりするようになって(笑)楽屋でもご飯を食べに行っても、いつも娘さんの写真を見せてきて、こうしたとか、ああしたとか、ずーっと子どもの話をしてるんですよ。内心、「またその話かよ」なんて思いつつ(笑)、でも、「あの有田さんがあそこまでなるか」と。

結果、僕にも子どもができると、あの時の有田さんの気持ちがめちゃくちゃ分かるようになりましたね。実際僕も、子どもが生まれてからは、子どもの話ばっかりしてます(笑)パパ芸人同士で集まると、絶対に漏れないマグカップの話で盛り上がったり。

「こんな気持ちになるんや」と自分でも驚くくらい、180度考え方が変わりました。

writer/yuzuka photo/akilla

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