永遠のテーマ「奢り奢られ論争」は、なぜ男を”狂”わせるのか。

今宵はまた、モテコンサル勝倉が展開した「奢り奢られ論」が、燃えている。

今回の炎上会場。むしろどこが発端かすらわからない。

それにしても、今回の炎上は大火事である。

数日前から始まった「奢り奢られ論争」は、燃え広がるにつれてその姿形を変え、

いつのまにか代理出産の是非にまで到達した。

どうして彼女のツイートが一部の男性の怒りを刺激し、炎上したのか。

この記事では今回の炎上騒動を振り返りながら、火元となった「奢り奢られ」そのものについて、モテコンサル勝倉、エッセイストのyuzuka、そして恋愛心理学者の山崎が緊急対談を行った。

yuzuka:勝倉さん…また燃えています…。

勝倉:アイツらなんなの?マジで話にならないんだけど。会話できなさすぎてビビるw

yuzuka: 私たちの炎上頻度が高すぎて、もはやこの「炎上会議」も、頻度高めの連載状態に突入しましたね。最初はバチェロレッテ3の評論から始まったこの「炎上会議」ですが、ここまで来るとは思いませんでした。「自分たちのX(旧Twitter)で燃えた話題について、その日の夜に集まって緊急対談し、徹夜で記事を書き上げて翌日にはリリースする」という恐ろしい企画、まさに火に油を注ぐようなものです。

そんな炎上会議、これまでのテーマも「独身は幸せになれるの?」「専業主婦っておすすめできる?」と、なかなかデリケートな話題が続いてきました。そして今回の火種は「奢り奢られ論争」です。いやあ、こちらの話題、あまりに燃えすぎて、大火事状態。ついにはうちの社長にまで飛び火しています。

勝倉: もう話があちこちに飛び散りすぎて、何の話をしていたのか分からなくなってきてるけどね。

yuzuka: 確かに。今回は論点の整理から始める必要がありそうです。でも、こういう「ワリカンってダメなの?」みたいな話題って、ネットでは頻繁に議論になりますよね。一部の人の何かを刺激するテーマであることに間違いなさそうです。

そのあたりの理由も含めて話していきたいところですが、とはいえ、私たちがただ会話するだけではあまり生産性がありません。だからこそ、冷静かつ中立的な立場で解説してくれる、この手の専門家が必要ですよね。例えば、婚活や恋愛の専門家で、恋愛心理学者みたいな人がいれば…でも、こんな夜遅くに呼び出して来てくれる方なんて…

山崎: こんばんは。恋愛心理学者のヤマザキです。突然カレンダーにURLだけが追加されていたので何かと思って来てみたら、またとんでもないことに巻き込まれたようですね。

yuzuka: ということで、本日も「炎上会議」、スタートです!

論点はどこへ?今回の「炎上」の内容とは?

yuzuka:そもそもこの炎上、もともとはどこから始まったんですか?

勝倉:発端は、別の相談所のプランナーさんの割り勘話だよね。現状男性が支払うというルールのあるお見合い時のカフェ代について、「女も払うことにするんだったら、安いカフェでいいんじゃない?そうしたら、双方の負担が減るね」みたいに言及した内容のツイートに対して、「どうして男だけの時は『ラウンジでお茶』だったのに、女が入ってきた瞬間に『安いカフェ』が許容されるんだ!」みたいな声が大量に湧いて、結果ご本人はツイ消しするという。

まあ、とは言え私はこの主張自体に乗っかったわけでは無いんですよ。ただ、そこに大量に湧いている「男女平等にするべきだろ!」みたいな意見に対して、「完全に家庭内で男女平等、男女割り勘にするんだとしたら、女性だけが担う『出産』の部分は浮きますけど、そこはどう精算するんですか?」という問いを投げかけただけなんだよね。

yuzuka:なるほど。

勝倉:そもそものスタンスとして、私は「家庭内で完全に『男女割り勘』をするのは無理」だと思っているので、その問い自体に私の主張や思想は無いんですよ。それを、私が男女平等主義者や女性優遇思想だと勘違いした奴が絡んできているって状態ですね。

yuzuka:その流れで、「奢り奢られ」から「代理出産」に派生していったわけか。

勝倉:そうなんだよね。ただ、今回は全く議論にならないのよ。というのも、Xにいる「女叩き界隈」の人たちがいるじゃん。あの人たちが、いつも自分達がやってきた論法に無理やり当てはめようとして、結論ありきで話してくるから、会話にならなくて。

yuzuka:勝倉さんの話の中に出てくる代理母の話はあくまで議論上の「仮定」であって、そこに主義主張は無い。でも彼らは、それを勝倉さんの「主張」だと思い込んで、そこを批判してくる。「そういうことじゃないよ」と言っても聞かないから、議論にならない…

