【品川祐】嫁との馴れ初め、交際期間と結婚の決め手 vol.1
編集長のyuzukaが本当に気になる人だけに、「結婚について」を取材をする連載企画、「結婚の哲学」。今回は記念すべき第一弾として、芸人の品川祐さん(52)をお招きした。
芸歴29年目のコンビ、品川庄司でボケ担当を務めるお笑い芸人、品川祐さん。近年その活動の幅はお笑いだけに留まらず、作家や映画監督としても業界にその名を轟かせている。どの分野でもその実力は一流。アメトーーク!やロンドンハーツなど、誰もが知る番組で最前線のお笑い芸人として活躍する一方、自身が書いた作品が映画化する際には、自らが監督脚本を担当。現在はオリジナル作品も多数輩出し、その広い感性とマルチな才能がさまざまな業界で広く評価されているのは、皆さま周知のとおりである。
コンビ結成から29年。今でも多種多様な分野で活躍し続ける品川さんが、わざわざ不自由を伴う「結婚」を決めた理由はなんなのか。
品川さんと奥さんの出会いは、彼がまだ芸人になるよりずっと昔、なんと31年前に遡る。今回のインタビューでは、そんな品川さんと奥様とのナレソメ、そして、「結婚」そのものへの思いまで。品川祐流「結婚の哲学」を、丁寧に紐解く。
奥様との馴れ初め。「もうちょっと待って…」で10年間、結婚を引き伸ばした理由。
ーまずは、奥様との出会いを教えていただけますか?
品川 出会いは結構チャラいんだよね(笑)まだ俺がフリーターやってて工事現場で働いていた頃、仕事場の友達と毎週クラブに遊びに行ってたのね。と言っても俺は人見知りだったから、踊るわけでも、ナンパするわけでもなく、とりあえず女の子のいる空間の端っこでお酒を飲んでただけなんだけど、その一方で一緒に行ってた友達はめちゃくちゃクラブ慣れしててさ。いつも、彼女を連れてそのクラブに来るわけよ。その友達の彼女が連れてきてた友達が、今の奥さんだったってわけ。
ークラブで出会ったのが、お付き合いのキッカケだった。
品川 そうそう。ある日いつも通りクラブに行ったら、友達カップルとはぐれちゃって。そしたらたまたま奥さんがいたから、そこで初めて、「見なかった?」って話しかけたの。そこから一緒に友達を探してくれたのが、1番最初のきっかけだったかな。そのままなんとなく付き合うようになった。
ーよく聞く話なのですが、奥様と出会った時、「この人と結婚するかも!」みたいな、ビビビはありましたか?
品川 いや、無いね(笑)一生添い遂げるみたいな感覚でしょう?無かった。そもそもその時の俺は夢や目標も無くて、自分の将来も定まってなかったから、自分のことで必死だったのよ。ただただお金を稼ぐことに精一杯って感じで。中卒だったし、「金持ってりゃ舐められないだろう」って思う部分もあって、昼間は工事現場、夜中はスナック…。とにかく働くばかりで、結婚どころじゃなかった。
ーそこから奥様と10年間お付き合いされるわけですが、どのタイミングで結婚願望が芽生えたのでしょうか?
品川 それが不思議なことに、彼女とはとにかく喧嘩にならなかったんだよね。俺は若い時気が短かったから、今まで付き合った人ってやっぱどっかで引っかかる部分があったんだよ。それが今の奥さんと付き合っていくうちに、この人には引っかかるところが無いなって気づいた。
もちろん俺自身が機嫌悪い時とかはあるんだけど、そういう時も奥さんがふわっと落ち着かせてくれるというか。それで居心地の良さを感じていくうちに、なんとなく「結婚するならこの人だろうな」とは思うようになった。あとは、結婚というよりも、子どもが欲しくなったのもあるな。
ーお子さまに憧れたきっかけがあったんですか?
品川 姪っ子が生まれた時、ちょっとだけ俺に似てたんだよ。その時に、「うわ、俺に似てるって可愛いな」って思って。姪っ子でこれなら、自分に子どもができたらめちゃくちゃ可愛いんじゃないかって想像しちゃって。
ーだけど10年間は「結婚」に踏み込まなかった。
品川 …そうだね(笑)向こうにも「結婚したい」って言われてたし、俺自身も「この人と結婚するんだろうな」とは思ってたんだけどなかなか…。っていうのもその頃の俺の人生って、明日はどうなるか分かんないみたいな状況だったのよ。奥さんと出会って何年かたって芸人にはなったけど、「今結婚しても給料がどうなるか分かんない」「来年には仕事がなくなるかもしれない」って、常に不安も付き纏って。
少ししてちょっとずつテレビに出られるようになったら、次は「でも、レギュラー番組が無いし」。レギュラー番組が増えてきたら、「でも、冠番組が無いし」。そうやって「もうちょっと待って」、「もうちょっと待って…」って言い続けるうちに、10年経ってたね(笑)
ー奥様に急かされることは無かったですか?
品川 どうだろう。ただ、付き合って結構早い段階から徐々に押しかけてきている感じはあったよ(笑)付き合い始め半年くらいの時かな?俺は当時実家に住んでたんだけど、奥さんが遊びに来るたびに少しずつ荷物を運んできたんだよね。そのうえ、その日は泊まって、次の日も泊まって……。って、とにかく帰らない(笑)俺は俺で、それに「帰れよ」とは言わずに、「いれば」って感じで。
そうこうしているうちに俺が実家を出ることになったから、「じゃあ、このまま一緒に住むか」って。それでなんとなく一緒に住み始めて10年経って、俺自身の仕事も安定して飯も食えるようになってきたとき、なんか「もう、いいか」って力が抜けたタイミングがあったのかな。その時ようやく、「じゃあ、結婚しようか」って思えたんだよね。こんなこと言ったら、「勝手に押しかけたみたいに言うな」って怒られそうだけど(笑)
出会いだらけの芸人にとって、「一人の人を選ぶ」って、難しく無いの?
ー品川さんがご結婚されたのは31歳。当時の芸人さんにとってはとくに「遊び盛り」な年齢かと思いますが、その中で「結婚」をするって、お二人にとっても勇気のいる選択ではなかったですか?
品川 そうだね。だから、2人とも付き合いながら徐々に「芸人」としての人生に慣れていった感じはあったかもしれない。最初はうちの奥さんも、俺がちょっとファンレター貰ったり、ファンの女の子と一緒に写真撮ったりするだけで泣いてたのよ。それに昔は、朝の5時まで飲むのが、週5とか週6であったからね……。時々揉めたりもしながら、なんとか慣れていった感じかな。
ールール決めなどは無かったのですか?
品川 ルールは無かった。だけど今思えば奥さんが、少しずつ俺のことを理解していってくれたんだと思う。例えば俺がダウンタウンさんや今田さんに憧れてたのは知ってたから、その人たちに誘われたら、「嫌だ」とは言えないよね、みたいな。今思えばその頃から、あまり厳しくは無かったのかもね。
だけど俺たちがちゃんと「夫婦」になったのって、やっぱり子どもが生まれてからかもしれない。結婚って良くも悪くも、そんなに変わらないんだよね。
【品川祐流 結婚の哲学】
- 【品川祐】嫁との馴れ初め、交際期間と結婚の決め手
- 【品川祐】不妊治療の苦悩と娘の誕生秘話、子育て論
- 【品川祐】おしゃべりクソ野郎な嫌われ者が子煩悩な夫に変わったワケ
- 【品川祐】結婚の哲学と家族へ想い。結婚はゲームのクエストだ
実際に結婚相談所で出会って結婚した夫婦のストーリーが見たい方は、結婚相談所の体験談へ。
ナレソメノートの最新情報や恋愛相談は、こんかちゅぱんだのXをフォロー。
ナレソメ予備校の学年主任で、ナレソメノート編集長。元精神科の看護師で夜職の経験もあり。普段はエッセイストや脚本家として活動している。著書「埋まらないよ、そんな男じゃ。」(逆旅出版)他3冊。「愛の炎罪」..etc脚本。日刊spa!でも取材記事を不定期連載中。