勝倉:そうなのよ。彼ら、たぶんディベートとか仕事をちゃんとしたことが無いんだと思う。ディベートって、自分の主張とは必ずしも関係ない立場で議論をするわけじゃん。仕事でも、「こうだったらこう」とか、仮説をもとに議論を組み立てるなんてザラですよね。その感覚が無いというか……。しかも彼らは結論ありきだから、こっちの話を全く聞いてない。最終的には、「気持ち悪いよお前」と、お気持ち攻撃しはじめる。それじゃあ話にならないよね。

yuzuka:いつのまにか議論の主体になっている「代理母出産」も、勝倉さんとしては主張ではなく、「仮説」の一つだったわけですね。

勝倉:そうだよ。そもそもの「代理母出産」の話を出した流れとしては、最初の問いにあった「女性だけが担う『出産』の部分」について、男女平等に折半するために無理やり定量化すると、現状「代理母」というマーケットがあるわけですよね。だから議論をするために、一案としてそのマーケットの市場相場で経済価値を考えられるのでは?と。それが大体2,000万で取り引きされています。じゃあそれを割り勘したら、1,000万円。女性側の1,000万円は「体の負担」で支払っているとして、男性側は1,000万円を金銭で負担するんですか?もしくはしないのであれば、どういう計算をして何で払うんですか?そうじゃないと、男女平等に完全折半にならないのでは?という、ただのオープンクエスチョンなんだよね。

だけど彼らはそれを「こいつらは『私はこれくらい価値のあることをやっているんだから、金をよこせ』と言ってきている!」って思ってるんだと思う。なんかよく燃えている、「専業主婦は年収にすると1,300万円だ!それなりの敬意を示せ!」みたいな主張あるじゃん。あれに話をスライドさせて言ってんだよね。全然違う話なのに。最終的には、「ことの発端はこの女が1,000万を払えと言い始めたことで…」ってまとめられたりしてたし。そんなこと言ってないのよ(笑)

yuzuka:なんなら私たちは「専業主婦はおすすめできない」というテーマでも炎上会議してますし、そんな主張とは縁がないんですけどね(笑)

勝倉:私が言う「妊娠出産の価値をワリカンしたら1,000万円」というのは、あくまでひとつの算出方法としてマーケットプライスに当てはめていただけなのよ。金銭で払うのが気に食わないなら、「そのぶん男性側が育休をとって家事という負担を多く担う」とか、別にそれでもいいわけだよね。男女平等に負担を按分するために、定量的に考えないとワリカンができないじゃん。でも今回の議論ではそういう有意義な話には一切ならず、「代理母の金額の算定がおかしい。代理母の報酬は400万円だから、400万円が妥当」と言い始める人もいたし……。本筋はそこじゃないから、じゃあ別に400万円でもいいよ。いいとして、あなたは200万円払うのか?って。そこを聞いたら、そこに答えは返ってこないし。

そこで、その人が最終的に言い始めたのが、「出産の労働価値は0だと評価した」うえで、産休中に既存する給与の減少分だけ払えば事足りるはずだ、という主張。

yuzuka:あららら…。

山崎:(笑)

勝倉:いや、別にそれはそれでいいのよ。それは彼の考え方だし。ただ、「ああ、あなたは全部を割り勘にすると考えた時に、『妊娠と出産の労働分については価値算定しない』という考えなんですね」となる。じゃあその場合は、女性からすると負担が大きく感じられるだろうから、そういう思想の割り勘男を選ぶメリットはないって結論になりやすそうだね〜って話。でも彼は、そこからも一生妊娠出産の経済価値の話にこだわってて、やたらとバリュエーションを低く見積りたがるし、何がしたいのかよく分からなかった。妊娠出産はプライスレスって言いたかったのかな〜。

yuzuka:実際に一連の流れを見ていた私も、「え?割り勘思考の人たちって、こんな考え方なの?」と、戸惑いましたからね。私は今までyoutubeでも散々「割り勘でも気にならん」という意見を発信してるんですけど、それでもその人等の一部でも「妊娠出産の労働価値は0」だという考えを持っている可能性があるのだとしたら、もうそれが「辞めておくべき答え」じゃないか、って思っちゃったんですよね。そんな人たちは結婚相手として選べないよね、って。事実、「割り勘派でも良かったのに、これからは避けようって思いました」みたいなマシュマロもたくさん来てて……。なんかもう、やたらと「割り勘」にこだわる人たちの根底の思想が炙り出されちゃった感じがしました。墓穴掘ってない?

勝倉: そうだよね。女性からしたら、そういう人たちを積極的に選ぶインセンティブはないよね。もちろんまともな割り勘男性もいるとは思うけど、男女平等を盾に女性に負担を寄せかねない男性も混じってるってことだから。今回の騒動によって、そういう思考の人たちを選んだ結果、「妊娠産休中も割り勘にしろよ、男女平等だからな」みたいな旦那が生まれるわけだな、というところに到達しちゃった。

山崎:(笑)

yuzuka:ちょっと、山崎さん!ずっと笑ってますけど、これもう、どうするんですか!

山崎:いや…笑うしかなくて。この炎上、とにかく論点がずれすぎて、いくら遡っても結局彼らが何を言いたかったのか、分からなかったんですよね。とにかく「お気持ち」強めだな…と思いました…。

yuzuka:確かに…彼らの生態自体も後ほど山崎さんに解説していただきたいのですが、一旦は大元の話に筋を戻しましょうか。

割り勘論争、男が「奢った方がいい」理由

勝倉: 私たちのいつもの主張って、「奢らない人と奢る人がいたら、奢る人の方が好まれるよね」っていうシンプルな話なんですよね。「奢るべき」という話じゃなくて、ただ単に物をくれる人とくれない人だったら、くれる人の方が良いと思われるっていう、シンプルな話です。私たちはあくまで恋愛市場、婚活市場の話をしているので、「そっちの方があなたの目的(結婚恋愛で得をする)に達成する可能性が高いですよ」、という話をしているだけです。

山崎: そうですね。これは男女を入れ替えてもだいたい同じことが言えますよね。

勝倉: ちょっと前に話した、「ペアローンを組む女性と組まない女性がいたら、組む女性の方がいいよね」っていう話も同じですよね。

yuzuka: それで言えば女性側にも、事実を元にしたアドバイスをしたら怒り始めるっての、よくあるかも。例えば、お見合い写真で「二の腕を出した方がクリック率が上がりますよ」とアドバイスすると、「女性差別だ!私は体を使いたくない!」みたいな反発をする人がいますよね。いや、気持ち自体は分かる。でも、それでクリック率が上がるのは事実で、婚活市場にいる限りは、その機会を逃すのはもったいないですよって話で。もちろん、強要はしませんけどね。ただ、損をするよね、と。

ただ、一点気になるのが、どうして男性側に限って奢ることをアドバイスするのかってところかも。じゃあ、女性側も奢れば”モテ”るのかというと、おそらくそんなことは無さそうですよね?どうして女性は、「奢る男性」に惹かれるのでしょう。

山崎: 異性に期待される要素を持っていると示す方法として最適だから、ですかね。結婚相手として、男性は女性に「若さ」を期待し、女性は男性に「若さ」「年収」「学歴」を期待する、ということを示すデータがあります。つまり、男性が「奢る」ことで、女性が抱く「年収」への期待を分かりやすく満たすことになるわけです。また、年収は学歴と比例するわけですから、「奢る」ということはそれだけで、婚活男性が婚活女性に期待される要素を最も効率的に示すことのできる手段となるんですよね。

yuzuka:考えて見れば、女性への「二の腕を出した方が良い」とか、「お化粧をしましょう」とかも、「若さ」を示す方法ですもんね。

山崎:そうなんですよね。私たちは男女問わず、市場原理的に有効なテクニックを提示しているだけなんです。恋愛市場や婚活市場では、「異性が喜ぶこと」をすれば合理的ですよね。割り勘なんかはその典型的な例で、「奢る」という異性が喜ぶテクニックをあえて使わないと宣言しているのが、いわゆる「割り勘派」の人たちということになります。

勝倉: 効率性とか合理性を無視して逆サイドをとるってのは、まさにわざわざハンデを背負っているようなものですよね。じゃあ、なぜそんな非合理的なことをしているのかっていうと、結局そこに強い思想があるわけで。思想があること自体は悪いことではないですが、今回特に目立ったのは、ここに歪な「男女平等論」を持ち込む男性達です。

彼らは、自分に都合のいいところ、例えば「デート代や生活費の割り勘」など、わかりやすい目の前の経済面では男女平等を主張して折半しようとする一方で、妊娠や出産、家事といった見えにくい負担は女性にまるっと押し付けようとするんですよ。目立ったのが、「妊娠出産は神聖なものだからプライスレスなんだ!」みたいな意見。つまりそれって、あえて定量化しないから割り勘にもできない=女性が負担を丸かぶりするってことですよね。そういう人たちがいるから、「割り勘を選ぶ人たちには、女性からするとテイカーな地雷が多い」という印象になる。今回の炎上では、それが露見したことで、彼らはより選ばれにくくなった。せっかく、ワリカンOK女性も増えているところだったのにね・・・。

yuzuka: 彼らは男女平等を謳う一方で、どうして「家事や妊娠」などは過小評価するんでしょうね。

山崎:人ってみんな「自分は他者に比べ、客観性が高い」と勘違いしているんですね。ナイーブ・リアリズムと言います。この心理にハマりすぎてると、自分の信念は客観性が高いはずだ、それを理解できない人を「分かってない人」と認定する。

男女の話になるとこれが顕著に現れやすいです。男性は主に男性の、女性は主に女性のことについて詳しい。なぜなら経験しているから。だから特に、妊娠・出産という女性特有のライフイベントへの過小評価は男性に起こりやすいんです。

分かりやすい話、稼得能力がある人は「稼ぐこと」を評価して、家事育児に精を出してる人は「家事育児」を評価しやすいって感じです。

yuzuka:なるほどな。それで、家事や出産の価値が見えなくて、出産の労働価値は0だと言い出す一方で、自分たちの労働は「死ぬ可能性のあるとても大変な仕事だ」と主張するのか。そりゃあ、選ばれませんよね。

勝倉: しかも、割り勘にした結果モテにくくなるという現象を黙って受け入れるならまだ良いんですけど、そこを認めない人たちがいるわけだよね。「奢る男を選ぶのは悪い女だ!変われ!」みたいなことを言い出すわけ。いや、そこじゃないだろう、と。これはあくまで「奢る男」と「奢らない男」の間の競争であって、戦うべき相手、あるいは紳士協定を結ぶべき相手は「男」なんです。それなのに、「奢られる男になびく女が悪い!」と言い続ける人たちは、一体何なのか。でも、これもいつもの「割り勘論争」の構図なんですよね。

彼らが非合理的な「割り勘」に固執するのは何故?

yuzuka: そもそも、あの人たちが「割り勘」に固執するのってどうしてなんですかね?お金が無いという人はおいておくとして、「お金はあるけど絶対に奢りたくない」という思想に、どうして陥るんでしょう。だって、お茶代数千円をしぶることで嫌われる可能性があるなら、恋愛や婚活において「奢らない」ことによるデメリットの方が多いのは明白じゃないですか。それを頑なにやらないというのが不思議なのですが…。

山崎: 「奢りたい」と思える人に出会ってこなかったから、という悲しい側面もあるかもしれませんね。

yuzuka: というと…?

山崎: 男性って、奢ることで「男性的役割」を果たしている感覚を得る人が多いんです。つまりは男性にとって、「奢る」という行為は、社会的役割を果たしている実感につながり、心理的にも気持ちの良いものなんですね。でも、そういう感覚を得る前に、「奢りたい」と思えるような相手と出会った経験がない場合、わざわざ「奢る」ことの意味自体が理解できなくなってしまうんです。結果、「奢るなんておかしい!」という気持ちが生まれてくる。これもまたナイーブリアリズムの一例かも。

こういう人たちは、恋愛や結婚に対して深く身を入れた経験が少ないのかもしれません。これが、彼らに共通する特徴の一つだと感じますね。

yuzuka: 確かに…。あとは彼らが普段対峙しているのが、「奢られて当然」という考え方を持つ女性ばかりだったのかもしれませんね。過去にそういう女性と関わった経験があると、「あんな奴らに奢るなんて」という反感が生まれてしまうのも、納得はできます。なんだか気の毒な部分がありますね。

この点で言えば、私たちのことを「なんでもかんでも女性を優遇する過激なフェミニスト」だと思っている人たちもいるんですけど、実際には全然そうじゃなくて、むしろ「奢られて当然だと思っている女性」に対しては普段から辛口です(笑)私たちが言いたいのは、無差別に奢れということじゃなくて、「いいな」と思う相手には奢った方が得じゃない?って話なんです。まあ、その「いいな」と思える相手がいないと、そういう感覚も持てないのかもしれませんが…。

勝倉: 結局、そういうことなんでしょうね。この論争で激しく抵抗してくる人たちのプロフィールを見ると、明らかに恋愛をしてこなかったであろう印象を受けることも多いから。

yuzuka: そう考えると、ちょっと切ないですね…。

どうしてXで吠えるの?人々が狂う理由とは。

yuzuka:ここまでの話で、彼らが「割り勘派」になった経緯は想像がついたんですけど、次は彼らがあそこまで必死に、それを主張する理由が知りたいです。

例えば、勝倉さんから火の粉が飛んで来たこちらのポスト。

例の如くリプライ欄が地獄みたいになってますけど、私はこのポストの中でひとことも、「奢られるのが当然」とか「全員奢れ」なんて書いてないんですよ。ただ、「割り勘推奨派にやばいのが多すぎる」と困惑しているだけなのに、このツイートを見ただけで「奢られて当然だと思うな!」とか「元夜職だからだからそんなことを言うんだろう!」みたいに攻撃されて…。いや、「支払いにこだわりはない」って書いてあるじゃん…。なんならうち、旦那とは割り勘なんですけどね。

それにしても、この文面だけで「割り勘派の俺が否定されている!」って攻撃してくるあたり、もしかすると彼らは私が想像する以上に、自らが「割り勘派」であることに強いコンプレックスを抱えているのかも?なんて思ったのですが、実際彼らは、どんな心理状態なんでしょうか?

山崎: ひとことで言えば、「合理化」だと思いますね。割り勘派の男性たちは、普段から肩身の狭い思いをしているんですよ。世間や婚活市場はまだまだ「男性は奢った方が良い」という風潮。そこからズレてることは理解している。でも、自分がズレてるのではなく世間が理解していないと考えて「僕は間違ってない!」と反論せざるを得ないのかも。

yuzuka:メンヘラちゃんだ…!

勝倉:男性のメンヘラの方がややこしいよね。男性はロジカル!とかよくいうけど、実はお気持ち族めっちゃいるね。

yuzuka:いや、本当に思いました。

yuzuka:彼ら、この騒動中ずっとXに張り付いて必死に勝倉さんを攻撃してきていますよね。何が彼らを、そこまで駆り立てるんでしょうか?。どうしてあそこまで自分が正しいと「分からせ」たいんだろう。

山崎:これもまたナイーブリアリズム、そして確証バイアスによって主張が加速していると思います。前提としてはやはり「自分が客観的で正しいはず」。その上で自分の主張とズレてる市場感や他者の主張に納得ができない、理解できないという状態になるんです。そんな時にやってしまうのが、自分の主張に沿った情報だけを重宝し、主張に沿わない情報を軽視する「確証バイアス」の罠。自分の思想が正しいし、それに沿った情報ばかりを集めて、この思想が分からないやつは客観性がない、だから「分からせ」ないと、となるわけですね。

yuzuka:なるほどな…。

山崎: これって、要するに「男性版、中身を見て」って話なんですよね。女性がよく「体目的なのは嫌だ」と言うのと同じで、男性の中にも「本当は中身を見てほしい」と思っている人が多いんです。でも現実には、経済的に裕福な男性がモテるという、いわゆるピラミッド構造があるじゃないですか。年収が高い方が有利だというのは、やっぱり事実なんですよね。だけど、それを認めたくない。年収だけじゃなく”正当”に評価して欲しくて「自分の人間的価値はそこでは測れない」と言いたくなるんです。彼らにとって、年収や経済力だけで判断されることに抵抗感があるんでしょうね。彼らは中身を見て欲しいんですよ。

yuzuka:中身を見てほしいんだ。あんなに中身ぐちゃぐちゃなのに…?見たら終わらんか?今回も中身が露見してるから女性たちに反感を買っているのに…。

勝倉: いや、そうなんだよね。結局、奢る人たちに対して、割り勘派の人たちって何も勝てていないのよ。だって、思想が強くてめんどくさい上にお金も払わず、しかも見えない負担は相手に押し付けようとするかもしれない。それって最悪じゃないですか。そんな態度では、恋愛や婚活の場で選ばれないのは当然だよね。

yuzuka: うーん……。もし自分たちが女性に相手にされていない理由を割り勘のせいにしているんだとしたら、ちょっと違うと思うんですよね。もっと根本的なところを直さないと、どうしようもないというか。

山崎: これ、女性に置き換えると、婚活がうまくいかない時にひたすら写真を撮り直す女性たちと同じ考え方です。うまくいっていない原因が自分の思想や行動にあるのに、それを認めずに、手が届く範囲でどうにかしようとする。イメージしにくい部分には手を出したくないんですよね。なぜなら、そこには労力がかかるから。彼らの場合、それが「社会が変わるべきだ」という主張に向かっているんです。自分は変えたくないから、周囲を変えようとするんですよね。

yuzuka: なるほどね。忌み嫌われる理由が彼ら自身の内面にあるのに、「忌み嫌っている社会がおかしいから変わるべきだ」という思考に走るわけですね。でも、冷静に考えても、そっちの方がよっぽど大変だと思うんですけどね。

山崎: そうなんです。認めてしまうと、自分が壊れてしまうから必死に合理化しようとする。「自分は間違っていない。周りがおかしいんだ」ってね…。

yuzuka: しかもX(旧Twitter)って、それを強化しちゃいますよね。一般社会で主張したら「は?」って言われるようなことでも、Xでは同じような思想の人たちが肯定してくれるから。そこそこのフォロワー数を抱えてしまうと、自分の意見が正しいとますます思い込んでしまう。さらに、独身で身近に「それはおかしいよ」と言ってくれる人がいないとなると…。それじゃあ、おかしくなっていくのも仕方ないですよね。

勝倉: なんか、彼らがちょっと可哀想に思えてきたな。どうしたら救われるんだろう。幸せになる方法はたくさんあると思うんだけど。

山崎: 自信をつけることが大切だと思うんですよね。別に奢りたくないなら、奢らないことに自信を持って、その上で自分のやり方で戦っていけばいいんです。私たちも、あくまで婚活市場での話をしているだけなので、そこに対して「思想を否定された」と過剰に反応する必要はないはず。

そもそも、恋愛や婚活市場には確立されたマーケットやテクニックがあるのに、それをわざわざ否定するのは、相当「自分が損をしている」と感じているからなんだと思います。強い使命感がないと、そんなことはできませんよね。それなら、自分の本心を認めて、自身に自信をつけるような生き方をしていくしかないですよ。

勝倉: 結局、彼らは他責すぎるんだよ。自分の問題だと認識した方がいい。

yuzuka: 人生がうまくいかないのは、女性や社会のせいでも、奢っていないせいでもなくて、もっと自分自身の中に原因がある。そこに気づけたら、多分世界は明るくなる。

勝倉: そうなんだよね。そこを認めて、それこそ自分に合う素敵な人と結婚して情緒的なサポートを受ければ、彼らは今よりずっと幸せになれると思うよ。別に年収が300万だとしても、頑張って相談所に入れば、優しさや人間性の一点突破で評価してくれる心優しい女性も、きっといるはずだから。それでも変な女にばっか出会ってきたんだって人は、ナレソメにきなよ。サポートするからさ。

yuzuka:めちゃくちゃやばい人がきたらどうするんですか?

勝倉:それは普通に断る。

yuzuka:(笑)

直接危害を加えてきていない赤の他人に対して猛烈な敵意や怒りが沸く時。

それは、「自分のコンプレックス」が刺激された時である。

「怒り」というのは二次感情。「怒る」前には必ず何かしらのベースとなる不快な感情がある。悲しい、悔しい、寂しい……。あなたが勝倉に感じた思いは、なんだったのだろう。

「奢り奢られ」の是非については、それぞれのスタンスや主張があるだろう。

損をしてでもそれを突き通すというのであれば、極論、己の自由である。

しかし、自身と反対のスタンスをとる人間を見た時、もしも激しい怒りを感じるのなら。その選択は、あなたの本心ではないのかもしれない。

writer/yuzuka

出演者/モテコンサル勝倉/恋愛心理学者山崎

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